八丈島(はちじょうじま)「日本で唯一、地熱発電所が稼働している島」【この島、日本で唯一】

tanoshimasan

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国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!

八丈島・地熱発電所
八丈島・地熱発電所

突然ですが、日本におけるエネルギー自給率はどれくらいかご存知でしょうか。ご存知のとおり、日本はエネルギー消費大国と呼ばれるほど、エネルギー資源を多く使用しますが、国内において確保される自給率はわずか4%だと言われています。

そんな日本国内において、エネルギー自給率8割以上を目指す島があります。都心から南に290km離れた離島・八丈島がその島です。火山島でもある八丈島では、その恵まれた環境が活かされ、離島としては日本で唯一、地熱発電所が稼働しています。島では、地域活性への起爆剤としても注目が集まっており、地熱発電を活かした独自の取り組みが進められているのです!

ココに注目!~日本で唯一たるポイント~

■1.火山の恵みを活かした地熱発電!

マグマで熱された地下水(蒸気)の力でタービンを回す

マグマで熱された地下水(蒸気)の力でタービンを回す

ja.wikipedia.org

八丈島では、島の南部・中之郷地区に東京電力の地熱発電所があり、この地熱発電所にて、総供給電力量の25%を賄っているそうです。(残りはディーゼル発電)

八丈島は富士火山帯(富士山を中心に、新潟県西部から小笠原諸島付近まで伸びる火山帯)の一角を成しています。ここ3,700年ほど火山活動が見受けられませんが、八丈島の地下においては、膨大なマグマだまりあると考えられており、その熱の力によって周辺の岩石が熱せられているそうです。

地熱発電はそのマグマによって熱せられた地下水の力を活用します。マグマの中には高温高圧状態の地下水があり、ここを目がけて井戸を掘ることで、高温高圧の地下水を取り出すことが可能だそうです。ただ、取り出す過程で圧力が下がってしまい、地下水は沸騰し蒸気へと変化するそうです。よく、火山などでは蒸気が漏れていたりすることがありますが、八丈島ではこれを人為的に行っていることになります。

この沸騰して噴き上がる蒸気を活用してタービンを回すことで、発電が可能になるそうです!なんとなく、理屈は頭で理解出来ますけれど、「地中のマグマにより熱せられた地下水を、蒸気として取り出すために井戸を掘る」なんて作業は、スケールが大きくてちょっと想像しにくいです。人間の力はすごいですね!

■2.「自然エネルギーを活用したエネルギー自給」の先駆けを目指す!

環境に対する負荷が低い点も魅力

環境に対する負荷が低い点も魅力

この取り組みの特筆すべき点は、石炭・石油など、化石エネルギーを使用しないため、二酸化炭素をほとんど排出しないという点です。環境に対して負荷が低く、また、化石エネルギーなどと違い、半永久的に使えるものだと言われています。先に述べたように、八丈島ではエネルギー自給率8割以上を目指すビジョンを掲げています。(原子力発電を除き)自給率4%の日本を思えば、八丈島が描くビジョンの大きさがうかがい知れます。

課題としては、例えば「原子力発電などに比べて発電コストがやや高い(とされている)」「エネルギー効率が低い(とされている)」「硫黄の臭いがするため、発電所近くの住民の理解が必要」などがあります。

たしかに島で暮らす側の立場になってみれば、確かに硫黄臭などは気になってしまいそうですね。ただし、これらに関しては改善の余地がある印象です。そのためにも、八丈島のエネルギー自給の挑戦そのものが、大きな意味を成すのではないでしょうか。個人的には、良い意味でまだまだ発展途上なのだと思います。

■3.熱資源の活用と独自の取り組み!

島の農産物販売所「えこ・あぐりまーと」

島の農産物販売所「えこ・あぐりまーと」

八丈島において地熱発電が開始されたのは1999年3月のこと。離島としては初のことで、現在も八丈島でしか見られない取り組みです。八丈島では「クリーンアイランド構想」を掲げ、この熱資源を最大限に生かすための取り組みが行われています。面白い施設もいくつかありました。

ひとつは「えこ・あぐりまーと」。名前のとおり、島の農産物の販売所ですが、ただの農産物ではありません。八丈島の地熱を利用した亜熱帯の農産物を取り扱っているのです。本来なら島で育てることの難しい亜熱帯植物も、発電時に発生する熱を温室栽培に活用することで、それが可能となりました。島ではパパイヤなどの果実のほか、亜熱帯性の観葉植物栽培が積極的に行われており、観光施設としても注目を浴びているようです。

もうひとつは、東京電力が運営していた「TEPCO八丈島地熱館」。これは地熱エネルギーのPR施設でしたが、震災の影響を受け、東電では休館措置をとっていました。これを八丈町が買い取り、新たな観光スポットとして推していく方針だそうです。

また、地熱発電によって蓄電された電動自転車の貸し出しなど、「クリーンアイランド構想」を意識した取り組みも行われています。

もちろん、今後も島の地熱発電が活かされていくわけですから、色々なことに取り組める可能性があります。今後も電気自動車や電動バイクなど、さらに地熱発電を活かした取り組みに期待したいですね!

  ◆風力発電も!◆

  八丈島では地熱発電のほか、風力発電も行われています。どちらも同じ敷地内な
  のですが、複数の発電所が同じ敷地内に存在するのはかなり珍しいケースだそう
  です。これに、内燃力発電(ディーゼル)を合わせた3種類により、発電が行われ
  ています。

  地熱発電は24時間一定の出力ということもあり、変化する電力需要に対しては、
  内燃力発電にて対応しています。風力発電はこれらの電力をバックアップし、
  内燃力発電により発生するCO2を削減する役割が期待されています。

八丈島・中之郷地区

地熱発電所などはこの地区にあります!

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