【GW島旅レポート】秘島、青ヶ島を散策♪ Vol.4

sKenji

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青ヶ島の外輪山内側、火口部分を散策している際に撮影
青ヶ島の外輪山内側、火口部分を散策している際に撮影

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青ヶ島の地図

 青ヶ島観光パンフレット(※青ヶ島の観光マップあり。出典:青ヶ島村役場WEBサイト)
www.vill.aogashima.tokyo.jp  

自然エネルギーを利用したエコな地熱釜

青ヶ島上陸2日目。朝起きると前日買った卵とレトルトのごはん等を持ってキャンプ場近くの「地熱釜」へ行く。

地熱釜。釜は4つある。中には金属製のカゴが入っており、蓋をして使用する

地熱釜。釜は4つある。中には金属製のカゴが入っており、蓋をして使用する

地熱釜とはその名の通り、地中の熱を利用した釜である。

青ヶ島は島全体が二重式火山となっており、外輪山とその内側に丸山と呼ばれる1785年の噴火でできた内輪山がある。この丸山を中心に島のあちらこちらに「ひんぎゃ」と呼ばれる熱い水蒸気を噴出する穴があり、地熱釜はその熱を利用している。

中にジャガイモなどの野菜や卵を入れておけば、熱が通って美味しく食べることができるとてもエコで便利なありがたい釜で、24時間無料で自由に使うことができる。

釜の中。中央にピンポン玉くらいの大きさの穴があり、そこから熱気が噴出している
釜の中。中央にピンポン玉くらいの大きさの穴があり、そこから熱気が噴出している
釜の中にはカゴがあり、このなかに野菜などを入れて蓋をして使用する
釜の中にはカゴがあり、このなかに野菜などを入れて蓋をして使用する

私も持って来た卵やレトルトのごはんなどを地熱釜に入れてみる。そして、待つことおよそ15、16分。

釜の蓋をあけてみると・・・

美味しい温泉卵が出来た。

レトルトの方はというと、こちらも十分に熱が通っておりお湯や電子レンジで温めるのと全く変わらない。

自然のパワーに感謝と感動☆

ちなみに卵を買ったお店の方の話によると、地熱釜で温泉卵を作る場合は12~15分ほど入れておけばよいそうである。

朝食は卵とレトルトご飯の他にジャガイモもあった。これは青ヶ島へ来る船で知り合った男性からおすそわけしてもらったものである。

男性は島外の人であるが、島に1カ月ほど滞在して農作業などの手伝いをするらしく、畑で掘ったばかりのジャガイモを地熱釜で蒸して持ってきてくれたのだ。新鮮なイモはほくほくとしており美味しい。

「ひんぎゃ」から噴出する水蒸気。写真は地熱釜がある池之沢にて撮影
「ひんぎゃ」から噴出する水蒸気。写真は地熱釜がある池之沢にて撮影

青ヶ島のパワースポット、大杉を求めて

地熱釜の近くにあるあづまやでトシ君と一緒に朝食を食べていると、ノムさんがやってきた。ノムさんは八丈島から青ヶ島に来る途中の船で知り合った男性で、歳は恐らく40代くらい。役場などがある集落の民宿に泊まっているのだが、野菜と魚を地熱釜で蒸すためにレンタカーでやってきたという。

その日、青ヶ島で見て周ろうとしていた場所がノムさんと同じだったために一緒に行動することになった。

朝食を食べると3人でまず最初に行ったのが丸山。内輪山の上を一周する散策路を歩く。

島の中央部にある内輪山「丸山」
島の中央部にある内輪山「丸山」
丸山一周散策路にて撮影
丸山一周散策路にて撮影

次にオオタニワタリの群生地へ。オオタニワタリは南方系のシダの一種で青ヶ島ではよく見かける植物である。岩や樹木に着生している光景には神聖さを感じる。

オオタニワタリ。3月から5月に芽吹くという
オオタニワタリ。3月から5月に芽吹くという
群生するオオタニワタリ
群生するオオタニワタリ

そして、オオタニワタリの群生を見た後、樹齢200年以上、島のパワースポットと言われている大杉を探すことにした。

ただ、この大杉、島の観光パンフレットにその存在は記載されているものの、詳細な位置までは書かれていなかった。

聞いた話によると大変わかりづらい場所にあるとのことである。私たちが青ヶ島に上陸したちょうどその日、一人の旅行者が大杉を探しに森に入ったのだが、道に迷って捜索願いが出され、山狩りが行われたそうである。

そのため、心なしか島の人に場所を聞いても口が重いように感じられた。

ひとりの旅行者が以前に行ったことがあるというので、彼に大杉へ通じる道の入口を聞くとその場所へ行ってみた。

しかし、行ったはいいが聞いていた入り口がわからなかった。

とりあえず、人が通ったような踏み跡がわずかに残っていたのでそこから森へ入ってみる。大杉までの道にはリボンやテープで印があるというのでそれを探したのだが、これが容易ではなかった。

リボンはピンク色をした半分朽ちたようなもので、なかなか見つけることができなかった。道がわからなくなると3人で三方に散ってリボンを探し、誰かが発見すると叫んで知らせる。そんなことを繰り返して森の中を進んだ。時にはひとつの印を見つけ出すまでに15分近くかかってしまうこともあった。

当然途中で、こんなわかりづらい道が本当に正しいものなのだろうかと考えたこともあった。しかし、誰もが口をそろえるようにわかりづらい場所にあると話していたことに加え、遭難者もでているのでこういう道なのだろうと思い、探し続けていた。

3人で手分けしてリボンを探す。写真に写っているのはノモさん
3人で手分けしてリボンを探す。写真に写っているのはノモさん

時には蜘蛛の巣が張られた胸ほどの高さの薮をかき分け、また時には大きな岩の間をよじ上って大杉を探すもいっこうに見つけることはできなかった。

1時間以上森の中を彷徨った昼の12時過ぎ、ついに大杉探しを断念することにした。

大杉を求めて森の中を彷徨う
大杉を求めて森の中を彷徨う
迷っている途中にあったオオタニワタリの群生
迷っている途中にあったオオタニワタリの群生

尾山展望台と集落の散策

大杉探しをあきらめると来た道を引き返す。そして、停めていたレンタカーにたどり着くと三宝港へ寄ってから尾山展望台へ向かうことにした。

青ヶ島には外輪山を見渡すことのできる見晴らしのいい展望台が2つあって、1つは前の日に行った大凸部展望台で、もうひとつがこの尾山展望台であった。

港に行ってみると、埼玉ガールズが埠頭の上を歩いていたので声をかけてみる。すると彼女らも一緒に尾山展望台に行くという。2回に分けて展望台へ移動し、島を一望できる贅沢なロケーションでお弁当を食べる。

尾山展望台付近からの眺め。外輪山、火口、海。全てを一望できる絶好のロケーション。青ヶ島に来て、ここを訪れない人はいないと言っていいほどの場所である
尾山展望台付近からの眺め。外輪山、火口、海。全てを一望できる絶好のロケーション。青ヶ島に来て、ここを訪れない人はいないと言っていいほどの場所である
尾山展望台。展望台からは外輪山や火口のほか、海も見渡すことができる
尾山展望台。展望台からは外輪山や火口のほか、海も見渡すことができる

昼を食べる終わると、各自別々で行動することに。

彼らと別れると、前の日に行った大凸部の展望台へもう一度行き、そして、役場などがある集落や神子の浦展望台など散策してキャンプ場へ戻った。

島の北側にある神子の浦展望台。この下に神子の浦がある
島の北側にある神子の浦展望台。この下に神子の浦がある
神子の浦。三宝港ができる前はこの浜が港になっていたという。浜への道は途中、崩落しているために降りることはできない
神子の浦。三宝港ができる前はこの浜が港になっていたという。浜への道は途中、崩落しているために降りることはできない
集落上部の斜面には、とても目立つ巨大な緑色のシートが張られている。このシートに降った雨水を集めて、上水道の水として利用するそうである
集落上部の斜面には、とても目立つ巨大な緑色のシートが張られている。このシートに降った雨水を集めて、上水道の水として利用するそうである

一日の終わりは「青ヶ島ふれあいサウナ」で♪

キャンプ場に戻ると一日の疲れを取りに、歩いて2、3分の所にある「青ヶ島ふれあいサウナ」へ行くことにした。

青ヶ島ふれあいサウナは、地熱釜と同様に地中の熱を利用しているサウナで、蒸し風呂の他にシャワーや小さな浴槽もあって快適である。しかも入浴料は銭湯よりも安い300円というから驚きである。

地熱釜といい、サウナといい、時には人の命も奪う自然の力も使い方しだいによっては役に立つことを身を持って痛感する。

<【GW島旅レポート】青ヶ島の最終日に・・・ Vol.5 へ続く>

 【GW島旅レポート】青ヶ島の最終日に・・・ Vol.5
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青ヶ島ふれあいサウナ。火山活動がもたらす恵みを実感できる施設のひとつ
青ヶ島ふれあいサウナ。火山活動がもたらす恵みを実感できる施設のひとつ

青ヶ島・地熱釜&青ヶ島ふれあいサウナ

※登場人物は仮名です。

参考WEBサイト

 青ヶ島村ホームページ
www.vill.aogashima.tokyo.jp  

Text & Photo:sKenji

最終更新:

コメント(2

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  • 5

    51mister

    Oh!人間も地熱窯でホクホクになれるのですね!

    • S

      sKenji

      同じキャンプ所の旅行者が蒸したさつまいもをくれたのですが、地熱パワーにせいか、艶やかなべっこう色の甘いさつまいもに、食べた全員の顔もホクホクしていました♪