「離島観光の際、午後はカフェに注目すべきである。」
これは僕の経験から、半ば格言の如く刻まれている考え方だ。全ての島で同じことが言えるわけではないが、島を訪れたなら、島で営業しているカフェに期待してもいい。勝手なイメージだが、若い夫婦がのんびりと切り盛りしていて、すごくお洒落。そういったお店にどうもよく出会うのだ。
人口215人の静岡・初島でも、それは例外ではなかった。僕は島内にある「Cafe あずまや1号」にお邪魔した。
「おばあちゃんの家」に似た(?)独特の居心地良さ
初島の集落は民家が密集している。そんな密集した民家の路地を歩くと目に入ってくるのが、ダイヤル式の洗濯機やサッカーボール、もう使ってないと思われる子供用の乗りもの、などなど。どこか生活感を感じてしまい、どこか懐かしい気分になる。そんな路地の中にあって、少し変わった見た目のお店が「Cafe あずまや1号」だ。
扉の前には「アイスクリーム」 と書かれている旗が。しかし、外見からは商売など想像できないような、普通の民家という見た目である。近づくとなおさら誰かの家という感じだ。本当にここでアイスクリームが食べられるのだろうか?おそるおそる戸をあけてみた。入ってみると、そこにはまた違った懐かしい感じが漂っていた。
お店の中は、古民家を改装したかのようなつくりになっていた。最初は「えっ、ここで食べていいの?」という感じで戸惑ってしまった。なにせ、誰かの家にお邪魔したかのような、妙な感覚。それなのに、座布団に腰かけるとつい寝転がりたくなるような、独特の居心地良さを感じたのだ。お店のように 自分の家ではないが、くつろぎたくなるという意味では、僕にとって「おばあちゃんの家」という気分かも知れない。(ただ、店の奥さんは若くて美人だったので、「おばあちゃんの家」も少し違うような気がする)
僕はメニューを眺めながら「手づくり」という言葉に惹かれてアイスクリームを注文した。
いやしかし、なんとも良い雰囲気だ。やわらかい風鈴の音もたまらない。初夏を感じさせた。典型的な田舎のおばあちゃん家はこんな感じかも知れない。
(僕の田舎のおばあちゃん家はそうでもないが。)
木目調の家具とは裏腹に、大画面のテレビからはどこの国かわからない映画も流れていた。正直、筆者はこういう方向に詳しくはない。詳しくはないが、「なんだかオシャレだ!」と360度からそんな気分にさせられる。店内には販売用の手づくりの小物やポストカードも並べられていた。恐らく特に若い世代にはウケる内装だと思う。
出てきたアイスがまた可愛らしかった。濃厚というよりはどちらかというとさっぱりしていてすごく食べやすい。市販のとは違う味だということがわかる。本当に穏やかな時間だ。奥さんはどこかで違う作業をしているので、店内には筆者ひとりしかいない。500円のアイスでこの贅沢!
伺ったところによると、初島では、ここ20年ほど島内で新築は建っていないそうだ。どちらかというと味のある、懐かしい雰囲気の住宅が多く、このカフェも外観だけではカフェのイメージがわかなかった。だからこそ、どんなお店かと期待してしまったのだ。
初島生まれの奥さんは、結婚を機に島へ戻り、カフェをオープンしたという。旦那さんは忙しそうにお店を出たり入ったりしていた。「若い夫婦でのんびり切り盛り」という僕の勝手なイメージとは違い、お2人とも忙しそうだった。内装のこだわりについてはぜひ聞いてみたいところだったが。
それにしても、島にはなぜかオシャレなカフェが多い。島の空気にあった随所にこだわりの散りばめられたカフェ。どうも僕はそんなカフェを探すのが好きなのだ。そんなカフェを見つけてしまったら最後。1時間でも2時間でものんびりしてしまう。
カフェ あずまや1号
住所:静岡県熱海市初島179、電話番号:0557-67-1450、営業時間:13:00~17:00、休み:不定休
まだまだ「島記事」あります。
最終更新:
nezumisenpai
熱海にこんな感じのおしゃれな(暗くてメニュー読みづらい;;)レトロな(骨董品?か?)カフェがありました。熱海市のトレンドなんでしょうか?
あずまやさんのサイトをみたら『日替わり麦茶』が限定メニューでありましたが日替わり麦茶って???麦茶の日替わりとは?!・・・初島行ってその真実に触れたいと思います・・・
ockn1006
日替わり麦茶・・・!気にしていませんでした!そんなのがあったとは・・・。
しかしあずまやさんの雰囲気は良かったですよ。ぜひ確かめに行ってください^^