思わず感心!絶海の孤島とエコ(母島)【旅レポ】

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小笠原尽くしの“エコ”小中学校

緑に囲まれた母島小中学校

 小笠原諸島・母島、母島小中学校の屋根にはソーラーパネルがついている。自家発電をし、学校で使いきれずに余った電力は東京電力に売っているらしい。そんな夢のあるうわさ話を聴いたので、村役場に電話して学校見学をお願いした。 2005年に建て替えたばかりという学校はとてもきれいで、至る所に小笠原要素が散りばめられていた。学校の正面にはロース石という、かつて小笠原で産出されていた石を用いたレリーフ。中庭にあるのは無人焼と呼ばれる、小笠原に古くから伝わる焼き物のオブジェ。廊下は小笠原の海をイメージしたというステンドグラス。さらに交流室の壁には、世界でも小笠原でしか採れないというウグイス砂が使われている。まさに小笠原尽くし!子供たちの学び舎としては何ひとつ不足が無いのではないだろうか。2012年度時点で全校児童・生徒は45名。本当にうらやましく思う。

 伺ったところによると、確かに電力は自家発電でまかなっており、余った分は東京電力が買い取っているようだが、特筆すべきはそれだけではなかった。 まずは水。トイレの水や校庭にまく水は、雨水をタンクに溜めて利用しているという。屋根からタンクへと水が流れる仕組みで、雨水を集めているのである。さらに玄関には、現在の発電量と貯水量がひと目でわかるパネルが設置されていた。加えて、校舎の窓はやたらと大きく感じたが、これは風通しを良くすることで空調の使用を控えるようにという心がけだそうだ。まさに見た目も小笠原、仕様も小笠原だから恐れ入る。

発電量と貯水量がわかるパネル

大きな窓は風通しを良くするため

エコアイランド・小笠原

 小笠原は東京・竹芝桟橋から父島まで25時間30分の距離。母島へは父島からさらに2時間弱かかる。島に必要な物資も、ほとんどがこの週に1往復するおがさわら丸に乗ってやってくるのだ。これを思えば、絶海の孤島と言えど、やはり島で出来ることは島でやれれば良いのだろう。同じく東京の離島である八丈島は火山を活かした地熱発電を行っている。昨今の原発問題を思えば、理想的に見えて仕方がない。 実は、この小中学校だけではないようだ。島内で出るゴミも有意義に処理を行う。生ゴミは堆肥にし、牛糞などと混ぜて島の農家に配っているそうだ。島内には小規模農家が多くあるだけに、これも互いにとって良いことだろう。

 可燃ゴミに関しては、コンテナで父島へ送って焼却を行うと聞いた。時折、母島に定期船以外の船が停まっているのはそういった船だと聞かされ、当たり前のことなのにひどく感心させられる。堆肥はそれほど臭くなく、土のようにさらさらしていた。

下校する母島小中学校の子供たち。晴れなのになぜか傘??

 

 

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