離島留学制度とは
こちらはアイランダー2012にて配布された鹿児島県三島村(下表)のチラシ
「離島留学」というものをご存知でしょうか。自然、文化、人など、小規模の島だからこその恵まれた環境を活かし、島外の児童、生徒に島での「学び」を提案したものです。 僕はその言葉こそ見たことがあり、知ってはいたものの、特別詳しくはありません。そんな折、11/24~25に開催された「アイランダー2012」参加。その際お話を伺った粟島(新潟)にて、「粟島しおかぜ留学」という留学制度を来年度より行うと聞きました。ここで改めて「離島留学」というものを知り、今も気になっているところです。
→ アイランダー2012 → (「粟島しおかぜ留学」に関してはこちら)
【島イベント】何を学ぶ?どう学ぶ?粟島しおかぜ留学【アイランダー2012】(粟島)
全国の島々でもちらほら
自身も、島に長期滞在した経験があるためか、個人的にはとても興味深いこの取り組み。色々と気になったのでちょこっと調べてみると、実は全国の各島々で、細々とではありますが、「離島留学」制度をとっている小・中・高を見かけました。個人的に見かけたものを以下に挙げてみます。(他にもあると思います。)
概要だけを見比べてみたところ、どこも近しい内容でした。ここでは、例として口永良部島を見ていきましょう。まず、目的を参照すると、
この制度は、屋久島町立金岳小・中学校に入学または転学を希望する児童・生徒に対し、校区内の受け入れ保護者(以下「里親」という)の協力を得て、受け入れを実施し豊かな自然の中で相互の教育効果の向上を図ると共に、教育の振興充実を期することを目的とする。(資料より引用)
とあります。教育の振興充実を期すことが目的と書いてありますね。留学期間は島によってまちまちですが、だいたい1年から3年が目安でしょうか。そのほか「校区内に住民登録をする。」「口永良部教育振興推進協議会立ち会いの上で、里親との契約を締結する。」「なるべく電話しない」など、具体的なルール(契約事項)が興味深いところです。「なるべく電話しない」なんて、案外親の方が寂しいかも知れませんね(笑)。
塾と同じくらい?
水と土に恵まれた火山島・口永良部島
人口およそ150人のこの島は「第2の屋久島」とも呼ばれる
そして気になる(?)費用ですが、口永良部島では【小学生;月額7万円,中学生;月額8万円】と定められています。ただ、それぞれ3万円ずつ、町からの助成金が出るようなので、実質的な負担額は【小学生;月額4万円,中学生;月額5万円】と考えれば良いかも知れません。他の島に関しても、実質の負担額は月当たりおおよそ3~5万円の範囲でした。都会で塾に通う費用とおよそ同等でしょうか。
上の表では、鹿児島の2つは里親制度という形をとっています。いくら島の人々が大らかだとは言え、他人の家で家族同然のように過ごすわけですから、島民の協力が不可欠だとわかります。資料にも記載されていますが、里親と実親の間ではマメな連絡も必要になりそうです。 ざっくりと見ていくとこんなところでしょうか。ただ、こういった細かな決め事も島によってケースバイケースであり、一様に「コレ」とは言い切れなさそうです(例えば、佐久島は島外から島へ通うなど)。気になる島があれば、詳しく調べてみると良いでしょう。
一方で継続的な制度の継続に至らなかった島もあるようです。利尻島(北海道)、渡嘉敷島(沖縄)などが、そのような感じでしたが、これについては後日注目してみたいと思います。◆◆◆
いかがでしょうか。都会的な生活の中で、足並みを揃えて勉強や部活に明け暮れるのも良いですが、一方でこんな暮らし方で10代を過ごしてみるのも良い気がします。いざとなった時に決心が必要だとは思いますが、都会では得られない価値ある経験を期待しても良いかも知れません。 色々調べてみると、これら島々の情報も、自治体が細々と発信している場合がほとんどです。国土交通省のホームページには全国の島々のまとまった留学情報がありましたが、肝心の情報が古いため、あまり役に立ちませんでした。基本的には自分から能動的に調べていくのが確実なようです。とは言え、まとまった情報があればいいですねぇ。
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