【復興支援ツアー2017レポート】地震・津波・原発事故 … 東日本大震災から防災を学ぶ旅 by cha_chan

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昼食後また車で移動開始です。

除染廃棄物が格納されたフレコンバッグの間の道を通過中。シートやパネルで放射線が遮断されていても、ここを通りたい人はほとんどいないと思います。線量計は毎時0.8マイクロシーベルト弱でした。
除染廃棄物が格納されたフレコンバッグの間の道を通過中。シートやパネルで放射線が遮断されていても、ここを通りたい人はほとんどいないと思います。線量計は毎時0.8マイクロシーベルト弱でした。
浪江町の除染廃棄物が処理される仮焼却場
浪江町の除染廃棄物が処理される仮焼却場

こちらの仮焼却場では除染廃棄物が無くなるまで焼却し続け、その灰を中間貯蔵施設に持っていく予定だそうです。除染廃棄物を焼却した際に煙と一緒に放射性物質が飛散しないのかという疑問を持ちました。

政府は煙突にバグフィルターというフィルターをつけており、放射性物質は飛散していないと言っているそうです。しかし一部の専門家はバグフィルターでは飛散を防げないと指摘しているそうです。語り部さんは、どちらの言い分が正しいのかは分からないとおっしゃっていました。

その後、浪江町沿岸部の津波被害の状況を説明していただいた後、福島第一原発のある双葉町・大熊町に入っていきます。

帰還困難区域の看板
帰還困難区域の看板

帰還困難区域とは年間50ミリシーベルト以上の場所です。毎時に換算すると5.7マイクロシーベルトです。ここは歩行や自転車での通行が規制されており、警備も厳重に行われています。

福島第一原発から1.5kmほど離れた場所の線量
福島第一原発から1.5kmほど離れた場所の線量

上の写真のように福島第一原発周辺の線量は、日本の年間自然放射線レベルの平均値の20倍以上の場所もありました。車に乗っているだけで30%程度線量が遮断されるようなので、外の線量は更に高いことになります。この地域では線量が高すぎて2020年に開通を目指している常磐線と一部の道路を除いて除染は行われていないとのことです。

ただ除染廃棄物を中間貯蔵施設に運ぶ必要があるために道路は通行できる状態になっているようです。原発と国道の間の16平方kmを中間貯蔵施設とし、仮置き場にあった汚染物を焼却し30年間埋めるようです。その後、最終処分場で汚染物の処理がなされるとのことです。

語り部さんはこの区域に留まるだけでも被ばく量が高くなってしまうため、止まらず通過するだけにしているとおっしゃっていました。

放射線は目に見えず五感では被爆を認識できないため、私も福島第一原発20km圏内では精神的ストレスを感じました。

1.5km先に福島第一原発が見える
1.5km先に福島第一原発が見える

福島第一原発20km圏内ツアーの最後に語り部さんがこのようにおっしゃっいました。

・「放射線は等心円に広がるものではなく、放射性プルームという放射能の雲が風に乗って飛散する。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)という機械を作動させ、安全な場所へ避難させることが重要である。」

実際に福島第一原発が1.5km先に見える上の写真を撮った場所では、線量計は車内で毎時0.528マイクロシーベルトでした。

・「避難指示が解除された地域でも、除染が進んでいない地域や人がまったく戻って来れない地域がほとんど。そのような地域は、もう人が戻って普通に生活していると思われがちだが、再建まではほど遠い。」

最後に語り部さんに、福島を応援するのにどんなことを一番望んでいますか、と質問しました。語り部さんは「やはり来てもらうことが一番。来てもらえれば色々感じてもらえるから」とおっしゃっていました。

語り部さんと別れ、初日に宿泊する仙台まで常磐線で戻ります。

初日に宿泊する東横INN仙台東口1号館
初日に宿泊する東横INN仙台東口1号館
夕食はホテルのすぐ近くの「力寿司」という定食屋さんでいただきました。
夕食はホテルのすぐ近くの「力寿司」という定食屋さんでいただきました。

2日目(11月24日)

翌日の朝は8時にレンタカーを借りて出発です。

デミオクラスのコンパクトカーを予約していましたが、ご厚意でフィールダーにグレードアップしてくれました。
デミオクラスのコンパクトカーを予約していましたが、ご厚意でフィールダーにグレードアップしてくれました。

2日目はまず東日本大震災で唯一の震度7を記録した栗原市に向かいます。

途中、吹雪いたり、気温が0度となり無事目的地にたどり着けるか不安になりましたが、何とか無事に目的地の花音(かのん)さんに着きました。

とても素敵なたたずまいの花カフェ花音さん
とても素敵なたたずまいの花カフェ花音さん

こちらのお店では妻がギャザリングという寄せ植えを通じて知り合った経営者のOさんが出迎えてくれました。

こちらのお店に来た目的の1つは、震災時の様子を聴くこと。自分が住む場所は、東海地震で震度7の予測となっている地域です。地震から命を守るため、震災当時のお話を伺いました。

まずはじめに驚いたのは、当時人口75,000人の栗原市において、震災による死者は1人も出なかったということです。

栗原市では東日本大震災前にも、何度も大きな地震が起こっており、東日本大震災は過去何度も起こっている地震の1つというように特別視されてはいないようでした。悪く言えば地震に慣れてしまっているとのことです。

地震というと、平成20年に発生した岩手・宮城内陸地震のことを思い出す人が多いようです。この時、栗原市は最大震度6強を観測しており、栗駒山麓で巨大な地滑りが発生しました。死者、行方不明者は23名。

上記の地滑り跡は、ジオパークとなっています。今回は残念ながら時間の都合でジオパークに行くことはできませんでした。ジオパークでは職員さんがおり、内陸地震の詳しい話を聴くことができるそうです。

また東日本大震災に関しては、震災遺構、資料館、写真館などはなく、道路や建物は100%復旧しているとのことです。

内陸地震の後、栗原市では自主防災組織100%を達成しています。行政の指示や支援活動を待たずに自治会レベルで人命救出や避難所運営ができるよう、自助・共助として自主防災組織の整備が行われたそうです。地すべり対策を県とも協議しすぐに対策を実行できたことが東日本大震災での死者0人に繋がったのではないか、とのことです。

2つ目の目的です。お花屋さん、寄せ植え教室とカフェを経営されているこちらのお店には、お花好きなお客様がたくさん訪れます。アイリンブループロジェクトさんの活動をお話し、あいりちゃんのお花を広める活動に協力して欲しいとお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。

花音さんでいただいた昼食。子供も美味しそうに食べていました!
花音さんでいただいた昼食。子供も美味しそうに食べていました!

お昼ご飯をいただいた後は、また車で1時間ほど走って大川小学校に向かいます。

大川小学校は前回のツアーでも訪れた場所で、今回も命の意味を考えるために訪れることに決めました。今回は、より当時の状況・現在の状況を知るために、現地のガイドをお願いしました。

 語り部ガイド実績692団体/7,641名突破!震災を風化させない被災地ツアー。4名様から個人=家族対応。石巻市・東松島市・女川町等、石巻市及び、石巻圏の語り部ガイドツアー承ります!
picturebook-owner.com  
大川小学校。このように綺麗な状態で保存できているのは、毎日ご遺族が清掃をしているからだそうです。
大川小学校。このように綺麗な状態で保存できているのは、毎日ご遺族が清掃をしているからだそうです。

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コメント(2

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  • C

    cha_chan

    jinaさんコメントありがとうございます!

    息子は植物(食べられるもの)が大好きで、テレビ番組は「鉄腕DASH」の他に「趣味の園芸」「やまと尼寺 精進日記」なども大好きです(笑)

    2人ともずっと今のままでいてくれたらいいな、と思ってしまいます。

    子供の寝顔ほど可愛いものはありませんよね!自分も子供達の寝顔にいつも癒されています。

  • J

    jina

    息子さんが「ダッシュウ島だ」と連呼するYOUTUBEが最高におもしろい!!!!!
    何度も笑いました。

    娘さんの寝顔のお写真も最高にかわいくて幸せな気持ちになりました。

    幸せなファミリーから幸せをいっぱいいただき、幸せな気分を満喫できました(^^)