2013年7月4日のできごと
◆ヒトiPS細胞から肝臓を作製(横浜市大グループ)2013年
臓器移植のニーズが高まる中、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、個々の肝細胞ではなく臓器として機能する肝臓の作成に成功。世界初の研究成果を上げたのは、横浜市立大学の谷口英樹教授(再生医学)らの研究グループ。
各社報道によると、グループはiPS細胞から、肝細胞に変わる前段階の「前駆細胞」を作成。これに細胞同士をつなぐ「間葉系細胞」、さらに血管のもとになる「血管内皮細胞」を合わせた3種の細胞をいっしょに培養することで、直径5ミリほどの肝臓の種の作製に成功。
この肝臓の種を、肝不全のマウスに移植したところ、生存率が向上するとともに、肝臓の機能を果たしていることが明らかになったという。
この成果は4日付けの英科学誌ネイチャーに掲載された。
横浜市立大学のホームページによると、研究は科学技術振興機構(JST)の再生医療拠点ネットワークプログラムに採択され、本年度から10年間の期間で進められているという。実施期間の最初の年に大きな成果をあげたことになる。
iPS細胞からヒト代謝性臓器(肝臓)を製造可能な研究開発拠点の実現を目指し、プログラム実施期間のうちには臨床研究を開始することを目標としているという。
自分自身の細胞を元にしたiPS細胞から、自分自身の臓器を培養・作製して移植するという医療の歴史を変えるかもしれない大きな成果が発表された日となった。
歴史の中の7月4日
◆新田義貞が鎌倉に攻め込み、幕府が滅亡(1333年)
上野国新田荘(群馬県太田市周辺)で挙兵。鎌倉街道を南へ進み小手指原、分倍河原、関戸の戦いで勝利。
相模湾に達した後、北条方の抵抗を受けるも、義貞が太刀を海に投じたところ、潮が引き、軍を進めることが可能になったという竜神の奇跡で有名な稲村ヶ崎を越えて鎌倉に侵入。幕府方、14代執権北条高時ら一族約800人が自刃して、鎌倉幕府は滅びた。
幕府滅亡後、北条一族の妻や娘たちは鎌倉から北条氏誕生の地である韮山に戻り、円成尼という女性が中心となって、北条邸跡に円成寺を建て、北条氏の冥福を祈ったと伝えられる。
◆湊川の戦いで楠木正成ら南朝方が敗れる
後醍醐天皇は九州に敗走した足利尊氏を討つため、仁田義貞を総大将として西国へ軍を進めさせるが、播磨国白旗城に篭城した赤松則村に手こずる間に、足利尊氏は軍勢を立て直し瀬戸内海を東進。足利軍の大軍勢に、新田軍は投降や寝返りが続き、軍勢の立て直しのため兵庫(神戸市)に退く。
湊川の戦いは、兵庫での決戦に赴いた楠木正成らが、圧倒的な足利軍と戦を交え、自刃した戦い。
兵庫での決戦を後醍醐天皇に指示された正成だったが、もとより勝ち目はなく、嫡男正行を国に帰した上で、弟正季と決戦に臨む。負け戦と知りながらも天皇のために命をかけた行いは、戦前の教育で盛んに賞揚された。
後醍醐天皇から賜ったとされる「菊水紋」は、太平洋戦争末期、陸軍航空隊飛行第22戦隊の部隊マークとして使われた。連合軍による沖縄上陸を阻止するために実施された菊水作戦の名称も、菊水紋に由来するとされる。戦艦大和はこの作成の一環として水上特攻で沈んだ。
◆アメリカ独立宣言(1776年)
イギリスに対する独立戦争(1775年4月19日~1783年9月3日)の最中、大陸会議によって採択された。後の第3代大統領トマス・ジェファーソンが起草し、平等・人権・革命権などを掲げた内容は、その後のヨーロッパの市民革命にも大きな影響を与えたとされる。
独立宣言の採択を記念し、この日はアメリカ独立記念日とされる。
以後、同じ7月4日には米国関係で次のような出来事がある。
・1802年 アメリカ合衆国陸軍士官学校がニューヨーク州ウェストポイントに開校
・1863年 南北戦争でビックスバーグ包囲戦が終結(南軍の降伏)
・1894年 ハワイ王朝を退位させ、ドールがハワイ共和国の建国宣言
・1946年 第三次フィリピン共和国が米国から独立
◆ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」刊行(1865年)
◆雪の結晶を研究した中谷宇吉郎が生まれる(1900年)
◆東京電力福島第一原子力発電所1号機に核燃料が装荷される(1970年)
この日が誕生日
◆1767年 滝沢馬琴が生まれる
代表作は「南総里見八犬伝」。原稿料のみで生計を立てることができた日本で最初の作家ともいわれる。
◆1790年 サー・ジョージ・エベレストが生まれる
イギリス人。インド南端からネパール間の測量を行う。
インド測量局の長官も務めた。世界最高峰エベレスト(チベット語ではチョモランマ)の名は彼にちなんで名づけれらた。
◆1912年 佐藤忠良(さとうちゅうりょう)が生まれる
彫刻家。宮城県出身。
「おおきなかぶ」福音館書店版の挿絵を描いたのは有名。原画は宮城県美術館内の佐藤忠良記念館が所蔵。
◇1971年 ココ(本名ハナビコ)
世界で初めて人間と手話で会話したメスのローランドゴリラ。パートナーとしてかわいがっていた子ネコの死に際して、涙を流して大泣きして悲しんだ。死の概念を理解しているとされる。
この日なくなった人々
・1934年 マリー・キュリーが亡くなる
ポーランド出身の化学者。放射線の研究で1903年のノーベル物理学賞、1911年のノーベル化学賞を受賞。
・1981年 木村功が亡くなる
広島県出身の俳優。代表作は 「生きる」、 「七人の侍」、「天国と地獄」など多数。食道癌のため死去(享年58)。妻、木村梢はの回想記『功、大好き』(講談社)はベストセラーとなった。
・2001年 江川卓(えがわたく)が亡くなる
ロシア文学者。ドストエフスキーの研究・翻訳で有名。
新潮文庫の「地下室の手記」、「悪霊」は名訳。
・2002年 伊東一雄(パンチョ伊東)が亡くなる
パシフィック・リーグ広報部長、野球解説者
記念日など
○フィリピン・アメリカ友好記念日
第二次世界大戦後、フィリピンが米国から独立した日だが、独立記念日は、1898年にフィリピン革命軍のアギナルド将軍が独立を宣言した6月12日に定められたため、名称が変更された。
○那須の日
○梨の日
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