12月7日。嬉しいニュースを目にしました。
宮城県の松島湾が国連教育科学文化機関（ユネスコ）後援の非政府組織（ＮＧＯ）「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟することが認定されたという話です。「世界で最も美しい湾」として認められるのは、日本では初めてのことです。以下、12月7日付産経新聞です。

「世界で最も美しい湾クラブ」は、湾など美しい海岸を保有した国が自然保護及び相互の交流などを目的に1997年3月に設立した機関であり、フランス・ヴァンヌに事務局が置かれています。

松島湾以外に認定されている湾は、ベトナム・ハロン湾、フランス・モンサンミッシェル湾などを始め、今年7月末現在では、世界に41湾あるといいます。いずれも「世界で最も美しい」という名にふさわしい湾の数々です。

加盟の基準は、湾が魅力的で優れた自然を有することや、地元住民のシンボル的な役割を担うなどの基準を満たす必要があるとのことです。

松島湾は、複雑なリアス式海岸に囲まれた湾であり、湾には大小無数の島々が浮かんでいます。その光景は箱庭のようであり、日本的な美しさを感じることのできる自然豊かな魅力ある景観です。

私も実際に、今年の夏に奥松島の宮戸島を訪れたのですが、宮戸島からの景観と島が持つ魅力に驚きました。確かに日本的な景観なのですが、どこか日本離れしたところもあり、不思議な感覚になったことをよく覚えています。

また、松島は日本三景のひとつとして、地元の方のみならず、多くの日本人の琴線に触れる日本を象徴する湾ではないかと思います。

先日、山梨県の昇仙峡に行ったのですが、昇仙峡一番の見どころとして覚円峰（かくえんぼう）と呼ばれる岩峰があります。そして、覚円峰を見るのに最適な場所が「夢の松島」と呼ばれています。

この「夢の松島」のように、日本各地に松島と名前がつく場所は多く、古来より日本人が親しみを持ってきた湾であることは、疑いの余地はないと思います。

「世界で最も美しい湾クラブ」の加盟の有無に関係なく、松島湾が持つ美しさに変わりはないのですが、日本のみならず、海外の方にも認められたことに、嬉しさを感じたニュースでした。

東日本大震災の際、松島湾に浮かぶ島々が自然の堤防の役割を果たし、押し寄せる津波を軽減して、津波被害を小さくしたと言われています。多くの人や建物、財産を守った島々が魅力の「世界で最も美しい湾」を、再び訪れてみたいと思います。

Text & Photo：sKenji