国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!
沖縄本島と台湾のおよそ中間あたりに位置する宮古島。その宮古島から5kmほど離れたところに、大きな滑走路を備えた下地島(しもじしま)という島があります。地図を見ればわかりますが、島の大半が飛行場敷地。この下地島空港は、現在日本で唯一の、民間パイロット訓練専用空港。少し特殊な飛行場なのです!
ココに注目!~日本で唯一たるポイント~
■1.迫力満点のタッチ&ゴー
下地島では、若手パイロットたちの実機訓練を間近で見ることができます。地方の離島としては類を見ないほどの広い滑走路を使い、離島ではおなじみのプロペラ機から、まるで都市間を飛ぶようなジェット機まで、訓練期間によって見られる機体もさまざま。観光ルートの一部として人気のスポットです。
特にこの飛行場では、「タッチアンドゴー」と呼ばれる基礎飛行訓練が名物になっており、着陸、滑走、離陸の一連の流れが見られるようです。
写真や動画などを参照すれば、その距離がかなり近いことが分かります。全国の空港を見渡しても、間近な距離で飛行機の離着陸を見るなんてことはそうそうないのではないでしょうか。カメラの持参が必須のポイントだと言えそうです!
■2.副操縦士昇格訓練
一方、この訓練を行っているのはANAの副操縦士昇格を目指す訓練生たち。ANAでは新卒社員を対象にパイロットの自社育成を行っており、下地島はその訓練場にあたるのです。
そもそも訓練と言えど、パイロットになるために、高度な技術が必要なのは言うまでもありません。ANAのホームページからキャリアパスを参照したところ、入社1~2年目はパイロット職も地上勤務にて基礎を学ぶことから始まります。この地上勤務ののち、東京で学科訓練、アメリカで実機訓練をそれぞれ2回ずつ、これを1年7か月かけて行うのです。小刻みに試験も行われるため、気が休まることも少ないかも知れません。人の命を預かる仕事だと思えば当然かもしれませんが、やはりその道のりは大変です。こうして、およそ3年ちょっとがかりでここまでを学び、そこからようやく副操縦士昇格訓練のスタート。ここで、ようやく下地島にて実機訓練を行うことになります。
つまり、この下地島にやってくる訓練生たちは、大半が3~4年目のキャリアということになります。ちなみに、この訓練を経て、さらに試験に通過してようやく副操縦士です。平均して、ここまでに5年はかかると言われています。機長になるためには、そこからさらに実務経験と試験を積み重ねなくてはなりません。機長については、平均すれば15年はかかると言います。このプロセスを想像すると、この訓練も長い道のりの途中。見え方が違ってくるかも知れませんね!
■3.エメラルドブルーの海が映える
この訓練を見た人が、声を揃えて言う感想が「海がとても綺麗!」ということ。見てみると、これは本当に綺麗で、この島が恵まれたサンゴ礁に囲まれた島だと実感させられます。迫力満点のタッチアンドゴーはもちろんのことですが、風光明媚な景色があってこそ、より映えて見えるのかも知れません。
ちなみに、訓練生も下地島内の空港関連施設に宿泊するそうで、訓練の疲れは島で癒します。この勉強漬けの日々を経ての実機訓練ですから、緊張度も相当なものではないでしょうか。クタクタになってしまいそうですが、そんな時に下地島のような、自然あふれる離島っていうのはとても良い環境だなぁと思えてしまいます。
下地島空港
ここでANAの副操縦士昇格訓練生が実機訓練を行う。
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