被災地の瓦礫のまわりに芽生えはじめたもの (あるいは世界一長い詩)
海外からのトモダチ作戦の続報です。被災地で子供たちの学習環境や遊びの環境についての調査に参加している友人から、リポートが入りました。
町の様子はそんなに変わっていないよ。
お店がオープンするとか、ちょっとずつ動きが出始めているのは感じるけど、 相変わらず町のあちこちに瓦礫の山がある。
だいぶ片付けられたとはいっても、町のいたるところに傷跡がある。
でも、少し変わったと感じたことがあったんだ。 それは子供たちが町で遊んでいたこと。
町に残された瓦礫や、被災の廃墟に、遊ぶ子供たちの姿があったこと。
「“pieces of hope” だね」と言って、同行したイギリス人の研究者と写真を撮りまくったよ。 大変な状況とか、辛いこととか、山ほどあるけど、
いまは小さな “pieces of hope” を見つめることも大切なんじゃないかな。
2012年4月、東北からの報告
“pieces of hope” 。いい言葉です。
壊れた家の周りや、瓦礫ともゴミともつかないものが残された町の片隅で、遊んだり、走り回ったりしている子供たちの頬や瞳から、たくさんの「希望のかけら」がキラキラ光りながらこぼれ出てくる光景が目に浮びました。
あんまりいい言葉だから、ネットで検索してみたら、世界一長い詩として、
「Pieces of Hope to the Echo of the World」
というのが出てきました。2006年にフランスのパトリック・ユエという人が書いた詩のタイトルなのだそうです。
災地の子供たちが廃墟となった町の空間に描く “pieces of hope” 。たくさんの詩や物語が、瓦礫のまわりで芽生えはじめています。
パトリックさんには申し訳ないけど、被災地でつむがれる詩は、きっと世界一長い詩の記録を更新すると思います。世界一長くて、世界一ステキな物語が、東北の被災地でたくさん成長していくのです。
がんばれ!って言うのは簡単だけど、小さな “pieces of hope” を、たいせつな宝物を探すような気持ちで見つめていけたらいいですね。
小さな子供たちの希望を、トモダチとして応援していきましょ!
文●井上良太
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