【防災】土砂災害について

sKenji

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8月、9月は台風シーズンです。特に今年の9月は台風が多く発生する可能性もあります。

気象庁が公表している過去60年以上のデータを見ると、例年、台風の発生数最多の月は8月であることが多いです。

しかし、今年8月に発生した台風の数はわずか1個です。過去のデータを見ても1個という記録は残っていません。2個という年が2回ありますが、いずれもその年の9月は6個(※過去63年間の9月の平均は約4.9個)の台風が発生しています。

上陸数については8月と9月でほぼ同じくらいですが、過去3年間(2011~2013年)だけについてみれば、8月が全く上陸しなかったのに対して、9月は合計で5つの台風が上陸しています。

先月は広島市、昨年は伊豆大島で大雨により大きな土砂災害が発生しています。今日は土砂災害について調べてみたいと思います。

 気象庁|台風の統計資料
www.data.jma.go.jp  

多くの場所で発生する可能性がある災害です

「こんな豪雨災害がまさか地元で起こるなんて」
「『ここで土砂崩れがあったら怖いね』と話していたが現実に起こるなんて……」

いずれも先月20日未明、広島市で発生した土砂災害の被害を受けた地区の方の声です。8月20日付毎日新聞の記事に書かれていました。

広島市の土砂災害では、土石流が75カ所、がけ崩れが37カ所、同時多発的に発生していたそうです。土砂災害の危険性ある個所は全国で52万カ所以上あり、年間約1000件の土石流などが発生しているという国土交通省の報告もあります。

静岡県土砂災害危険個所マップ。水色の箇所が土石流危険渓流等です(出典元:静岡県統合基盤地理情報システムWEBサイトより)

静岡県土砂災害危険個所マップ。水色の箇所が土石流危険渓流等です(出典元:静岡県統合基盤地理情報システムWEBサイトより)

参考までに、地元静岡県の「土砂災害危険個所マップ」を見てみると、人が住んでいると考えられる土地の半分近い場所が危険地域に指定されていました。

土砂災害は決して他人事ではなく、身近に潜んでいる可能性が高い災害です。

 各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域 - 国土交通省水管理・国土保全局砂防部
www.mlit.go.jp  
 静岡県統合基盤地理情報システム
www.gis.pref.shizuoka.jp  

土砂災害が発生しやすい場所

土砂災害発生の危険性がある箇所については、地元自治体が公表しているハザードマップなどで確認することができます。そのほか、「土砂災害警戒区域」など各都道府県で指定している地区もあります。しかし、先月発生した広島市の土砂災害の被害を受けた地域は「土砂災害警戒区域」に指定されていませんでした。その理由は「調査に手間がかかり、(指定が)追いついていなかった」そうです。

 広島豪雨:土砂災害、警戒区域に未指定 - 毎日新聞
mainichi.jp  

また、指定されると土地の評価が下がってしまうという理由で地元の方の抵抗があり、指定をためらっているケースも聞きます。「土砂災害警戒区域」については、必ずしも危険個所が指定されているとは限らないようです。

外出中やレジャーなどで土地勘がない場所にいるかもしれません。
そのような場合は、静岡県公式ホームページに土砂災害が発生する可能性がある場所が書かれているので、参考にするといいかもしれません。

 静岡県/交通基盤部河川砂防局砂防課/土砂災害とは/土砂災害の前兆現象
www.pref.shizuoka.jp  

WEBサイトによると土砂災害の種類は、「がけ崩れ」、「地すべり」、「土石流」の3種類があり、それぞれ発生する恐れがある場所は「崖の付近」、「斜面」、「山腹や河川、渓流」です。

土砂災害からの避難

避難勧告が出されたら速やかに避難する必要があります。しかし、昨年の伊豆大島、今年の広島市の土砂災害では、避難勧告が出されなかったり、発令の遅れが指摘されています。

そのため、激しい雨が予想されたり、降り始めたときは、自主的に避難所などに移動した方がよさそうです。近くに避難場所がなかったり、不明な場合は周囲に山がない駐車場などの広い場所が避難に適しているそうです。
ちなみに、避難を促す自治体の発令については次の3種類があります。

・避難指示:被害の危険が切迫したときに発せられるもので、拘束力が一番強い。
・避難勧告:居住者に立ち退きを勧め促す。強制力はなし。
・避難準備情報:事態の推移によっては避難勧告や避難指示を行うことが
        予想されるため、避難の準備を呼びかけるもの。
(切迫度の高さは、避難指示 > 避難勧告 > 避難準備情報)

一般的に1時間の雨量が30ミリ以上になると、土砂災害が発生しやすくなり、避難の準備が必要になってくると言われています。

雨量30ミリと言われてもピンとこないかもしれません。30ミリの雨量とは一般的に、バケツをひっくり返したような雨で、道路が川のようになると言われています。

雨量の目安については、簡易雨量計を自作して計測してみるのもいいかもしれません。測り方は単純です。飲み口から底まで同じ直径のグラスなどを10分間野外に置いて、溜まった雨水の深さを測ります。キッチンタイマーなどを使うとより正確で忘れることがありません。もし10分間で雨水が5mm以上溜まっていれば雨量30ミリ以上になります。

ただし、簡易的なものである上に雨の強さは一定とは限りませんので、あくまでも参考程度としたほうがいいかもしれません。

土砂災害の前兆

土砂災害が発生する直前には前兆現象がある場合が多いと言われています。静岡県公式ホームページなどによると、土砂災害の種類によって、次のような前兆現象があることが多いようです。

■土砂災害の前兆現象
○土石流
 ・山鳴りがする
 ・急に川の水が濁り流木が混ざる
 ・雨が降り続いているのに川の水位が下がる
 ・腐った土の匂いがする

○がけ崩れ
 ・がけに亀裂ができる
 ・がけから水が流れ出している
 ・がけから小石がパラパラと落ちる
 ・地鳴りがする

○地すべり
 ・地面にひび割れができる
 ・斜面から水がふきだす
 ・沢の水や井戸水が濁る
 ・地鳴り・山鳴りがする
 ・樹木が傾く

前兆現象のうち、「山鳴り、地鳴り」、「腐った土の匂い」はわかりづらいかもしれません。私は土砂災害に遭遇した経験がないのでわかりませんが、調べてみると次のような説明がありました。

○山鳴り、地鳴り
・山全体がうなるような音がする。
・実際の音は、「ゴー」という音や「ゴゴゴ」という地響き、「ゴーッと3回聞こえた」、「ゴゴーッ」という雷のような音。
・平成9年、鹿児島県出水市の土石流災害では、発生の1時間前に多くの住民が異常な音を聞いていた。長さは30秒前後。

○腐った土の匂い
「葉っぱが腐ったような臭い」、「ヘドロのような臭い」が一般的だが、
 感じ方はさまざま。

土砂災害について調べてみて

以上、土砂災害について調べてみましたが、

・ハザードマップなどで近所の危険個所の把握
・激しい雨(雨量30mm以上)の際、危険な場所にいたら避難する
・前兆現象に注意する

ことが大切だと感じました。

そのほかにも川岸にいる場合、自分がいる場所で激しい雨が降っていなくても、上流で降っていた際には、土石流の危険性があるといいます。

土砂災害は多くの場所で発生する災害です。今後もそのことを忘れずに、万が一に備えたいと思います。

参考WEBサイト

 広島豪雨:土砂次々に住宅のみこむ - 毎日新聞
mainichi.jp  
 静岡県/交通基盤部河川砂防局砂防課/土砂災害とは/土砂災害の前兆現象
www.pref.shizuoka.jp  
 くらし☆解説 「土砂災害への備えを!」 | くらし☆解説 | 解説委員室:NHK
www.nhk.or.jp  
 広島土砂災害:「土の臭い」「山鳴り」で前兆感じ取り - 毎日新聞
mainichi.jp  
 土石流とは - 神奈川県ホームページ
www.pref.kanagawa.jp  
 土砂災害の危険箇所は全国に52万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント:政府広報オンライン
www.gov-online.go.jp  

Text:sKenji

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