STAP細胞論文の改ざん、捏造を指摘した理化学研究所の調査委員長・石井俊輔上席研究員が、自身の論文で画像の一部に切り貼りの疑いがあると指摘された件。
ニュースの話題を覚書として。
石井氏がホームページに掲載した「説明」書類には実際のデータの写真や研究ノートの写しも添付されています。研究ノートの実物に興味がある方はぜひご覧ください。
STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所調査委員会の委員長を務める石井俊輔・理研上席研究員が24日、自分の論文に関する疑義が出ているとした上で、論文を掲載した医学誌の編集部に、実験データの修正を申し出たことを明らかにした。
この論文については、インターネット上で「画像に疑義がある」との指摘が出ており、理研広報室は「正式に通報があり、内容の信頼性が高いと判断すれば、調査を始める」と話す。
画像の切り張りや流用については、STAP細胞論文に関する調査委員会の最終報告でも問題視され、それぞれ改ざん、捏造(ねつぞう)と認定された。
MSN産経ニュースでは理化学研究所の石井俊輔調査委員長(上席研究員)が、委員長辞任の意向を固めたと伝える。
石井氏は取材に対し「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と否定。その上で「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける。調査委員長がこのような隙を作ってはいけない。不本意だが本日、理研に委員長の職を辞したい旨を伝えた。慰留されても意志は固い」と述べた。
石井氏が研究室のホームページに掲載した説明は以下のとおり。
お知らせ
インターネット上で指摘されている当研究室からの論文についての疑義につい
て。
私が調査委員会の委員長をお引き受けしてから、色々なメールが寄せられまし
た。その中には当研究室からの論文に対する指摘もありましたので、発表論文
をすべて検証致しました。
指摘されているOncogene 論文に関しては、RT-PCR データの2つの図の元と
なる実験を同時に行い、Text で説明の順番になるように、レーンの順番を入れ
替えていることが分かりました。これについては元の実験のートのコピーとそ
れを元に作成したSupplementary Fig. 1 を参照下さい。これをすべて
Oncogene のEditor に送り、添付のようにCorrigendum を行う許可をすでに
得ています。
また JBC 論文については、問題はないと考えています。オリジナルデータは
すべて保存していますので、何時でも開示できます。
皆様に疑念を抱かせてしまったこと、またこれにより色々なご迷惑をおかけし
た事を深くお詫び申し上げます。
石井俊輔
2014, 4, 24
下記のリンクのPDFファイル、2ページ目以降に実験データや研究ノートが添付されています。
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