クリーミーな島バナナ
「いやーなんていうか、あれはクリーミーなんだよね」 筆者が食べたことのないものについて、宿のオーナーに質問すると、返ってきたのはそんな返事・・・。島バナナについて紹介します。
まずカタい話で恐縮ですが、いま!日本で食べられている9割以上のバナナが外国産と言われています。うーん、確かに。スーパーに並ぶバナナのパッケージを見てみると、フィリピン、台湾、エクアドル・・・。 国産バナナなんて話でしか聞いたことなかったなぁ・・・というのが感想。 ところがやはり、緯度が下がって日本でも南の島々になると、普通に栽培されてると言うではないですか。そんな期待を背負ったうえでの小笠原諸島上陸。そりゃあ味が気になるってなもんです。どうやらクリーミーらしい。果たして・・・。 小笠原に限らず奄美群島、沖縄でも当たり前のようにみられるバナナ。内地(本州)で見かけないのは台風などに対して非常に弱いから。意外とご存知の方が少ないのですが、バナナはどちらかと言うと”木”ではなく、”草”です。どうしても背が高いので、よく間違えられますが、幹はありません。そういう意味ではバナナは厳密には野菜なのです。果物の役割として食されることから「果菜」とも言います。・・・話がそれましたが、安定供給が難しいことから、内地に流通せず、島内で食べることが主となります。(更には一部の外国産のような強烈な薬品も使用しないので、遠方への出荷は採算が合わないとか)
「持って帰りな。放っておいても生えてくるし・・・。」
通常、奄美群島でも沖縄でも、小笠原・父島でも島バナナは基本的に農家によって管理、栽培されています。そのため、近隣のスーパーやJA、無人販売所などに行けば簡単に買うことが出来るのです・・・が。 その日、天気が良く母島の南北へ連なる一本道路を原付で走行。すると道路脇や、あちこちにバナナが生えているではありませんか。島の野菜、果物に目がない私は、特に目的もなく過ごしていたその日を植物観察に切り替え。道中、グァバやパイナップル、バナナなど、誰かの菜園と思しきものを発見しました。それら内地では見れない菜園を眺め、写真などを撮っていると・・・
「持って帰りな。私は育ててないよ。私の土地だけど放っておいても生えてくるし・・・。」と、切り取ったバナナを持った農園の主が。こんなに食えと・・・?(笑)
「構わないよ、そこら道ばたにも生えてたでしょ?あんなの誰のものでもないし。ははは!」一応は公道(都道)だから、都のモノでは無いのだろうか・・・と、頭で思いながら、頂いたバナナを原付に乗せ、宿へ。青いバナナをこんなにもらったところで、同じタイミングで黄色くなるとさすがに食べきれません。仕方がないのでのこぎりで切り分け、ゆうパックで内地の友人へ出荷しました。到着した頃にはちょうど黄色くなっていて「むっちゃおいしかった!」とか・・・。まさかそこらに生えていたバナナが喜ばれるなんて。
ちなみにこのバナナ、どうも品種が曖昧です。島民からはモンキーバナナ、キングバナナとか言われていますが・・・、いくら聞いて回っても明確な答えは返ってきませんでした。とりあえず島バナナと呼んでおけば良さげ?
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