3.3つの島めぐりで感じたこと編【内地産「島オタ」誕生記】

tanoshimasan

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tanoshimasan こと「僕」の生い立ちとか、
関西出身なのに離島にハマり始めた理由とか書いてます。
島のドミトリー宿とかで、お酒とか飲みながらこの話するとウケたりするんです。
良かったら読んでください。

今回は、僕が大学2年生のときのエピソード。
前年の屋久島から1年経ち、今度は奄美大島(あまみおおしま)、沖永良部島(おきのえらぶじま)、与論島(よろんじま)へ行きました。

2年生になり、ふたたび「合宿」のシーズンが訪れた。

昨年で言えば、5つのコースの中から屋久島コースを選んだワケだが、この年もまた北海道や富士山など、5つのコースから選ぶことになり、僕は奄美・与論コースを選んだ。名前のとおり、奄美大島と与論島に行こう!というコースである。特に離島にこだわっていたワケではないが、「学生のうちにしか行けなさそう」という基準で考えると、奄美・与論コースが良かった。

しかし、結論から言うと、「コレが良かった!」とは言えない合宿だった。

「だから面白くなかった」ということではない。

むしろ、逆である!出会うものひとつひとつ、どれも良かったのだ。良すぎたのだ。「甲乙つけがたい」という言葉は、きっとこういう時に使うのだろう。

たとえば、この年の北海道コースならテーマは「大雪山に登ろう!」だった。富士山コースなら「富士山に登ろう!」だ。しかし、僕ら奄美・与論コースはこのテーマがはっきりしなかった。企画した先輩も、7人のメンバーも、「●●をして、●●を見て、●●を食べて・・・云々」と、計画を立てていたものの、ひと言で言うにはネタが多すぎたのだ。

では、それらをひとつひとつ整理していきたい。

鶏飯を食べて「沖縄とは違う!」と感じた奄美大島(あまみおおしま)

まず、最初に訪れた奄美大島。去年の屋久島と同じく、鹿児島港から南下してたどり着く島だ。奄美大島で僕らが予定していたことと言えば、「マングローブをカヌー」、「ハブとマングースショー見学」などなど。わりとベタな観光ルートだった。もっと言えば、当時の僕には、【マングローブ】や【ハブとマングースショー】なんて、どちらかと言えば沖縄の名物というイメージが強かった。おまけに奄美大島を散策すると、至る所にハイビスカスが咲き誇っている。

だからこそ、当時の僕には「南の島ってどれも同じ」みたいなイメージがあったのだ。

ところが、そんな無知だった僕のイメージを一蹴したのが、奄美大島の郷土料理「鶏飯(けいはん)」である!素朴なうえに美味く、それでいて沖縄など、ほかの南の島々にはない奄美大島だけの食べ物だというから感動した。奄美大島は(南の)琉球文化が混ざった島だと聞いていたが、この鶏飯は(北の)薩摩の役人をおもてなしするために考案された料理だという。

一見どれも同じように見えながら、島には「その島ならではの個性」があると感じた瞬間である。

予定外の沖永良部島(おきのえらぶじま)で見た「東洋一」と「日本一」

この合宿では奄美大島と与論島の2島をまわる予定だった。ところが、その移動日。フィリピンだかどこかで起こった台風の影響を受け、天気は崩れなかったものの海が大荒れ。それでもなんとか船が出港した結果、与論島には上陸できず、その手前の沖永良部島で降りることになってしまったのだ!

完全に予定外である。沖永良部島なんて名前くらいしか聞いたことがなく、メンバーの全員が、見どころひとつ知らなかった。ところが、この島には「東洋一」「日本一」とまで呼ばれるほどの見どころがあったのだから驚きである。

そのひとつが、【昇竜洞】と呼ばれるサンゴ礁由来の鍾乳洞である。誰が決めたのか知らないが、「東洋一の美しさ」と評される鹿児島県の天然記念物。そう言われるとなんだかありがたく感じるし、事実、その大きさと南の島らしからぬ涼しさ(寒さ)に思わず笑えてしまった。

もうひとつが、【国頭小学校のガジュマル】だ。日本一大きいガジュマルだそうで、無理をすれば木陰に300人近く入るんじゃないかと思えたほどである。要するに、とにかくデカかった!「日本一」と呼ばれるものが、ごく普通の小学校の敷地内にあるというのも、なんだか面白い。

何より、もともとこの島を訪れる予定はなく、偶然でしかなかった。そんな偶然訪れた島に、「東洋一」だの「日本一」だのと呼ばれるものがあるワケである。離島に対し、途方もない奥深さを感じたのはまさにこの時だ。期待を大幅に上回る発見だった。

潮の干満が、僕らの心を掴んだ与論島(よろんじま)。

そして、最後。台風の通過を待って上陸したのが与論島だ。メンバー全員が一番はしゃいだのは、この島だったように感じている。この島での見どころのひとつである【百合ヶ浜】でのことだ。

百合ヶ浜とは、潮の干満に合わせて見え隠れする浜である。となると、やはり見どころは干潮時!潮が引く干潮時になると、与論島から少し離れた場所に、この百合ヶ浜が現れるというのだ!

これがメンバーの心を打った。何せ、まず時間厳守である。出現は月に2回程度、2~3日にかけて現れるという。だから今回の9泊10日の合宿も、日程に関してはこの百合ヶ浜の出現に合わせて決められたほどである。それでいて、天候などの不確定要素にも左右されるため、きちんと百合ヶ浜に上陸するにはある程度の“運”も伴うのだ!

台風の影響もあって心配されたが、見事に快晴。無事百合ヶ浜に上陸出来た。この、潮の満ち引きに委ねるあたりが、なんとも不思議で面白かったが、それ以上に百合ヶ浜の写真映えする景色がまたたまらない。周りはエメラルドグリーンとも言えそうなほど明るい海に囲まれているのに、百合ヶ浜付近に限れば、驚くほど無色透明な海水である。そこに巣足を浸けるとその透明度はさらに際立った。

こんな場所だからこそ、かなり調子に乗って何枚も何枚も写真を撮った。それはある意味大学生らしい若々しさで、「あぁ、青春してるなぁ」なんて思ったりした。

・・・と、まぁこんな調子で、この奄美(沖永良部)与論コースを終えた。

こんなだから、他のコースへ行った友人に「何が面白かった?」と聞かれても、サッと回答するのがなんとも難しい。

前年の屋久島が初めての離島。この年は屋久島と同じ鹿児島で、3つの離島を巡った。「どれも同じ」程度にしか見えなかった島々なのに、キレキレの個性がビシビシ伝わってきたのである。

「島って面白い」

そしてこのころから、そんなことを思うようになったのだ。





(つづく)

奄美大島~与論島

僕らが乗ったフェリーは、奄美大島から、徳之島、沖永良部島、与論島と経由し、沖縄までを結んでいた。(今度は徳之島にも行ってみたい)

まだまだ「島記事」あります。

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