「座布団に座りながら寛げるテーブルがあったらいいんだけど…」
こんなことを家族が言い始めてから数日後。インターネットで調べた結果、自分で作ろうと思い立ちました。
これまで棚などの家具作りに挑戦したことはありましたが、テーブルは今回が初めて。自分のスキル的にも1辺50センチぐらいの正方形のテーブルがいいかなとイメージしていたものの、その後の追加要望によってまた計画をし直すハメになってしまいました。
要望は、
・角がない
・畳の部屋に合う
・3~4人ぐらいで囲んでも問題ない大きさ
・できれば折りたたみ
簡単にいうとちゃぶ台です。棚しか使ったことがないぐらいの経験で本当にできるのか心配でしたが、強気に出て円形のちゃぶ台(直径90センチぐらい)を提案。
了承をもらったものの、内心は不安だらけです。インターネットでブログやら動画やらで作り方について情報収集した結果、天板は複数の板をつなぎ合わせたもの。脚はビスで取り付けるだけのステンレス製にしようと考えました。
いざ、ホームセンターへ
まずは木材選びです。自分の場合、この選ぶ作業がとにかく長いのです。
あーでもないこーでもないとぶつくさ言いながら何回も売り場を往復し、木材を選びます。
かれこれ1時間。ようやく購入したのが、厚さ3センチの杉板です。幅は18センチでもともとカットされているものなので、長さを90センチずつにあわせて板を切っていけば、その5枚を組み合わせて90センチの正方形になります。
購入後は工具を借りて作業できるホームセンターの工作室に移動。さっそく作業を開始します。
板同士をつなぐ方法はインターネットで情報収集をした結果、ダボ継ぎを考えました。一枚の板につき、5つの穴を開けてダボ+木工用ボンドで接合する計画です。
つなぐ板同士それぞれに穴を開けて、ダボを差し込んでいきます。穴を開けるまではよかったのですが、そこからが難しかった…。
このダボ継ぎはそれぞれの板に開けた穴の位置が少しでもズレてしまうと埋め込むときに苦労します。実際、いくつか穴がズレてしまいました。(ダボマーカーという位置ずれをなくすための道具を使ったのですが、それでもズレました)
結局、もう後戻りはできないと思いパワープレーでなんとか接合。ただ、天板に段差や隙間ができてしまうというテーブルにとっては致命的な問題を抱えたままの仕上がりになってしまいました。
救世主 あらわる
こちらのホームセンターにはDIYアドバイザーという肩書で購入した木材をカットしたり、工具管理や作業する人のサポートをしてくれる方が何名かいます。(尊敬の念を込めて、自分は彼らのことを心の声で匠と呼んでいます)
ガタガタな90センチの正方形板を円形にしたいと申し出たところ、安全面や作業の正確さも考慮してなのか「電動の糸のこ盤で切ったほうが良い」とのことでした。
糸のこ盤はどちらかという細かい切り方をする際に適していて、大きな木材では本来ジグソーという工具のほうが使われます。(事前にした情報収集でもジグソーが良いと書かれていました)
言われた通りに大きな正方形を糸のこ盤に置こうとするのですが、サイズが大きすぎて刃を合わせるだけでも一苦労。外側の板を抑えないと安定しません。
すると、
「こっちの方を持っておくよ」
購入した木材を加工しに来ていた方(男性)が、自分の作業を見かねてサポートをしてくれました。外側の板を持ってもらったので、板が傾かないようになりました。
男性「すごいね~。こんなに大きいの切るの?」
自分「はい。大体90センチぐらいあります」
男性「頑張ってね」
自分「ありがとうございます!」
こんなやり取りをしながら、ゆっくり切って止めて一休みを何度か繰り返し、2人3脚でなんとか切り終えました。
無事、円形にすることができましたが、隙間&段差問題は解決していません…。
悩んでいたところ、アドバイザーの方(匠)が声をかけてくれました。
まず、板の用途(テーブルに使う)ことや脚の設置プランなどを説明しました。
匠「かんなで削るか、一回ばらしてみるかだね。脚はもう少し安定させたほうが良い。」
相談した結果、下記のような流れにしました。
1. 天板用に組んだ5枚の板はばらす
↓
2. 隙間&段差が無くなるように整えて、ボンドのみで接合
↓
3. 天板の裏側に木で作った「口」をビスでとめて強度を高める
↓
4. 「口」の内側に脚を設置する
↓
5. 仕上げに天板のかんな掛けをする
時間の都合で折りたたみの脚という希望は叶いませんでしたが、まあ仕方ない。頭の中で劇的ビフォーアフターのBGMを流しながら、匠に言われたとおり作業を進めていきます。
工程毎に作業の注意点を教えてくれたので、助かりました。(忙しい中、作業の合間に見てくれてありがとうございました)
多少、自分の不器用さが原因で美しさを欠く仕上がりになってしまいましたが…まあ許容範囲です(笑)
いよいよ形になると、購入した木材を加工しに来ていたまた別の方(男性)が話しかけてくれました。天板で使っている木の節に開いている穴があったので、
「どうしたら良いですかね?」と聞くと、
「パテで埋めたらどうかな」とアドバイスをくれました。
必要なのは・・・
失敗の連続でしたが、なんとか家族の要望にほぼ沿った(折りたたみ…)テーブルを完成させることができました。
が、事前知識や経験が少ない状態でさっとインターネットで調べた情報だけで作れるほど甘くはないと痛感しました。(情報収集力も課題です)
ただ、今回の収穫は熟練者から直接聞いたり、その場で生まれたコミュニケーションの楽しさを実感できたこと。作業を進めていく中でいろいろな方たちが話しかけてくれて、作り方を教えてくれました。
インターネットでなんでも探せる時代に少し遠回りな気もしますが、もしかしたらスマホで調べるよりも材料費だけ持ってホームセンターに行ってしまったほうが完成まで早いのかもしれません。
そのために、話しかけたくなるオーラだったり、熟練者からより良い方法や知識を引き出すコミュニケーション力(自分は低いと感じている)が上達スピードを上げるカギなのかもと今更ながら思った休日だったのでした。
次に作る家具を計画中…(いつ作るかは決めていない)
次回もこのスタンスでいろいろ教えてもらいたいと思います!
最終更新:
baikinman
素敵なテーブルです!!
周りの匠が協力したくなってしまうのは、orangeoor18さんの人柄ですね!!
akaheru
DIYを通じてコミュニケーションだなんて、これでもかってくらい健全な響きがしていいですね!
足繁くホームセンターの工作室に通うのもありですね。話し相手を探しているおじいちゃんなんかもいるかもしれません。
数年通い続けたら、他の人から巨匠なんて呼ばれることになるかも!?
pamapama
娘のひな壇もホームセンターの「匠」にお願いしたら大満足の仕上がりでした。わたしはものづくりの後半になると必ず手を抜いていつも技術家庭の先生に怒られていたので、ものづくりには一切手を出しません(^_^;)。ひとつのものを最後まで造り上げるだけですごいと思いますよ!
cha_chan
ご家族のためのDIY、とても素敵です!天然の角のないテーブルは小さなお子様にも安全ですね。
記事を読んでいて、DIYの難しさと反対に楽しさも伝わってきました。
自分はインターネットで調べる前に、すぐに人に聞いてしまうタイプです・・・(いいのか悪いのか・・・)。
我が家では子供部屋に稼働棚が欲しいという要望があります。工務店にお願いすると10万円、DIYなら数千円。「やるしかないでしょ!」ということで、自分もDIYに挑戦するつもりです!その時は、ホームセンターの匠達にアドバイスをもらうことと、劇的ビフォーアフターの曲を脳内でエンドレス再生することを忘れないようにしますね(笑)
それから、インパクトドライバーがズレないようにするには、事前にドリルドライバーで穴を開けておくとズレないらしいですよ(大工の義父が教えてくれました)。