旅行者に大人気の世界遺産。この貴重な人類の遺産が最も多い国はイタリアです。
その数なんと51――。
見どころが多いイタリアですが、なかでも旅行者が必ずと言ってもいいほど訪れるのが永遠の都・ローマです。ご存知の通り、同国の首都であり、栄華を誇った古代ローマ帝国の都があった場所です。市内の至る所に歴史的な建造物が残っています。
「地面を掘ると遺跡が出てくる」と言われるほど古代建築の宝庫であるローマで、最も驚いたのが古代の闘技場、「コロッセオ」です。
楕円形をした4層構造の闘技場の大きさは、長径188メートル、外周527メートル、高さは超高層マンションに匹敵する57メートルといいます。建設当初、外壁は白大理石に覆われていたそうです。
この巨大な建築物をおよそ二千年も前に造ったというのですからびっくりです。しかもそれが今もしっかりとした姿をとどめているのです。
冒頭の写真を見ると、大理石の外壁や建物の一部はありませんが、これらの多くは後世の時代に建築材として使われてしまったからだそうです。
規模や堅牢性だけでなく、その設備にも驚かされます。現在は残っていませんが、当時はキャンバス製の天蓋があったといいます。いまで言えば、いわゆるドーム施設です。
また、コロッセオでは「剣闘士」対「猛獣」の戦いだけではなく、アリーナに水を張って海戦の様子を再現したイベントも行われていたというのです。
現代の建築物で二千年後も存在しているものはいくつあるのだろうか。そう考えると古代ローマ人が造ったコロッセオはまさに驚異の建造物です。
コロッセオの隣に広がるのは古代ローマの中心地、「フォロ・ロマーノ」です。
凱旋門や神殿など、いくつもの遺構が残るフォロ・ロマーノですが、なかでも個人的に印象深かったのが元老院です。古代ローマ帝国の最高機関があった場所に立った時には感慨深いものがありました。さらに旅行当時は、あのユリウス・カエサルが暗殺された場所と勘違いしていたこともあり、その思いはとても大きいものでした(笑)。
カエサルが命を落とした元老院は別の所にあるものの、フォロ・ロマーノには、このローマの名将が火葬されたという場所があります。
コロッセオと比べるとフォロ・ロマーノは、遺跡の保存状態や壮大さでは若干劣るかもしれません。しかし、ここはなんと言ってもローマ帝国の中心地だった場所。建物がそれほど残っていなくても、古代を想像する楽しみがあります。
ローマで訪れたかったスポットのひとつがここ、「トレビの泉」です。
現在あるものは古代ローマ時代の水道を利用して1762年に造られたといいます。
多くの旅行者に大人気のこの泉、コインを1枚投げ入れるとローマに再び来ることができるという話は有名です。その他にも2枚投げると恋が成就し、3枚入れると恋人と別れることができるのだそうです。
昔のことではっきりとは覚えていないものの、自分もコインを投げたような記憶があります。枚数はおそらく1枚。再訪がかなった際には、ぜひ2枚投げ入れたいものです(笑)
ちなみに投入されたコインはチャリティ団体に寄付されるそうですよ。
イタリアの永遠の都には他にも映画「ローマの休日」に登場した「スペイン広場」や「真実の口」などの見どころがいっぱいです。
世界広しと言えど、これほど古代遺跡と現代建築物が共存する都市は、そうあるものではないと思います。
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