海水浴シーズン真っ盛り、海のレジャーを楽しまれる方も多いかと思います。そこで、海辺で楽しむ際に気を付けるべき海の危険生物をシリーズでご紹介していきます。今回は「ミノカサゴ」です。
ミノカサゴ
着飾ったかのようのような美しい姿とその優雅な泳ぎから、貴婦人とも言われるミノカサゴ。しかし、「美しいものにはトゲがある」という言葉がまさに当てはまる魚です。
ミノカサゴ類は体長25~35cmほどに成長し、背びれ、腹びれ、尾びれなどに強い毒を持っています。暖かい海を好み、太平洋やインド洋に生息しています。日本では北海道以南の海にいると言われています。
ちなみに、以前は上記以外の場所にはいないとされていたのですが、近年は大西洋やカリブ海においても持ち込まれたと思われるミノカサゴが繁殖しており、生態系を壊す外来魚として問題になっています。
ミノカサゴは夜行性のため、日没ころになると活動し始めることが多いと言われています。穏やかな動きで温厚そうに見えますが、近づきすぎると向こうから襲ってくることもあるので注意が必要です。
被害にあうケースとしては、シュノケーリングやダイビングの時に知らずに触ろうとして刺されるほか、釣りの際に掛かってトゲに触れてしまうことがあります。
刺された際の症状は、腫れて激しい痛みに襲われます。重症の場合は嘔吐や呼吸困難などになることもあります。
万が一刺されてしまった時は、目に見えるような大きなトゲを取り除いて病院へ行きます。ミノカサゴの毒はアカエイやオコゼなどと同じタンパク毒と言われており、火傷をしない程度の熱湯で温めると痛み軽減に効果的です。
ミノカサゴは人が近づいても逃げようとはしないことが多い上に、見た目の美しさとゆっくりとした泳ぎから、危険性を知らないダイバーやシュノーケラーが被害にあうことが多いと言われています。
ミノカサゴだけに限りませんが、自然界において色鮮やかで目立つような生物は毒を持っているものが少なくありません。よく知らない美しい生き物を見つけた際には、触れたり近寄ったりしないで、少し離れた位置から見るだけにしておいたほうがいいかもしれません。
<「海水浴シーズン真っ盛り、海の危険生物について Vol.12 ~イソギンチャク編~」へ続く>
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