被災直後は、雨風しのげる屋根のある避難所へ入りたい
避難所では、仮設住宅に早く入りたい
仮設では、小さくても自分の家に住みたい
新居では…
「やっぱり元の家に戻りたい」
ボロでもいい
狭くてもいい
震災前の、家族の思い出が沢山詰まった
あの家に帰りたい
3月11日の朝に「いってきまーす」って出て行ったまま
帰って「ただいま~」を言えていない
津波が「ただいま」を言う家を持って行っちゃった
引き出しにしまっていた大切な宝物も
全部すべて持って行っちゃったの
庭に咲く花や木、土さえも
愛おしくて、傍に置いておきたくて
ピンクの花を付けるツバキの枝を大切に切って挿し木にしてみたけど
見知らぬ土地に根付かずに枯れちゃったよ
まだまだ、沢山の人たちが仮設住宅で不便な暮らしを強いられている
復興住宅、また工事の入札が不調に終わったって?
宅地造成、硬い岩盤に当たってしまって更に工期が延びるの?
安いなって思った土地は、津波が被害が深刻な場所だった
みんなゴールが見えないまま走り続けてる
不安に押しつぶされそうになりながら必死に戦っている
どこがゴール?
どこが終着駅?
ごめん、やっぱりわがままかな?
新しい家に入れても
元の家に戻りたいと願う自分がいる
ごめん、やっぱりわがままだよね
あの日の朝に戻りたい
那須野公美
最終更新:
saburouta
わがままでもなんでもないと思います。
そう思っていいと思います。
思い出の場所、大切な宝物は形としてはなくなってしまいましたが、心の中にずっと残り続けてくれると思います。
onagawa986
saburoutaさん
ありがとうございます。
まだ家を建てたくても土地が無くて、苛立つ人が沢山いるのに。
新しい家に住みながらも、そう思ってる自分がなんだか悪い気がして。
これから家を建てる人たちも、新居へ入った途端、同じ気持ちになっちゃうのかもってヘンな心配してしまいます。
あんな小さなボロ家が実はけっこう居心地が良かったんだ、失ってから気付いたんですけどね。
閉じてた目をパっと開けたらしみだらけの天井…とか(笑)
心の中にはしっかり焼き付いて離れないものです。