富士山を眺めるのに最適なビュースポットは数多くあります。三保松原など多くの人に知られている場所もあれば、地元では有名でも全国的に見ればそれほど知られていない穴場スポットもあります。
住んでいるアパートの近くに、訪れる人が比較的少ない富士山ビュースポットがあるのでご紹介します。
大嵐山の山頂にある日守山公園
ご紹介するのは、静岡県東部の函南町にある「日守山公園」です。
公園がある日守山の正式名称は大嵐山と言います。標高はおよそ190m。公園はその山頂にあります。車が通れるような道路はないので、麓から歩いて登って行く必要があります。
日守山公園への登り口は、狩野川に架かる日守大橋の近くにあります。
入口には大人二人が通れるのほどの小さなゲートがあります。ここから山頂へは距離にしておよそ800m、標高差は約180mあり、ちょっとした山登りです。
登り口のすぐ近くには普通車を21台停めることのできる駐車場があります。山の上にある公園にはトイレがないので、駐車場に併設されているトイレを利用します。
登り口には手作りの木の杖が数本立てかけられており、借りることができます。ただし、使用できるのは小さな子供やお年寄りのみという注意書きがあり、若者は使うことができません(笑)
公園までの山道は危険な個所もなく、整備されたとても歩きやすい道です。ゆっくり時間をかければ、小さなお子様も登ることができると思います。
標識は特にありませんが、山頂直下までは一本道ですので迷うことはないと思います。
山道は林の中に造られており、木々が夏の暑い日差しを和らげてくれます。自然豊かな緑の中の山歩きは気持ちが良く、ちょっとした森林浴です♪
途中、植えられたものだと思いますが、小さなソテツの木がありました。
ソテツはイチョウと並んで現在ある植物の中では最も原始的なもののひとつだそうです。1000年以上も生きることもある長寿の木ですが、その成長は遅く、1年間で2~4cm程度しか伸びないそうです。時々、数メートルほどのソテツを見かけることがありますが、そこまで育つのに長い年月がかかっているのですね。
かつて沖縄などでは、飢饉の際などに種子や幹を水にさらしてデンプンを採り食用にしたそうです。しかし、ソテツには有毒物質が含まれており、十分に毒が抜けきらないまま口にして、亡くなった方もいたそうです。
登り始めて20~30分もすると山頂が見えてきます。名称に「公園」とあるので誰でも容易にくつろげる様な場所を想像し、4、5分も歩けばたどり着くだろうと思っていたのですが、それは甘い考えでした(笑)
途中に休憩できる場所が2ヶ所ほどあるので、休み休み登ることもできます。
山頂の公園に設けられた展望台からは大きな富士山を見ることができます。手前にある蛇行した狩野川との組み合わせがいっぷくの絵画のようです。
山頂には180度見渡すことのできる展望台のほか、木陰にテーブルとイスが設置されています。お昼時、ここでお弁当を食べると美味しそうですよ。
芝生の小さな広場もあるので、レジャーシートを敷いてのランチも良さそうです☆
山頂からは箱根山や田方平野を一望することができます。麓の函南町や伊豆の国市はもちろんのこと、三島や沼津、裾野の街まで見えます。展望台には高性能な望遠鏡が設置されており、自由に使用することができます。
私が訪れた5月末には、花が咲き誇っていました。山頂直下の斜面に小さなお花畑があり、白や黄色の花と頂にわずかな残雪が残る富士山との組み合わせが絵になっていました。
日守山公園へは20~30分ほど山道を登らなければならないので、気軽には行けないかもしれません。しかし、少し汗を流して登った後に見る富士山と田方平野の眺望は素晴らしいものがありますよ。訪れるならば富士山がくっきりと見える日がおすすめです♪
日守山公園(大嵐山山頂)
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji
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