【緊急地震速報8.8】そのときあなたは? ~静岡県三島市~

pamapama

公開:

5 なるほど
2,481 VIEW
0 コメント

仕事は休み。夕方はテレビで高校野球を観ていた。

8月8日、仕事は休みでしたがこどもは保育園に預けていました。16時50分ごろ、そろそろこどもを迎えに行こうかと高校野球の映っているテレビを消そうとしたとき、テレビとiPhoneから急に大きな音が鳴りました。

テレビの字幕もiPhoneの画面も「奈良県で強い地震。日本のかなり広い範囲で強い揺れに警戒」という旨の、かなり衝撃的なことを伝えていました。テレビのアナウンサーは「テーブルの下などに隠れてください」と言っていました。が、正直なところわたしはどうしていいかわかりませんでした。

考えるけど、行動しない。

静岡県三島市にはいつ、どのくらいの揺れが来るのか。自宅マンションは免震構造だが、大規模な地震だとどれぐらい揺れるのか。そういえば固定していない家具があるからそれを押さえていた方が良いのではないか。

保育園は耐震補強済みとは言え建物そのものは古い。走れば5分で着く。すぐにでもこどもを迎えに行くべきなのか。

もしこれがあの「南海トラフ地震」クラスなら沼津にも津波が来る。そのまま狩野川を遡上してくると予想されている。その場合、河口からは離れているものの、狩野川沿いにある実家にも影響があるかもしれない。連絡しようか。

いろいろ考えるのですが、何も行動できないのです。正直言ってときおり「小さく丸くなって揺れを待とうか」という怯えにも似た感情も出てきます。でも結局何もしない。そのひとつの原因は「みんなはどうしてる?みんなに倣おう」という意識でした。

外はふだんどおり。近畿地方にも変化がない。

マンションから外の様子を見てみました。ラジオをつけているかもしれないクルマも何事もなく走るだけ。ドライバーも歩行者も携帯電話は持っているだろうに、やっぱり何の変化も見られません。

そしてテレビに映っている阪神甲子園球場ではそのまま試合が継続されています。この映像を見たとき「これはなぜなんだろう?」と思いました。観客だって主催者だって速報には気づいているだろうに。我が家よりもはるかに震源に近く、阪神大震災も経験しているこの地域はなぜまるで何事もないようなんだろう。

このあたりから、わたしは「近畿がこの様子なら、三島は大丈夫なんじゃないか」と勝手に決めつけにかかっていました。

マグニチュード2.3。震度1以上の地震は観測されず

その後「マグニチュード2.3。震度1以上の地震は観測されず」というテロップが流れました。さらに和歌山の南紀白浜の映像が映りました。

美しい砂浜にはビーチパラソルが咲き、海水浴客ものんびりした様子。この時はまだこの緊急地震速報が誤報だとはわかりませんでしたので個人的には「このあと強い揺れがあるかも知れない」とは思っていました。しかし南紀白浜は相変わらずのんびりしています。

ここらへんでわたしは「もう大丈夫なんだ」と決めてしまいました。誤報だとは知りませんが、マグニチュード2.3という地震があのあたりで実際にあったことで「速報はさっきの地震を知らせたもの」と判断しました。

「速報があって、小さいけど地震があった。みんなはふだんどおり。これでおしまい」と思ったのです。

「地震があったら」は決めていても「速報があったら」は決めていない。

わたしが「なぜなんだろう」と首をかしげた高校野球について昨日(8月13日)のニュースを見ると、大会本部は

「大会本部では緊急地震速報が発表された時の対応を決めていなかった。そのため、大会本部からネット裏にいる幹事審判委員を通じて球審に伝え、球審が直ちに試合を中断することや、観客に対して電光掲示板や場内アナウンスで速報を伝え、その場で待機するよう求めることなどを決めた」

とのこと。

そうなんです。わたしのまわりも同じです。自治会や職場では防災訓練も実施しており「地震があったらこうする」は決めているのですが「緊急地震速報があった場合にどうするか」は決めていません。

もしも今回のように速報があった場合、揺れるまで待つのが正しいのか。もし震度7などが予想された場合、どんな場所にいたら、どう行動すればよいのか。

せっかく事前に出る緊急地震速報です。「揺れる前に」何かできないのか。少しでも安全の確率を上げるために自分はどんな行動をとるのが良いのか、これも考えておかなければならないのだな、と思いました。

そうでなければやっぱり真っ先に「まわりはどうしてる?」と様子をうかがってしまうのではないでしょうか。でも安全の確率を高めるのなら「大きな地震が来ると想定した行動があたりまえ」でなければいけないのかも知れません。まわりの様子がどうであろうが、です。

今回は結果的に誤報でしたが、誤報であることに対する怒りなどはまったく感じませんでした。大地震を知らせてきたのに「まわりもふつうにしているからまあいいや」とやり過ごしてしまったし、「揺れなくて良かった」と思ったからです。

安全のためです。個人的には、今後も誤報や「揺れの予想が大きすぎた」などに対しては寛容であろうと思っています。しかしもしも残念ながら今後も誤報があったり、揺れが小さかったりしたら、速報に対するわたしの反応はきっと鈍いものになってしまいそうです。

しかしそれでは「いざ」というときに危険です。こういう点からも、安全最優先の行動を「必ず取る」と決めておくことが大事なのではないか、と思うようになりました。

取るべき行動がどんなものなのかは状況によっていろいろ考えておかなければいけませんが、「何もしない」という選択肢はありません。たとえ「大げさだ」と思われようと必ず安全に向かって行動するということを「決めて」おきたいと思いました。

みなさんの地域では、あの日あのとき、どんな様子でしたか?

最終更新:

コメント(0

あなたもコメントしてみませんか?

すでにアカウントをお持ちの方はログイン