【ベトナム旅行レポート】メコンデルタの楽園、ミトー ~Vol.1~

sKenji

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ミトーのジャングルクルーズ
ミトーのジャングルクルーズ

2015年3月下旬から4月上旬にかけてベトナム旅行へ。旅は南部のホーチミンから始まり、約10日間をかけてハノイまで北上。旅行中に見てきたベトナムの魅力をご紹介します。

ミトーについて

以前からベトナムを旅行したいと考えていた。ベトナムには、海に無数の奇岩が浮かぶ「ハロン湾」、古い町並みが残る「ホイアン」、そしてベトナムの古都「フエ」などといった見どころがあり、一度は自分の目で見てみたいと思っていたのだ。

3月26日。成田空港を飛び立つとソウル経由でベトナム南部の都市、ホーチミンに到着。当初、入国してすぐに移動するのはせわしないと思い、同市に一泊することも考えていたものの、今回は短期旅行のために先を急ぐことにした。まず最初に目指した街は「ミトー」である。

ミトーはアジア最大の大河、メコン川の下流域に広がるデルタ地帯の入口の街である。ベトナム行きを決め、ハロン湾などのほかにはどのような観光スポットがあるのだろうかと、何気なくガイドブックを開いてパラパラとページをめくっていると、あるページで目がとまった。それがミトーで、メコン川に浮かぶトイソン島でのジャングルクルーズの写真であった。南国らしい植物がうっそうと茂る中に小さな水路があり、そこを小舟が行くもので、一目見て無性に行ってみたくなったのだ。

ホーチミンからミトーへ

空港ターミナル前からのバスの車内。ベンタイン行バスは152番の路線バス

空港ターミナル前からのバスの車内。ベンタイン行バスは152番の路線バス

ホーチミンのタンソンニャット国際空港に到着すると、空港ターミナル前から路線バスに乗り、まずは市中心付近に位置するベンタイン市場へ向かうことにした。

市場のバス停までは40分ほどで着いた。近くの食堂で朝食を取るとミトーへ行くために15分ほど歩いて別の路線バス発着場へ向かった。ミトーへの直通バスはなく、このバス停から「ミエンタイ」という、ホーチミン市の西にあるバスターミナルまで行き、そこで乗り換える必要があった。

ミエンタイのバスターミナルまでは1時間弱、そしてバスを乗り換えてさらに揺られること約1時間半。ミトーに到着した。

ミトーのバスターミナルから船着き場へ

バイクタクシーに乗車中

バイクタクシーに乗車中

ジャングルクルーズを始め、ミトーの主な見どころはメコン川の中州や川岸にある。そのため観光は船に乗って巡ることになる。ミトーのバスターミナルは、船着き場から4kmほどの場所にあったため、今回の旅では初となる「バイクタクシー」で船の発着場へと向かった。

ちなみにバイクタクシーとは、その名の通り乗用車ではなくバイクのタクシーである。ベトナムなど一部の国ではとてもポピュラーな庶民の足で、一人旅行者にとっては安くて便利な乗り物である。

バイクがボートの発着場に着くと、最初にその日の泊まるところを探した。近くに1軒の安宿があったので、そこへチェックイン。

部屋に荷物を置くと、限られた時間で効率良く見て回るためにツアーをアレンジしてもらった。内容はトイソン島でのジャングルクルーズとメコン川を挟んだ対岸に生息しているホタルを見に行くものである。

ジャングルクルーズとホタル観賞ツアー

ツアーは15時にスタート。ミトーの船着き場からボートに乗るとまず最初にトイソン島に向かった。船は10人程度が乗れる大きさで、ツアー参加者は自分を含めて合計2名。船頭は中年の女性でガイドも兼ねていた。

島までの移動時間は15分ほどであった。この日は風が強く、波が立っていてひっくり返りはしないだろうかと何度か不安がよぎる。

船頭兼ガイドの女性は船を島につけると降りるよう促した。トイソン島は7km×1kmほどの細長い小さな中州である。島に上陸すると彼女はまず私たちをあずまやのような簡素な造りのカフェ?へと連れて行った。

店に入ると若い女性が「蜂蜜茶」なるものを持ってきた。最初に目にした時は怪しげな飲み物に見えたが、一口飲んでみると喉に染み込んでくるようで美味しかった。すぐに飲み干してしまい、2杯目をいただく。暑いミトーの気候に合わせて作られたかのようなお茶であった。

ボートでトイソン島へ。船頭がガイドも兼ねている
ボートでトイソン島へ。船頭がガイドも兼ねている
カフェ?で蜂蜜茶を飲む。これがかなりいける
カフェ?で蜂蜜茶を飲む。これがかなりいける

蜂蜜茶を飲み終わると、ガイドのおばちゃんは、

「好きなように島内を見ておいで。40分後にこの店で待ち合わせね」と言うと、どこやら立ち去ってしまった。

「いったいここで何を見るのだろう」と思いながらも、とりあえずは時間潰しに島内を貫く小道を散策してみることにした。

しかし、歩き始めてすぐに与えられた時間では到底足りないと思うほど素敵な散策路であることを知る。

道は幅1~2mほどで、舗装された箇所もあればそうでないところもあった。両脇には生命力あふれる南国の緑が溢れていて、ところどころに簡素な民家が建っている。実にのどかな光景で、まるでここだけ時間がゆっくりと流れているようであった。ただ歩くだけで自然と心が癒される。都会にあるいかなるリラクゼーション施設よりも安らぎを覚える場所であった。

島の小道が美しい
島の小道が美しい
南国を感じさせる植物たち
南国を感じさせる植物たち
島に咲く花
島に咲く花
島を貫く小道の両脇には所々に民家が建っている
島を貫く小道の両脇には所々に民家が建っている

40分後。待ち合わせのカフェに戻る。

しかし、ガイドのおばちゃんはいなかった。その場で15分ほど待っていたが現れないので、カフェのおねえちゃんに尋ねてみた。すると彼女は電話を取り出してかけてくれた。1~2分ほど話した後に電話を切ると「このままここで待っていて」と言って、微笑んだ。

言われた通り待つこと20分ほど。見知らぬ一人の中年男性が現れた。どうやら代わりのガイドらしかった。いったいおばちゃんはどこに行ったのだろうかと思いながら、彼の案内でジャングルクルーズの小舟が出るポイントへと向かった。

舟は大人7、8人ほどが乗れるほどの大きさで、前後に二人の漕ぎ手がいた。彼らが静かにカイを漕ぎ始めると、両脇に涼しげなニッパヤシがうっそうと生い茂る狭い水路を小舟はゆっくりと進み始めた。

ニッパヤシはヤシ科の植物で高さは3~4mほどあった。まるでマングローブ林のように水から生えており、ボートはその中を20~30分かけて終着地点まで移動した。

島にはワニ園があった。メコン川にはワニもいるそうな

島にはワニ園があった。メコン川にはワニもいるそうな

ジャングルクルーズの後はホタル観賞の予定であった。しかし、日没まではまだしばらく時間があったために、別の中州であるフーン島に移動して時間を潰すことになった。

島に上陸すると木々の間に吊るされたハンモックがあったので、大半の時間はそれに揺られていた。

日中はうだるような暑さだったがこの時間になると太陽もだいぶ傾き、過ごしやすくなっていた。川面を渡ってくる風がとても心地よく、ハンモックでうとうとしていた。

1時間ほどして日没間近になると、再びボートに戻ってホタル探しに出発した。ホタルはコルクの木に集まるとのことで、条件が良ければまるでクリスマスツリーのような状態になるらしい。私が訪れた時は1つの枝にホタルが20匹くらい集まっていた。日本のヘイケボタルよりも一回りほど小さく、光の点滅はチカチカと早かった。メコン川とホタル。なんともロマンティックな組み合わせであった。

ナイトマーケットにて。握りこぶしほどの大きさの氷がビールに入れて出された

ナイトマーケットにて。握りこぶしほどの大きさの氷がビールに入れて出された

ホタル観賞を終えるとミトーの船着き場に戻り、ツアーは終了。

ボートを降りて宿に帰るとまずシャワーを浴びた。そしてメコンの川岸にあるナイトマーケットへ繰り出し、夜風に涼みながらビールを飲み、ベトナム料理に舌鼓を打った。

こうして長く充実したベトナム旅行初日が終ったのだった。

<【ベトナム旅行レポート】躍動するホーチミンシティ ~Vol.2~ に続く>

 【ベトナム旅行レポート】躍動するホーチミンシティ ~Vol.2~
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ミトー・トイソン島

楽園・トイソン島にて撮影
楽園・トイソン島にて撮影

Text & Photo:sKenji

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