ハマる!萌える!小笠原のイルカと遊ぶ!(父島)【旅レポ】

tanoshimasan

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小笠原、イルカ船に乗ってGO。
小笠原、イルカ船に乗ってGO。

船は小気味よいエンジン音をあげて走っていたが、やがて緩やかになり、船長のアナウンスが響く。

「はい、2時の方向ね、2時の方向。入水したらさらに右へ」

船の上では進行方向に対して注目すべき方向を、時計の針に見立てて案内するらしい。例えば進行方向に対して左に注目すべきなら「9時の方向」だ。

「わらわら」いる!イルカが「わらわら」いる!

僕はイルカ船に乗っていた。

(イルカ船とは、イルカと泳ぐドルフィンスイムツアーの船のことだが、小笠原ではわかりやすくこう呼ばれている)

小笠原の海は深い青色。どこからどう見ても青い。しかし、それでいて「透明度が高いね」と言われれば、確かにそんな気もする。矛盾しているかもしれないが、どちらにも当てはまるのだ。この海で、イルカたちはのんびり泳いでいるらしい。

僕は海の奥まで目を凝らす。海の中では、イルカやクジラが当たり前のようにうろうろしているらしい。ドルフィンスイムと言えば、もはや小笠原では定番の遊び。探せばほぼ間違いなく出会えるうえ、運が良ければイルカが遊んでくれるという。



半信半疑で海の中を覗くと世界は一変した!まさに文字で表すと「わらわら」。うん、イルカが「わらわら」いる!それも、意外なほど近くに!

「はいこれがミナミハンドウ(イルカ)ね。よく遊んでくれます」

と船長。しかし、突如広がったイルカの世界に戸惑った僕には成す術なく、いつの間にか見えなくなってしまった。。

一方、ほかの常連と思われる人たちはしっかりと心得ているようで、いつでも入水できるよう、船の先で場所取りをしていた。なるほど、船がイルカの群れに近づくと、すぐに追いかけるのが良さそうだ。船長の合図でドボドボと海に入ると、さっきとは比べ物にならない近さでイルカたちの群れが迎えてくれた。

イルカたちのお出迎え。
イルカたちのお出迎え。
イルカたち「わらわら」。
イルカたち「わらわら」。

「うわっ!」「キュー」からかってくるイルカに萌え!

本当に近い。頼めば『トリトン』のように背中に乗せてもらえるのではないかという距離だ。

「おおっ、イルカって意外と筋肉質!」

「なんだか、眠たそうな眼をしている!」

僕はいちいち変なところに注目していたが、イルカはイルカで僕の方向を見てゆっくり泳いでいる。「お、遊んでくれるのかな」と思ったのも束の間、イルカはぷいと進路を変え、猛スピードで泳いでいく。

僕は呆気にとられていたが、実はこれは「ついておいで」のサインらしい。見渡すと、もはや達人級の乗客が水深30m以上はあろうかという深さまで、ついて行っている。イルカは泳ぎの上手な人が好きらしく、水深30mの世界で追いかけっこが繰り広げられていた。僕は人並み以上には泳げるほうだが、潜れる深さはせいぜい10m程度。イルカからすればやはりもの足りないのだろうか。

ところが!

こんな僕と遊んでくれる奴が登場した。奴は尾ひれを僕の目の前に振り上げ、「うわっ」と僕を驚かす。しかもそれを繰り返すのだ。何かの偶然だと思っていたが、「キュー」と鳴き声をあげて、奴は僕をちらっと見る。確信した。奴は僕をからかっているのだ。その証拠かどうかはわからないが、尾ひれがぶつかりそうなほど危ないのに、絶対にぶつけてくることはなかった。

ツアーも午後に差し掛かると、段々とイルカを追えるようになってくる。一度イルカにからかわれた僕は、何をやってもイルカのメッセージを深読みするようになってしまった。イルカが進路を変えれば、「あっちへ行こう!」と言われたと思い、それについて行く。イルカが背泳ぎを見せれば、「こんな泳ぎ方できる?」と聞かれた気がして、僕もそれをマネした。しかし、最終的にはイルカのスピードに及ばず、イルカ船に引き上げられてまた群れを追う。その繰り返しだ。

しなやかに泳ぐ。
しなやかに泳ぐ。
そこまで深追いできません!
そこまで深追いできません!

「年に4回以上は遊びに来てるよ。」「ひぇ~・・・。」

「イルカと遊ぶ」なんてのんびりしたもんだと想像していたが、そんなことはない。休みなく動かなければいけないし、意外と体力が必要だ。

ただそれ以上に、「イルカが遊んでくれた」ということに感動した。犬のように「お手」と言えばそれに応えてくれる動物はいくらか知っている。しかし、海で暮らす生き物が、一緒に泳いだり、人をからかったりというのは初めてだ。想像の範囲外の出来事についつい興奮しっぱなし。常連のお客さんが、何度も何度も島へ通うのも頷けてしまう。

「休みの取りやすい会社に転職したおかげで、年に4回以上は遊びにきてるよ」と、教えてくれたのは、さっき水深20~30mの深さで泳いでいたおじさん。1度訪れるには最低でも5連休以上確保しなければならない小笠原を、年に4回以上訪れるとは恐れ入る。「何度も通っていると、特にカワイイ子とか、泳ぎ方のクセまで覚えてくるもんだよ。」なんて言っていた。

そんな彼は、もはや遠距離恋愛中の彼氏のように思えた。

イルカに逃げられると、船で引きあげられます。
イルカに逃げられると、船で引きあげられます。

父島周辺の海

イルカやクジラが当たり前のように見られる小笠原の海!ドルフィンスイムはオススメです!

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