南鳥島(みなみとりしま)「日本で唯一、太平洋プレート上にある島」【この島、日本で唯一】

tanoshimasan

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国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!

・・・と、前置きをしておきながら、我々の上陸できない島、いわゆる関係者以外立ち入り禁止の島というものがいくつかあります。例えば、本州から南東へ1,800kmの距離にある南鳥島(みなみとりしま)もそんな島のひとつ。ご存知日本最東端の島であります。東京都小笠原村に属しますが、その小笠原諸島からは1,000kmちかく離れたまさに最果ての島!しかし、南鳥島にはもうひとつ、日本最東端であるがゆえのスゴイ特徴があるのです。それは、

「日本で唯一、太平洋プレート上にある島」

ということ。・・・と言っても、いまいちピンとこないかもしれませんね。この、日本にとって重要な役割を担う、この南鳥島をご紹介します。

ココに注目!~日本で唯一たるポイント~

■1.関係者以外上陸不可

南鳥島は排他的経済水域内に他の島が属していない島でもあります。つまり半径約370kmの範囲には、ほかの島々は一切存在しません。地図などを眺めてみると、南鳥島がいかに遠く離れた島か分かるかと思います。定期航路なども無く、

実際、南鳥島では自衛隊員や気象庁の職員らが駐在するのみで、そういった機関の関係者以外は原則立ち入り不可となっているのです。

ただ、そう言われるほどに、その姿を見たくなったりするもの(僕がそうです)。島の話題をしていると、時々「南鳥島へ行きたい!」なんて語る人に出会ったりもします。しかし現状では、実際に自衛隊員や気象庁などの職員、はたまた権威ある研究者のごくわずかに、その狭き門が開かれるのみ。ムツカシイ・・・。

風の噂では、飛鳥、ぱしふぃっくびいなす、ふじ丸といった豪華客船のクルーズにて、ハワイへ行く最中に寄ったこともあるとか。もちろん、上陸ではなく、船から眺めるのみだったそうですが。

■2.他に替えがたい価値

よく、地震などが起きるとき、プレートの影響が云々と言われますが、そもそもプレートとはどういったものなのでしょうか。

地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと。

プレート - Wikipedia

プレート

プレート

ja.wikipedia.org

とあります。見てのとおり、地球上にはさまざまなプレートがあり、特に日本付近では合計4枚のプレートが集中しています。陸地や海は、このプレートの上に乗っているわけですね。そうした分類をしたとき、南鳥島は国内唯一の太平洋プレート上に位置する島になるようです。そのため、学術的価値が高く、地殻構造調査などの研究対象としても注目されています。

また近年では、島の周辺海域にて世界最高濃度のレアアースが発見されたことも記憶に新しいですね。南鳥島沖で大量のレアアース泥を発見したと発表した、東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授によると、「南鳥島はもともと白亜紀にタヒチの近海で生まれ、そのタヒチ近海より、レアアースの泥を溜めこみつつ、太平洋プレートに乗って現在の位置に移動してきた」とのことです。いかに南鳥島が、他の島々とは違う性質を持った島か、それがよく伝わるコメントではないでしょうか。

また、これについても、上述の排他的経済水域の範囲内であることが極めて重要になっています。

■3.明治時代に移住した人たち

今でこそ、立ち寄ることすらほぼ不可能に近い南鳥島ですが、明治時代には人が住んでいた記録があるようです。1864年にアメリカ船・モーニングスター号が来訪したのが、島において一番古い記録とされています。この当時は「マーカス島」という名前が名付けられたそうです。

アホウドリ。その後、乱獲が続いてしまい、1910年には羽毛貿易が禁止された。

アホウドリ。その後、乱獲が続いてしまい、1910年には羽毛貿易が禁止された。

ja.wikipedia.org

その後の明治時代、小笠原諸島に住んでいた水谷新六という交易商が、さらに南方のミクロネシアの島々と盛んに交易を行っていました。水谷はそんな交易のなか、マーカス島(南鳥島)にたどり着いたそうです。数多くのアホウドリが住みついていた島を見て、羽毛採集ビジネスを発案し、小笠原の母島より、労働者を連れて移住を開始しました。これは1896年(明治29年)のことでした。

こうして記録を記すと簡単なことに思えますが、母島は本州から南に約1,000kmという距離にあります。そしてマーカス島(南鳥島)はその母島から南東方面に約1,000kmという距離です。自給自足が容易ではない遠方の離島へ行くこと、その気合と勇気は相当なものだったのではないでしょうか。しかし、これがきっかけとなり、領有権が曖昧だったマーカス島は、「南鳥島」の名前で晴れて日本領として認められました。この歴史無くして、南鳥島の存在は語れないでしょう。

それが後々、日本において重要の役割を担う島となるわけですから、なんだか不思議に思えてしまいますね。

南鳥島

他の島々とは全く違う場所なのです。

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