緊急事態宣言時は美容院に行くことも控えていました。
前回バッサリと切って「昭和のおかっぱ」になった娘でしたが、ある日の明け方に彼女の朝ごはんを作っていると、催促に現れたのは音楽室の肖像画で見たことがある人でした。
この顔つきは激しめの曲を書いたあとでしょう。
この日からさらに1週間ほど経ち「さすがに切ってあげないとかわいそうだね」ということでいつもの美容院へ行きました。
イヤ!とアハハ!の繰り返し
美容院はビルの2階。エレベーターにすんなり乗り込み、開け放ってある美容院の入口もスムーズに入る娘。
しかし娘専用のケープをかぶせようとすると不快感を示すフレーズ「とぅわー!」を連発して、とてもイヤがります。
しかししかし、髪の毛を霧吹きで濡らしてもらい、美容師さんがハサミを持てば「まな板の上のコイ」。結構てきめんにおとなしくなります。
相変わらず美容師さんは少ない手数なのにどんどん娘の髪の毛を軽くかわいく仕上げていきます。さすがです。
ものの20-30分という早業でカットは終了。ケープを取ってドライヤーの強風をあててもらえば爆笑です。
いつものように時々逃げ回りながらではありますが、逃げる範囲はかなり狭まったように思います。
「○○しちゃダメ」は伝わりにくい?
自閉症の子どもたちに対して「○○しちゃダメ・○○してはいけません」という指示は伝わりづらい時があります。「人の洋服を引っ張ってはいけません」のような「いけない行動を否定する言葉を用いてやめさせる」のは難しいのです。
その時は「○○しちゃダメ」ではなく「してほしい別の行動に置き換える」、つまり「洋服を引っ張ってはいけません」を「手をつなぎます」に置き換えて指示しましょうという心がけがあります。
ただしこれがむずかしい。。。今までにも繰り返し指示してきた事柄や、あらかじめ「して欲しい行動」の言葉をこちらが用意してあるならまだしも、「とっさ」の時にこれを実行するのは至難の業。
ついつい大きな声で「ダメ!」と言ってしまっては「それがダメなんだよな…」と落ち込むの繰り返し。親の私たちも日々修行です。
髪の毛を切る時の「動いちゃダメ」という表現が自閉っ子にとって伝わりにくいとすれば、ここで彼女に伝えるべき表現は「じっとしています」でしょうか?たまたまですけどこれは「動かないという行動」ですから、理解しにくいかも知れませんね。
そもそも重度の知的障害でもある娘の場合は言葉による理解がどこまであるかまったくつかめません。なのに、髪の毛を切る時の娘は彼女の生活の中で珍しいほど動かないでいることに成功していると思います。
専門家の指導のもとでいろんな課題をこなす「作業療法(OT)」の最中でさえチョロチョロと動き回って先生を困らせている娘が、美容院ではあまり動き回らず、頭はほぼじっとしていられます。
予防注射の時のように「ごほうび」をちらつかせなくてもおとなしくできるのはなぜか?
「ハサミが怖い」ということもあるでしょうけれど、娘にとってとても難しい「がまん」ができる理由は他にもあるのか、興味は尽きません。
学校が始まりました。
娘が通う特別支援学校は先週から通常どおりの授業が始まりました。毎日相変わらず夜中に起きてしまいますが、学校大好きな娘は絶好調!
徐々に今までのペースを取り戻して、まわりに迷惑をかけず、楽しく暮らせる毎日を目指してコツコツやっていきます。
最終更新: