「なんと、おいしい山登りだろう。」
大高森の山頂で感じたことだ。
大高森は、宮城県東松島市の宮戸島にある。標高はおよそ106m。日本三景・松島の島々を眺めるには最高の場所だ。
登山といっても、30分程の登り。体力に自信がある人ならば、もっと短時間で登れるだろう。
道はわかりやすく、危険な個所もないために、山に登ったことがない方でも登ることが可能だ。登山コースというより、散策コースといった方が適切かもしれない。
しかし、あなどることなかれ。誰でも気軽に登れる山にもかかわらず、山頂からの景色は素晴らしい。
「これぞ、日本三景の松島!」
という、景色を見ることができるのだ。おまけにコース途中にも、ちょっとした見どころもあり、手軽な割には、なんともおいしいコースなのだ。
実は大高森の存在は、宮戸島に来るまで知らなかった。
登ろうなんて考えてもいなかったのだが、宮戸島でたまたま出会って話をした、地元のおじいちゃんの勧めで、登ってみることにしたのだ。
大高森山頂へは、奥松島縄文村歴史資料館近くの登山口から、登り始めた。登り口の階段を上りきると、海岸線から見るより、少し高い位置からの視点で奥松島の島々を見ることができる。
緑、美しい森の中を歩く。深緑が心地よい。この木々の中を歩くだけでも心が洗われる。
森の中を歩いて行くと、切通しが出現!
切通しの存在は思いもよらなかったので、いきなり現れた時には、ちょっとした感動があった。
木漏れ日の中の切通しは、なんとも美しい。
さらに行くと、小さなお堂がある。
小ぢんまりとしているが、木々の間に静かにポツンと建っているお堂に、魅力を感じる。太陽、緑、お堂の組み合わせが絶妙。
普段、俳句とは全く縁がないのだが、一句読みたくなる雰囲気だ。芭蕉ならば、なんと読むのだろう。
お堂から少し行くと、洞穴が出現!
「おっ!」と好奇心がそそられる。
中は暗くて見えない。大きな洞穴だろうか。期待感高まって、中をのぞいてみる。
しかし、残念。小さなものだった・・・。
さらに気持ちのよい山道を登っていくと、山頂が見えてきた。
山頂に到着!
山頂まで、危険な個所はなく、緩やかな登りだった。手軽に登れるのに、この景色。
素敵なコースだ。
山頂からは奥松島の島々に加え、太平洋も一望できる。
東屋もあり、ゆっくり休憩することも可能だ。ここで、島々を眺めながらお弁当を食べたら最高だろう。
太平洋、松島湾など見ごたえのあるパノラマが360度広がる山頂。切通し、お堂などのちょっとした見所に加え、心が洗われる緑豊かな山道。
大高森。ぜひ登ってほしい、おすすめの場所だ。
大高森
Text & Photo:sKenji
最終更新: