以前、別の記事でイギリスに留学していたときの学校の話をしたことがあります。
その留学していた当時の友人と久しぶりに連絡を取り、私が渡英したときのことをちょこっとからかわれました。
今となっては笑い話(当時もですけど)の私の渡英のことを、今回は書かせていただきます。
こんなに「いい加減」でした。
初の海外渡航の準備開始!
15年ほど前の春。
ワーキングホリデーの制度を利用してイギリスに行くことを決意した私は、働いていた会社を辞めて渡英の準備をはじめました。
(目的はビールとサッカーと異文化交流、あと英語の勉強)
カタログに載っていた最も安い留学エージェントにお願いして、英語学校の入学手続きと4週間のホームステイ先を確保。(その後は自分で住む場所を探す)
その他のことは自分で準備を進めていく必要があるため、まっさきに飛行機の手配をすることにしました。
当時、日本から出たことのなかった私にとって海外航空券を買うことも初の経験。
近所のデパートの中にある旅行代理店の窓口で相談をしました。
「1年の変更可能なチケットであれば、空席がある中ではキャセイパシフィック航空のものが一番安いですよ。経由ですけど」と言われました。
留学に向けてお金は貯めていたものの、本当に最低限しか用意しておらず、1円でも安いほうがいい状況だった私は即決しました。経由とかよくわからなかったけど。
その後、ビザの申請などを無事(?)済ませ、いよいよ出発の日が来ました。
※ビザの申請時、パスポートに添付された証明書の日付が1年間違えていて、1年とちょっと滞在可能なはずが「0年とちょっと」になってしまっていたのです。大使館を出る直前に気づいて訂正してもらったのでした。
HKGってなんだ?
成田空港に到着後、航空券を購入したお店の人に教えてもらった通りキャセイパシフィック航空のカウンターで搭乗手続き開始!
渡された搭乗券には「HKG」の文字が。気になってこれは何かと聞いたところ、カウンターのお姉さんが、香港のことだと教えてくれました。
どうやら私が乗る飛行機は香港経由とのこと。そうか、香港に寄るのか。そういえば経由がどうとか言われていたっけ、とその時点で初めて理解した私。
(カウンターの方には、この人大丈夫なのかしら?と思われていたかも)
無事チェックインを済ませて進んだのもつかの間、出国手続き時に質問を受けました。
「これ、なんでビザのスタンプが2つ押してあるの?」と突っ込まれたのです。大使館の職員さんが間違えたのですよ、伝えたところしばらくパスポートをチェックされましたが、やがて通してくれました。
ふー、やれやれと思いながらゲートを探します。搭乗券に印字された番号のゲートがすぐに見つかったので、しばらくその周りをうろうろ探検しながら時間を潰しました。
やがて時間が来て無事搭乗。両脇の席が(おそらく)香港人で早速海外気分。
いやがおうにも気持ちが高ぶります。
え、飛行機乗り換えるの?
離陸後、すぐにお昼ご飯の時間となりました。さすがに真っ昼間でそんなに飲んでいる人はいなかったのですが、お酒もありますよ、と言われると頼まないわけにはいかないのであります。ビールをいただきました。
食後もビールのお代わりをもらい一人空の旅を楽しんでいるとフライトアテンダントの方が私のところに来ました。飲み過ぎだと怒られるのかと思ったのですが、怒られるかわりに1枚の紙が渡されました。
アンケート用紙でした。「キャセイパシフィック航空のスタッフの対応はどうですか?」などいくつか設問が。初めて乗るから比較ができないと苦笑いしながらもほぼ最高評価にしておきました。優しくしてくれるかもと期待したからです。
(それにしてもなんで自分だけに渡されたんだ?と当時は不思議に思いましたが、おそらく日本人をはじめ香港の方ではない人たちに配っていたのではないかと今は思います)
その後、座席の前のモニターで映画やドラマを見るなどして時間を潰していると、着陸態勢に入りますとアナウンスが入りました。
香港に到着する時間となったのです。
無事着陸し、ぼーっとしているとみんなが通路に並び降り始めました。
この時初めて、私の持っているチケットは香港経由で、香港空港で「乗り換える」ことを悟ったのでした。
超巨大な香港空港では空港内の電車に無駄に乗る、免税店を全店はしごするなどして楽しみ、あっという間に次の便の搭乗時間に。
機内では促されるがままお酒をいただき、一人呑みの旅は続きました。この時の一人呑みが人生の中で最高に楽しかった一人呑みであることは今後も変わることはないと思います。
その後、だいぶ酔っぱらった状態でロンドンに到着し、入国審査でまたビザの事を突っ込まれ、ロンドン空港からは酔って気が大きくなってることをいいことに大枚をはたいてタクシーでホストファミリーの家へと向かい、超ハイテンションな状態で4週間お世話になるお宅に到着したのでした。(また変なのが来た!と思われたかも。その時そこに住んでいた先輩方がみんな変だったし)
道中あまり記憶の無いところもあって、今考えてもよく到着できたとわれながら思います。
あの時のドキドキは一生忘れないです
そんな感じでろくに確認もせずさらには呑みまくり、だいぶ「なめた」初海外渡航だったのですが、楽しかったことや緊張したことは今も鮮明に覚えています。
初めて香港の空港に着いて、その大きさに驚いたこと。
ロンドンの街並みが見えたときのあの感動。
ホストファミリーの家のチャイムを押す瞬間の緊張。
(空港でだらだらしてきたため、深夜に到着。酔っぱらってハイテンションではあったものの、もし家を間違えていたらどうしようという不安も心の片隅にありました。家の場所の地図とか一切なかったし、表札も出てないし。)
あの時のわくわくどきどき感はもう味わうことはないんじゃないかとすら思います。
そんなわけでもし海外に行ったことがなくて、行ってみたいけどちょっと不安という方、このくらいいい加減でも問題ありませんのでご安心を(笑)
ただ、やっぱり事前にどこを経由するかは知っておいた方がいいです(知らないなんてことはないか)。
そしてあまり呑みすぎないこと。スリとかの被害にあってしまってはいけません。
あともう一つ。
もし語学留学を考えている、また異文化に触れるために海外に住んでみたいという人がいたら、なるべく地方の街へ行くことをお勧めします。
ロンドンをはじめその国の首都のような大きな街では実に様々な国の人達がいる一方で日本人も多くいます。
しばらく住んでいるとどうしても日本人の友人とつるんだ方が安心なので日本人のグループになりがちです。
そうすると、英語力の向上や異文化を知るということに悪影響が出てしまうのです。
中長期で海外に行く予定のある方は参考にしてくれると嬉しいです。
※日本人グループの事を悪く言ったものの、その時にできた日本人の友達はみな最高でした!みんなと会えた奇跡に感謝!
最終更新:
orangeoor18
> あの時のドキドキは一生忘れないです
緊張が伝わってきます。今みたいにスマホがないとなると余計思います。
ただ、入念な準備も大事ですが、このようになんとかなるさの考え方も何かを始める際は重要だと思いました。
akaheru
準備を周到にしてから動こうと思うと結局何もできずじまい。
多少見切り発車するくらいの時があってもいいのかも知れません。
baikinman
留学なら地方都市がいいのですね。
日本人がいない環境だと嫌でも日本語以外のコミュニケーションになりますもんね。
ただ、長期滞在だと日本語が恋しくなりそうです。
akaheru
確かに、「日本語を話す相手がいる」というのは地味に大きかったかもしれません。
むしろ恋しくなるくらいまで断ってみたいです。
pamapama
機内で飲むお酒には特別感がありますね。特に長いフライトだとお酒はかなり頼りになる精神安定剤です。酔いも早いですけどね(^_^;)
akaheru
確かに酔いも早いですよね!
もしかしたら「あの席のお客さん、面倒くさいから早いところ潰して寝かしてしまいましょう」とフライトアテンダントさんが密かに動いていたのかも。
そんなわけ無いですね(笑)
cha_chan
自分は日本人というと、何となく海外からは生真面目なイメージがあると勝手に思っています。akaheruさんのような、いい意味ではっちゃけた日本人が海外に訪れることで、日本人のイメージアップになりそうです!
ちなみに私の父は大学時代にイギリスを含めヨーロッパ中を放浪?したようです(イギリスの学校で父が日本語を教えている現地の新聞記事を見せてもらったことがあります)。自分も若いうちに、もっと海外に行って色々と経験しておけばよかった!と今更ながら思います・・・。
akaheru
ヨーロッパ放浪、憧れますね~。
私も向こうに滞在している間にもっとうろちょろしていればよかったと後悔しております。
まあ、お金なかったから無理なんですが・・・(笑)