~ 今日のお言葉 2012年7月10日 ~
東京電力「情報提供に不十分な点がありおわびしたい」
国会事故調が提出を求めていた「未公開の写真」の存在を東京電力が認めました。「国会事故調 参考資料」66ページには、次の記載があります。
当委員会の調査の過程で、廃棄物集中処理建屋4階から撮影された写真は公開された11枚だけでなく非公開の33枚とともに撮影されたものであることが判明した。この日公開写真には津波の第1波が襲来した時刻に撮影されたものが4枚含まれるとともに津波第2波の襲来を連続的に撮影したものが含まれていた。東電は当委員会の再三の要求にもかかわらず、両者の写真について撮影者情報の提供をかたくなに拒否し続けている。
結局、国会事故調では、ヒアリングすることができた関係者の証言と、波高計のデータ、公開された写真から推定した施設の浸水時間から、福島第一原発は津波被害前に地震によってダメージを受けていた可能性があると指摘していました。NHK≪福島第一原発 津波の新たな写真公開≫(7月10日 16時21分)は、
福島第一原発が津波に襲われる写真について、東京電力は、去年5月に17枚を公開していましたが、今回の写真は、国会の事故調査委員会が指摘するまで公開していませんでした。
これについて東京電力は、「撮影された写真のうち、津波の到達の様子がより分かりやすく伝わる写真だけを選んで公表していた。情報提供に不十分な点がありおわびしたい」と話しています。
と伝えました。公開された写真が津波到達の詳しい時間の特定につながるものなのか、福島原発の主要な機能が津波到達前にダメージを受けていたのかどうか判明するかは不明です。
国会事故調の報告が上げられた現在も、まだ調査を続けている政府事故調でこの資料がどのように扱われるのかも注目です。
文●井上良太
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