今年、小学1年生になった長男。初めて夏休みの宿題に「自由研究」がありました。勉強は嫌いだけど、モノづくり大好き、植物大好き、昆虫大好き、自然が大好きな長男にとって「自由研究」は唯一楽しくできる宿題です。
最近原始時代にハマった長男は、黒曜石で矢じりを作るワークショップに参加し、当初それを自由研究にしようと考えていました。
ワークショップに参加するため、長野県に向かっている途中、農家直売の野菜売り場に立ち寄りました。野菜好きな長男は、道の駅や野菜売り場があると、ついつい立ち寄ってしまう習性があります。珍しい野菜があると、つい買ってしまいます。
今回立ち寄った直売所では、ひょうたんのような見た目の「夕顔」という野菜が販売されていました。
「夕顔」とは?
ゆう‐がお〔ゆふがほ〕【夕顔】
1 ウリ科の蔓性(つるせい)の一年草。茎が長く伸び、巻きひげで他に絡みつく。葉は浅く裂けた心臓形で互生する。夏の夕方、花びらが深く五つに裂けた白色の雄花と雌花とを開き、翌朝にはしぼむ。実が球状のマルユウガオと円筒状のナガユウガオとがある。主にマルユウガオから干瓢(かんぴょう)をつくる。アフリカ・熱帯アジアの原産で、日本では古くから栽培。《季 花=夏 実=秋》「―のひらきかかりて襞(ひだ)ふかく/久女」
2 ヨルガオの俗称。
夕顔という野菜からかんぴょうが作られることは、以下のYoutubeの動画で以前に勉強して知っていた長男ですが、夕顔は「丸い形をしているもの」と思っていたようです。
うぉーたんのわくわく子ども体験隊~水口かんぴょう収穫しよう!~(8月24日放送)
YouTube
長男が大好きなかんぴょう動画(1人で再生回数を伸ばしています。)
実は夕顔には、「丸夕顔」と「長夕顔」という2種類あり、今回見つけたのは、ひょうたん型の「長夕顔」でした。お店の人に聞いてみると、長野県産の夕顔はひょうたん型で、地元の人はかんぴょうにはせず、お味噌汁に入れて食べることが多いようです。
お店の人の話を聞いた長男は、「これでかんぴょうを作りたい」と、自分からお店の人にかんぴょうの作り方を教わりに行き、気がついたら2つも長夕顔を抱えてレジに並んでいました。
かんぴょうを作ろう
夕顔の大きさや重さを測った後は、手触りや匂いなども堪能し、いよいよ自家製かんぴょう作りのスタートです。
~ 夕顔のかんぴょう作り手順 ~
1. まず包丁で輪切りにします。
2. 次に皮を剥きます。
3. 真ん中の綿の部分を残して、薄くかつら剥きにします。
2才の頃から本物の包丁で大好きな果物を切ってきた長男。包丁の扱いは手慣れたものです(むしろ自分より上手です)。
巨大な夕顔から手作業ですべての実を切り出すのは、かなりの労力でした!(ママと長男2人で丸1時間はかかりました)
長男が切り出した夕顔の実をそのまま食べていましたが、ほんのり甘いようでした。
最後に、夕顔の実は干してかんぴょう(干瓢・・・干した瓢箪)になります!
一粒万倍という言葉がありますが、実際に確かめてみるため、夕顔の種の数も数えてみました。
1つの夕顔に種は何粒入っていたと思いますか?
1. 100粒
2. 300粒
3. 1,000粒
答えは・・・
夕顔をカラカラになるまで干して、自家製かんぴょうの出来上がりです!
かんぴょうの歴史を学ぶ
かんぴょうは、伊賀の忍者の室町時代から作られていたようです。昔はかんぴょうを作る機械もない中、こんなに作るのが大変なかんぴょうをどうして作るようになったのでしょうか。
一説によると忍者の非常食として作られた、と言われています。夕顔は干すことによって、栄養価が高まり、水分が抜けて軽くなることで携帯に適していたのだそうです。忍者好きな長男がかんぴょう好きな理由はここにあるのかもしれません(笑)
ちなみに熊本城の土堀の壁には、いつ敵に攻め込まれてもいいように兵糧として、かんぴょうが塗り込まれていたそうです(食べられるお城だなんて、リアルヘンゼルとグレーテルですね)。
現在のかんぴょうの有名な産地が栃木と滋賀ですが、もともとは滋賀の水口岡山城主の長束正家が作らせ、100年経った後の水口藩主が今の栃木県に国替えになって移った際に種や栽培方法を伝えたようです。
松尾芭蕉も、水口でかんぴょうの俳句を詠んでおり、東海道五十三次の安藤広重も水口でのかんぴょう干しを描いています。
目的の自由研究は?
何はともあれ、かんぴょう作りが成功し初めての自由研究が終わりました。
ちなみに長男のかんぴょう作りをしようと思った理由を聞いたら、「夕顔があったから」でした。まさに「なぜ山に登るのか?」、「そこに山があるからだ」の格言が現実のものとなりました(笑)。かんぴょう好きとして夕顔を見つけたなら、かんぴょうを作るのは当然のことだ、という意味でしょう。
親の私たちとしても、かんぴょう作りを通して、長男の考え方や歴史を学べた良い機会になりました。
最終更新:
baikinman
ナイフを持つ息子さんの慣れた感じが半端ないです。
かんぴょうを手作りしてしまうなんてすごすぎる!!
orangeoor18
> 道の駅や野菜売り場があると、ついつい立ち寄ってしまう習性があります。珍しい野菜があると、つい買ってしまいます。
自分も立ち寄ります。あとは農協の直売所やその地域にしかないスーパーとかにもたまに珍しい野菜が置いてますよね。
かんぴょうにこんな歴史があるとは知りませんでした。忍者とのつながりは面白いですね。
pamapama
今回も素晴らしいですね!自主的に「賞」をあげたいくらいです。いつか渡せるよう、何か考えておきます(*^-^*)
akaheru
自然大好きな息子ちゃんらしい自由研究テーマですね。
「好きこそものの上手なれ」。このまま突き進んでほしいです。(ことわざの使い方ちょっと違う?)
ちなみに、我が息子も自由研究の宿題があって(ダンボールで釣りセット的なものを作ってました)、学校開放日に他の子の作品も見に行きましたが、干瓢を作っている子はいなかったですね。
息子ちゃんの学校でもひときわ異彩を放っていたことでしょう♪