昨年2016年11月4日に神戸新聞に掲載された、マンション内で挨拶をしないことがルール化されたことについて、管理組合役員が「理解に苦しむ」と嘆く投稿が話題になりました。
小学生のお子様を持つ親御さんから「知らない人に挨拶されたら逃げるように教えているので、マンション内では挨拶をしないように決めてほしい」という提案があり、最終的に「あいさつ禁止」というルールが明文化されたとのことです。
(あいさつをしても相手から返事がなかったため「気分が悪かった」と感じた経験が他の出席者にあったことも要因の一つだったようです)
最初にこの話を聞いたときは、子どもが危険な目にあわないように心配する親御さんの気持ちは分かるものの少しやりすぎなのではないかと衝撃を受けたのを覚えていますが、ふと自分が住んでいるマンションについて考えてみると、自分のまわりでは起こりえない話ではないように感じてきました。
私は今のマンションに住み始めてから4年半ほど経ちますが、つい最近マンション内の組合に参加するようになるまでは、お互い面識のある隣人は本当に僅かでした。
そのため、マンション内ですれ違う人とあいさつはするものの、すれ違った人が同じマンションンに住む人なのか、マンションに住む人のところに訪ねてきた人なのか全く判別ができません。
私の子どもはまだ4才以下のため一人で遊びに行かせることはありませんが、もう少しして一人で外出するようになった時に、もし「知らない人に声かけられたら逃げるんだよ」と教えると、大多数のマンション住人から逃げなければいけないことになります。
そう考えるとやはりやりすぎな気もしますが、やるからには徹底しないと子供を守れない、という考えも分かります。
しかしながら、私個人としてはやはり地域の人達とのコミュニケーションはしっかりと取っていくべきだと思いますし、そのための最も基本的なものとなる「あいさつをする」ことは非常に大切だと思います。
日ごろからあいさつを積極的にしておくことで近所の人達の交流は少しずつでも確実に深まりますし、怪しい人がいればわかるようになるはずです。
いつか再び震災が発生した場合も、どこに何歳くらいの人が何人住んでいるか分かっていれば、お互いを助け合うこともできます。
そして何より、日ごろからあいさつを交わしながらいい関係を作っていったほうが生活もしやすいし楽しいのではないかと思うのです。
どういった生活を望むかはその人次第ですが、「安全な環境で安心して生活を送る」ことを願わない人はいないと思います。
お互いが気持ちよくあいさつできることも自分は大切だと思いますが、「知らない人と話をしたら子供が危険な目にあうかもしれない」と警戒しなければいけない社会をどうにか変えていかなければいけないことも事実だと思います。
地域間で良い関係を作っていくことも一つの大きな要素だと思いますが、実現にむけてできることは他にもたくさんあると思います。
そんなことを考えさせられる記事でした。
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