島々の高齢化

tanoshimasan

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島々では特に高齢化が進んでいる?

 日本は高齢化社会と言われますが、「島々では特に高齢化が進んでいる」なんてよく聞きます。とは言え、なんとなくそう言われてもピンと来ないかもしれませんね!そこで、具体的にどれほどなのか調べてみました。

キーワード

 その前に、まずはキーワードについて触れておきます。

高齢化率(老齢化率)

高齢化問題を考えるとき、まず、よく登場するのはこの単語。ざっくりとした意味としては、65歳以上の高齢者の総人口に対する割合のことを指します。また、就労することない0~14歳を年少、15~64歳までの働くことができる人々を生産年齢と呼び、それぞれ目にすることがあると思います。

日本の高齢化

高齢化が進んだ背景には近年の出生率、いわゆる子供が生まれる割合の低下が指摘されています。特に、経済的に裕福な家庭でもない限り、子供を養うことはお金がかかること。たくさん子供を産むことはリスクだと考える傾向があるようです。加えて医療の進歩による死亡率の低下が高齢化に拍車をかけていると考えられています。

日本の高齢化率

日本の高齢化率は年々上昇し、2010年には23.0%となりました。まもなく4人に1人が65歳以上といったところです。50年前の1960年は5.7%だったため、高齢者の割合がかなり高くなっていることが伺えます。

離島統計年報

離島に関してあらゆる情報をまとめた統計データ。離島振興法等に基づく指定離島のうち、主に住民基本台帳で住民登録がなされている島々(2010年度版であれば311島)を掲載しています。今回はこちらを参照しました。

 データを見てみる
potaru.com

(参考資料)2010年度版離島統計年報(国土交通省)ではデータを見ていきましょう。

ほとんどの島が平均越え

日本の高齢化率は23.0%です。ですが、島々の高齢化率を見ると、ほとんどの島々がこの23.0%上回っています。離島統計年報に掲載された311島のうち、294島が国内の高齢化率を上回っていました。「島々では特に高齢化が進んでいる」と言われますが、ここまでとは驚きました。考えられる要因としては、島々には高校以上の教育機関がほとんどないこと。本土の学校へ進学し、そのまま本土で就職してしまう現状が如実に反映されています。

中には高齢化率100%の島も

もうひとつ、驚いたのは高齢化率100%の島、つまり65歳以上の島民しかいない島もありました。小佐木島(広島)、黒島(山口)、大島(宮崎)など、計5島がそうです。どの島も本土から近いため、緊急を要する時はなんとかなりそうな気もします。

高齢化率の高い島のほとんどが人口100人未満

高齢化率が70%を越す島々は32島ありました。離島統計年報に掲載されている島々のおよそ10.3%にあたります。数字ばかりでややこしいですが、10人に7人以上、65歳以上のお年寄りで構成される島ということになります。

そしてその32島のうち、26島が人口100人未満です。つまり64歳以下の“若い人”は数えるほどしかいません。まして子供を産める男女となると難しいでしょう。これらの島々は、そのまま放っておけば、近い将来無人島になってしまうことを意味しています。

人口の多い島

人口が1000人を越える島は48島ありました。逆に言えばそれ以外の263島は人口1000人を割ることになります。1000人と言えばどれくらいの規模をイメージしますか。

◆◆◆

 各島々の課題となっている高齢化と過疎化。人口の少なさや、高齢化率の高さから、島が存続していくことの難しさがうかがえると思います。

 現在、島々では定住促進のために様々な手を尽くしていますが、何もしなくとも高齢化、過疎化は進んでいきます。この数字は2010年度版ですが、時間が流れる限り、今もなお変動し続けています。データを見ることで、定住促進の取り組みがどれほど急務か、改めて実感できますね。

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