世界遺産「 ヒエラポリス-パムッカレ」は、トルコ西部のアナトリア高原にあり、カッパドキアと共にトルコを代表する観光スポットである。
古代都市遺跡・ヒエラポリスと、自然が創り出した純白の石灰棚・パムッカレ。これら2つ合わせて、世界複合遺産として登録されている。
観光拠点の町について
パムッカレ観光の拠点の町として、デニズリに泊まることも考えたのだが、できる限り石灰棚と古代都市を間近に感じることができる場所に泊まりたいと思い、パムッカレ村に泊まることにした。
パムッカレ村はとても小さな村で、15分もあれば、端から端まで歩くことができる。村に到着し、1軒の安宿にチェックインをすると、世界遺産・パムッカレへと向かった。宿を出て、5分も歩かないうちに、まるで雪が積もっているかのような光景が見えてきた。それが、パムッカレの石灰棚であった。
パムッカレの石灰棚
パムッカレの石灰棚は、台地の上に湧出した温泉のお湯に含まれる炭酸カルシウムが、斜面を流れ落ちる際に、長い歳月をかけて結晶化してできたものである。棚の数は、100以上もあり、現在も増え続けているという。
高さ約100mと言われる台地の斜面の一部が、真っ白い石灰棚に覆われている光景は、不思議だ。カッパドキアといい、パムッカレといい、トルコは本当にミステリヤスな光景が多い。
古代都市・ヒエラポリス
ヒエラポリスは、石灰棚がある台地の上に造られた古代都市である。紀元前2世紀ころに、ペルガモンの王・エウメネス二世によって街が造られるものの、紀元後1世紀に地震で、二度大きな被害を受けている。しかし、その後ローマ帝国の支配下に入って復興すると、温泉の保養地として栄えた。パムッカレの地は、歴代のローマ皇帝にも愛され、2~3世紀に最も繁栄したが、14世紀、大地震に襲われ、街は壊滅し、完全に廃墟と化したという。
古代都市・ヒエラポリスの一番の見どころは、紀元前2世紀のローマ時代に、ハドリアヌス帝によって造られた円形劇場といわれている。1万5千人もの観客を収容できた劇場で、保存状態もいい遺跡である。
パムッカレ・テルマル
世界遺産「ヒエラポリス-パムッカレ」で、個人的に強く印象に残っている場所がある。「パムッカレ・テルマル」と呼ばれる温泉である。
「パムッカレ・テルマル」は、ヒエラポリスの一画に位置し、水温約35度前後の野外温泉である。プールのような大きな温泉であり、水深は深い所で、4~5mもある。この温泉は驚くことに、温泉の中に古代ローマ時代の遺跡が沈んでいる。もちろん、レプリカなどではなく、本物である。遺跡が沈んでいる温泉は、ほかでは聞いたことがない。「パムッカレ・テルマル」は大変人気が高いために、混むと聞いていたが、シーズンオフの11月下旬だったせいか、いたのは2~3人だけで、ほぼ貸切状態だった。
世界遺産・ヒエラポリス-パムッカレ
参考WEBサイト
Text:sKenji
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