都心にある、日本一の巨大城郭 ~江戸城跡(東御苑)~

sKenji

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旧江戸城跡にある二の丸庭園
旧江戸城跡にある二の丸庭園

日本の歴史上、最も巨大な城である江戸城。天守閣こそ現存していませんが、残された石垣などから、徳川幕府の権勢が伝わってきます。

今年春。初めて、桜咲く皇居・乾通りが一般公開されました。好奇心が刺激され、公開3日目の4月6日、旧江戸城跡でもある、皇居・乾通りへ行ってきました。

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皇居・乾通りの一般公開は一方通行となっており、坂下門から入場し、乾門、もしくは西桔橋(にしはねばし)から退場することになっています。
乾通りの桜を楽しんだ後、わたしは西桔橋からでて、東御苑を散策してきました。

東御苑略図(出典元:宮内庁WEBサイト)

東御苑略図(出典元:宮内庁WEBサイト)

東御苑は、今でこそ、皇居の東隅に位置していますが、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸といった、徳川幕府の中枢があった場所です。

苑内には、本丸跡のものを始め、スケールの大きな石垣が残り、当時の縄張りをうかがうことができ、想像力がかき立てられます。

御苑は、城跡としての見ごたえもありますが、その他にも、都心とは思えないほど、緑豊かで、安らぎを感じることができる二の丸庭園もあります。

今日は、そんな魅力あふれる、東御苑をご紹介します。

都心のワンダーランド、東御苑

西桔橋は、乾濠と蓮池濠に架かっており、乾通りと本丸跡をつないでいます。
桔橋とは、有事の際に跳ね上げることにより、人が渡れなくなる仕組みを持った橋のことです。
作られた当時、大奥と天守閣につながる要所であったことから、跳ね上げ機構を備えていたそうですが、現在架かっているものは、通常の橋です。
この場所から見る、濠と石垣は壮観です。

西桔橋手前から蓮池濠を撮影。見事なお濠と石垣です。石垣の上にある建物は、富士見多聞です。
西桔橋手前から蓮池濠を撮影。見事なお濠と石垣です。石垣の上にある建物は、富士見多聞です。
西桔橋を渡った場所にある本丸の石垣です。立派な大木が歴史を感じさせます。
西桔橋を渡った場所にある本丸の石垣です。立派な大木が歴史を感じさせます。

橋を渡った先にある坂を登りきると、江戸城天守閣跡(天守台)が目に飛び込んできます。なんと言っても江戸城の天守閣があった場所です。見た時の喜びは大きいものがあります。残念ながら、天守閣は、明暦3年(1657年)1月の明暦の大火で焼失してしまい、現存していませんが、当時は5層の天守閣だったそうです。

江戸城天守閣跡(天守台)です!南西方面から撮影。
江戸城天守閣跡(天守台)です!南西方面から撮影。
天守台は、東西41m、南北45m、高さ11m。
天守台は、東西41m、南北45m、高さ11m。
天守閣跡には、見事な桜が1本花を咲かせていました。
天守閣跡には、見事な桜が1本花を咲かせていました。

天守閣は、家康、秀忠、家光の代替わりごとに築き直されてきましたが、3代家光の時に起こった、明暦の大火以降は再建されていません。

五層の天守閣は、20階建ビルに相当する約60mの高さがあったとも言われています。天守台がある場所の標高は、約30m。天守閣最上階から見る、江戸の街並みは、いったいどのような光景だったのだろうか。そんなことを考えてしまいます。

天守台から見る本丸跡全景です。天守台前から広場の半分位までが、大奥でした。背後にある高層ビル群が東御苑とは対照的です。
天守台から見る本丸跡全景です。天守台前から広場の半分位までが、大奥でした。背後にある高層ビル群が東御苑とは対照的です。
天守台の上はこんな感じです。
天守台の上はこんな感じです。

天守台に登った後は、本丸跡を見て回りました。

本丸跡では、乾通り抜けの際に見た富士見多聞、富士見櫓などを、より近くで見ることができるほか、北桔橋門などの建築物があります。

富士見多聞の近くには、「松の廊下」があったことを示す看板があります。松の廊下は、赤穂浪士討ち入りのきっかけとなった、吉良上野介への刃傷沙汰事件が起こった場所です。

天守閣跡の北東方面の石垣です。北桔橋門に行く途中に撮影。
天守閣跡の北東方面の石垣です。北桔橋門に行く途中に撮影。
北桔橋門です。北桔橋も当時は、跳ね上げ式の橋でした。
北桔橋門です。北桔橋も当時は、跳ね上げ式の橋でした。
富士見櫓。天守閣焼失後は、この櫓が天守閣代わりになったと言われています。櫓とはいえ、小さなお城の天守閣のようです。当時、櫓からは、東京湾や富士山を見ることができたそうです。
富士見櫓。天守閣焼失後は、この櫓が天守閣代わりになったと言われています。櫓とはいえ、小さなお城の天守閣のようです。当時、櫓からは、東京湾や富士山を見ることができたそうです。

本丸跡の南側にある、中雀門(ちゅうじゃくもん)跡から二の丸跡へ降りていくと、大番所、百人番所、同心番所などの建物が残っています。番所とは警備や検問を行っていた幕府の役人が詰めていたところです。本丸に登城する大名やその家臣などは、この番所でチェックを受けて、登城したそうです。

大番所。本丸への最後の警備所。
大番所。本丸への最後の警備所。
白鳥壕と本丸の石垣です。
白鳥壕と本丸の石垣です。
汐見坂から撮影した白鳥壕です。汐見坂は、本丸と二の丸をつないでいます。今では想像もつきませんが、昔はこの坂から海が見えたそうです。
汐見坂から撮影した白鳥壕です。汐見坂は、本丸と二の丸をつないでいます。今では想像もつきませんが、昔はこの坂から海が見えたそうです。

二の丸跡には、都心にいることを忘れてしまうほど、緑豊かな日本庭園があります。回遊式の庭園で、小さな滝もあります。

江戸時代、二の丸などには将軍の別邸やお世継ぎ御殿がありました。御殿には、徳川家光の命令で小堀遠州が作ったという庭園がありましたが、慶応3年(1867年)に御殿が焼失した後は、荒廃していました。その庭園を、昭和43年の東御苑公開にあたり、復元したものが、現在の「二の丸庭園」です。

二の丸庭園を散策した後、大手門から退城しました。

これまで、何度も皇居付近を通っていましたが、東御苑の中に入ったことはありませんでした。高層ビルが建ち並ぶ、東京のど真ん中に、このような場所があることに、驚きました。東御苑は、歴史と緑にあふれる都心のオアシスです。

御苑を訪れた後、友人に「東御苑、良かった?」って聞かれました。

「いいどころなんてもんじゃない!いいを通り越して、すごい場所だよ!!」思わずそう答えました。

江戸城の表玄関、大手門
江戸城の表玄関、大手門
大手門からの桔梗濠(ききょうぼり)を撮影。
大手門からの桔梗濠(ききょうぼり)を撮影。
大手門から大手濠を撮影。コブハクチョウが巣を作っています。最初に昭和28年に放鳥され、住みついているようです。
大手門から大手濠を撮影。コブハクチョウが巣を作っています。最初に昭和28年に放鳥され、住みついているようです。

東御苑詳細情報

【場所】東京都千代田区千代田1
 【公開日】次に掲げる日を除き公開しています。
      (1)月曜日・金曜日
        ただし、天皇誕生日以外の「国民の祝日等の休日」は公開します。
        なお、月曜日が休日で公開する場合には、火曜日を休園します。
      (2)12月28日から翌年1月3日まで
(3)行事の実施、その他やむを得ない理由のため支障のある日
【公開時間】3月1日~4月14日 :午前9時~午後4時30分(入園は午後4時まで)
       4月15日~8月末日:午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)
9月1日~10月末日:午前9時~午後4時30分(入園は午後4時まで)
        11月1日~2月末日:午前9時~午後4時(入園は午後3時30分まで)
 【料金】無料
【アクセス】大手門: 地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から約200m
(徒歩約5分)
地下鉄千代田線二重橋前駅(6番出口)から約700m
(徒歩約10分)
JR東京駅(丸の内北口)から約1,000m(徒歩約15分)

平川門: 地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から約200m(徒歩約5分)

北桔橋門:地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から約400m(徒歩約5分)
       ※出入りは、大手門・平川門・北桔橋門のみです。

 皇居東御苑 - 宮内庁
www.kunaicho.go.jp  

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