3月11日の一本松茶屋は駐車場はほぼ一杯。たくさんの人がここから一本松を目指した。
明くる12日。日曜日ということもあってこの日も一本松に向かう人は多かった。
松の根本のまわりには、ひっきりなしに人がやってきて、松を見上げる。写真を撮る。
遠くからカメラを構える人もいる。
その背景に広がるのは茫々たる被災地。津波に洗われたままの土地、建設中の気仙大橋、工事中の今泉の公営住宅、そして切り土。
6年たってもまだ、人が暮らす場所はない。
国交省の河川名表示も折れ曲がって倒れたままだ。
そんな一本松にたくさんの人がやってくる。観光バスからは一度に30人以上。ガイドに引率されて歩いて行くが、たった1人のガイドの話を聞ける人はどれくらいいただろう。
たくさんの人が一本松を訪れた。
そして去っていった。
一本松にやってきて、どこかへ帰っていったたくさんの人たち。帰っていった先できっとこの町の現状を話してくれているに違いない。天旗で歌声を響かせたゴスペルシンガーの人たちが「きっと伝えますから」と言ってくれたように。
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