チェコを後にした私は、シベリア鉄道でモンゴルへ向かうためにロシアを目指しました。しかし、その途中にどうしても見ておきたい場所があります。
アウシュビッツ強制収容所です。
ご存知の通り、アウシュビッツ強制収容所は第二次世界大戦中に大量虐殺が行われた場所です。収容所は第一から第三まであり、この3箇所で少なくとも100万人以上の人が殺害されたといいます。この負の遺産を自分の目で見ておく必要があると思ったのです。
強制収容所には、チェコのプラハからポーランドの古都・クラクフへ移動し、そこからバスで行きました。
バスが収容所のあるオシフィエンチムの街に到着すると、第一強制収容所へ向かいます。
アウシュビッツ第一強制収容所の敷地には当時の建物が残されていました。現在、建物はこの地で行われた虐殺を伝える資料館になっています。
建物に入ると、中には無数の義足やメガネなど、収容所にいた方たちが使用していたものがうず高く積まれていました。なかでも一番印象に残っているのが、刈り取られた人の髪でした。
これらのおびただしい大量虐殺の跡を目の当たりにすると、人種の違いというだけの理由で、数百万人もの罪のない人が殺されたことにやりきれない怒りと悲しみ、そして人間が持つ負の一面に底知れない恐ろしさを感じます。
過去の過ちから目をそらさずに知ること。アウシュビッツを訪れて改めて痛感したことです。
アウシュビッツ強制収容所は、人類が同じ過ちを二度と繰り返さないためにも、全ての人が訪れるべきところだと思います。
アウシュビッツ第一強制収容所
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