国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!
タイトルのとおりですが、東京・伊豆大島(いずおおしま)には「日本で唯一の“砂漠”」、裏砂漠という場所があります。
意外!と、思うかもしれません。僕はそう思いました。なんとなくですけど、砂漠と呼べそうな場所なんて、いくつかあるような気がしませんか。例えば有名なところだと、鳥取砂丘とか・・・。しかし調べてみると、砂漠には「年間降雨量が250mm以下の地域、または降雨量よりも蒸発量の方が多い地域」などの定義があるそうで、厳密に分類した場合、日本でこれに該当する地域はないのだそうです。鳥取砂丘の場合、砂地が目立ちますが、そこそこの降雨量があり、砂漠には分類されないとのこと。
では、伊豆大島の裏砂漠とは何なのでしょうか。調べてみたいと思います。
ココに注目!~日本で唯一たるポイント~
■1.地名に「砂漠」と付くのは裏砂漠だけ!
伊豆大島は、東京から南へ120km、伊豆半島東側の沖合から約30kmの距離にある、外周49.8kmの比較的大きな島です。フェリー、高速船、飛行機、ヘリとアクセス手段も多いため、日帰りでも十分楽しめると思います。
さて、先ほども述べたように、伊豆大島には「日本で唯一の“砂漠”」があります。三原山の東側にあり、黒い砂がとても印象的です。東京都大島町のホームページにはこんなことが書いてありました。
【裏砂漠】三原山の裏の顔を見せる「裏砂漠」。国土地理院作製の地図において日本で唯一「砂漠」と表記されている場所。
とのことです。つまり、「地名として“砂漠”と呼ばれるのは伊豆大島の裏砂漠だけ」らしいのです。・・・なるほど!せっかくなので、国土地理院のホームページから地図を確認してみましたが、きちんと掲載されています!
ただ、誤解をしてはいけないのが、日本には定義上“砂漠”に分類される場所はないということ。あくまで、地名として“砂漠”と名の付いた唯一の場所ということになります。
(同じく伊豆諸島・神津島の天上山にも「表砂漠」「裏砂漠」と呼ばれる場所が
あったりします。が、国土地理院の地図においてはその名前が表記されていま
せんでした。つまり、国土地理院の地図に載っているか否かの違いみたいで
す。このあたりの微妙さも面白いですね!)
■2.火山島・伊豆大島 独特の景色ができるまで
この裏砂漠について、欠かせない要素となっているのが、伊豆大島が火山島であるということ。
結論から言うと、この裏砂漠を創りあげているのは、伊豆大島・三原山の度重なる噴火による火山灰と砂礫によるものだそうです。伊豆大島に限らず、伊豆諸島の島々はいずれも火山、もしくは火山由来の島だと言われています。
地質学者の話に寄れば、そもそも日本列島のような列島は、プレートの境界海域で形成されていくらしく、これを島弧(とうこ)呼ぶそうです。
そういう意味では、右の画像を見てもわかるとおり、4つのプレートの境界上にある日本列島は、それの典型例と言えそうです。その島弧の特徴として挙げられるのは、島弧には火山が伴うということ。伊豆大島の噴火の歴史を築き上げてきたのは、この島弧が大きく関係しているそうです。
歴史的に見ても、伊豆大島は数十年に一度の周期で、大小さまざまな規模の噴火を繰り返しています。1986~1987年にかけての大噴火も記憶に新しいのではないでしょうか。島内でも、三原山付近の割れ目や、外周道路の南側から見える地層切断面においてその噴火の歴史を感じることが出来るはずです。
話が逸れましたが、裏砂漠も、プレート境界海域に位置し、噴火を繰り返した伊豆大島だからこそ誕生したと言えるでしょう。
■3.砂漠と山と海と空
裏砂漠の面白いところは、周辺には全くと言っていいほど木々が無く、さらさらっとした黒砂が延々広がっている点です。それでいて、そこそこの高さから海が一望できるわけですから、ちょっと他では見られないような景色が見れてしまいます。
観光協会のホームページには「映画・ドラマ・プロモ・CM等で数多くのロケが行なわれている場所でもあります」と書かれてありましたが、それも納得です。こんな絵になる風景もまた、日本で唯一の存在として慕われる所以だと思えてしまいます。
伊豆大島「裏砂漠」
この付近は砂の色からして黒さが違います!
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