前回の観光スポット
個人的におすすめの国・トルコ。その東端にイサク・パシャ宮殿という17~18世紀に作られた遺跡がある。宮殿とそこから見える荒涼とした大地は、一見の価値がある。
カッパドキアへ
イサク・パシャ宮殿の後、「カッパドキア」へと向かった。
カッパドキアは、トルコ中央部の標高1,000m以上の高原に位置している。その広さは、約100平方キロメートル。広大な岩稜地帯には、キノコ型など、様々な形状の奇岩が立っており、世にも不思議な景観を見ることができる。
数あるトルコの観光名所の中でも、同国を代表するスポットであり、世界遺産(ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群)に指定されている。
世界遺産には「自然遺産」や「文化遺産」などの区分があるが、カッパドキアは、その両方の基準を満たした「複合遺産」として登録されている。世界遺産の数は、2013年11月時点で、981件あるのだが、そのうち複合遺産は29件しか存在しない。
カッパドキアの成り立ち
変わった岩の尖塔が乱立する光景。なぜ、このような地形が作られたのか。
カッパドキアの地形は「火山活動」と「風や雨の浸食作用」によって、作られたと言われている。トルコ政府観光協会のWEBサイトに、カッパドキアの地形形成について、詳細に書かれている。
何百万年もの昔、カッパドキアの3つの山、エルジイェス、ハサン、ギュルルは活火山でした。証拠となる先史時代の洞窟の壁画から推測すると、火山活動は断続的に少なくとも新石器時代まで断続していたことになります。
噴火は中新世後期、すなわち7,000万年前以降に始まったとみられ、その間に火山から流れ出た溶岩が新第三紀に生じた湖に沈みました。主だった火山の噴出物でできた凝灰岩の台地は、より小規模で穏やかな噴火が繰り返される間に、絶え間なくその姿を変えていきました。
鮮新世後期以降、こうした凝灰岩の層は雨に打たれ、湖や川、特にクズルウルマック川によって浸食されて現在の姿になりました。洪水時に勢いを増して谷間を流れる水が強風とあいまって柔らかい溶岩を切り裂き、変化に富んだ固い地層がむき出しになった結果、“妖精の煙突”として知られる奇岩群を形成したのです。カッパドキアのこれらの奇岩には、円錐型、尖頭型、円柱型、キノコ型、帽子をかぶっているように見える形のものまであります!
カッパドキア観光の拠点について
カッパドキアには、ネブシェヒール、ウルギュップなどの観光拠点となる街がいくつかある。そのなかで個人的におすすめなのが、ギョレメ。小さい村だが、あちこちに奇岩が立っており、カッパドキア特有の世界を満喫することができる。
ドゥバヤズィットからギョレメに着いた僕は、泊まる場所を探すために1、2時間かけて、村をくまなく歩いて見てまわり、そのなかで気に入った1軒の安宿に泊まることにした。宿は、洞窟ホテルだった。洞窟ホテルとは、岩をくり抜いて作られた宿のことで、1泊およそ数百ドル以上の5つ星ホテルから、10ドル前後のバックパッカー向けのものまで様々ある。
カッパドキア観光の拠点をギョレメに決めると、広大な同地域に点在する観光スポットを見て回る。カッパドキアな主な見どころは、奇岩が作り出す光景や、岩窟教会、地下都市などがある。
徒歩では、見てまわることができない距離なので、ローカルバスやレンタルバイクなどを利用した。
【カッパドキア観光その1】地下都市、デリンクユとカイマクル
1万人もの人間が、住んでいた地下都市があったと聞いたら、信じることができるだろうか。
まるで、物語の世界のような話に聞こえるかもしれないが、カッパドキアには、いくつもの地下都市があった。有名なものは、デリンクユとカイマクル。カッパドキアの地下都市についての情報は、諸説入り乱れており、定かではないが、地下都市の数は、少なくとも36はあると言われ、100以上という説もある。規模は、大きなもので、地下8階、深さ約85m、約1万人が生活していたとも言われているが、それ以上の規模であったという説もある。迷路のような地下都市には、住居、ワイナリー、羊小屋、貯水池、教会、学校などの施設のほか、外敵から都市を守るために円盤状の1トンもの巨石を転がして通路を塞ぐ仕掛けもあった。
このような地下都市が造られた理由は、7~8世紀、この地に住んでいたキリスト教徒が、イスラム教徒からの迫害を逃れるためだったという。
ぼくは、ギョレメからローカルバスを使って、デリンクユとカイマクルを訪れる。遺跡の近くでバスを降りたのだが、それらしきものは見えない。
しかし、地下都市へと続く小さな入口をくぐると、そこには驚くべき地下世界が広がっていた。
【カッパドキア観光その2】カッパドキアの奇岩
カッパドキアには、岩を削って作った教会や、奇岩郡が作り出す光景などの観光スポットがある。定番スポットは、フレスコ画で有名な岩窟教会がある「ギョレメ野外博物館」、キノコような形をした岩が3本並ぶ「3人姉妹」などの奇岩、無数のキノコ岩が乱立する「パシャバー」などである。
そのほかで、個人的に良かったと思うのは、下記の3スポット。
○ゼルヴェ屋外博物館
野外博物館というと、ギョレメ野外博物館が有名だが、個人的には
ゼルヴェ野外博物館も捨てがたい。ギョレメ野外博物館と比較して、
人が少なく、ゆっくりと見学することができた。
1952年まで人が住んでいたとのことで、いまなお、どこか生活感を感じる
ことができる野外博物館である。
○ウチヒサルの要塞
カッパドキア地方で一番高いところにある村と言われるのが、ウチヒサル。
その村の中心にそびえるようある巨大な岩をくり抜いて作られた要塞がある。
この要塞の頂上からの展望は一見の価値あり。
なんでも、ウチヒサルとは「3つの要塞」という意味なのだとか。
○ローズバレー
夕暮れ時になると一面ピンク色に染まる、カッパドキアの夕日スポット。
カッパドキアの落日はここで迎えたい。
カッパドキアは広大であり、見どころも多い。時間が許すならば2、3日かけて、ゆっくり見て回ると、カッパドキアの魅力をさらに感じることができるのではないだろうか。
<おすすめの国 トルコ編 ~Vol.3 エフェス へ続く~>
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