年末年始休暇のスマッシュヒット! この発想にはしびれた。
1月3日の東京新聞、こちら特報部に「9条にノーベル平和賞を」「1人の母親の運動広がる」との記事が掲載された。
このアイデアを思いついたのは、神奈川県座間市在住の主婦、鷹巣直美さんで一昨年、欧州連合が地域の統合により国家の和解と平和を進めたとして平和賞に選ばれたのを知り、戦後70年近くも日本に戦争をさせなかった九条にも資格があるとひらめいたという。ネット上で行ったキャンペーンで集めた署名をノーベル委員会に送ったが、委員会からは「個人か団体に授与するもので抽象的なものは候補になれない」との返答。そこで鷹巣さんは「九条を保持している国民」という枠組みを思いつく。(以上、記事前半を要約)
運動の輪は広がり、第1期10,000人の署名を募った募集は年明けに終了。現在は第2期分の署名活動をネット上で行っている。たぶん3期、4期とこの活動は続いていくものと確信している。
著名な論客もブログ等でこの記事へのリアクションを起こした。たとえば元外務省官僚で元駐レバノン日本国特命全権大使甘木直人さんは、自身の1月5日のブログで「明るいことも書かなければいけないと思って書いているのではない。これは本物の明るい記事だ」と取り上げた。
世界はまだ日本が憲法9条を掲げている国であることを知らない国や国民が多い。
それを知れば憲法9条に賛同する国や国民が急増することは間違いない。
それほど平和を希求している国と国民が世界に多数存在することを私は知っている。
戦争を望むのは一部の権力者でありその権力者が仕掛ける戦略に翻弄されるからだ。
甘木さんのブログの後半は、読む人の琴線を震わせずにはすまさないスピード感と確信に満ちている。ぜひお読みいただきたい。この冷静な人物がここまで筆を踊らせたのをぼくは見たことがなかった。とはいえ、お忘れなく。「日本国憲法-第9条にノーベル平和賞を授与してください」のページをご確認いただき、ご賛同の上ネットで署名していただくことを!
グローバル化、ボーダレス化が不可逆的に進む今日、この運動は地球的なるものと国家というものが位置する座標軸を「ずらす」可能性をもっている。人類史の中で200年ほどの歴史しかもたない国家というのもの真義を再確認する一歩だと信じたい。
報告●井上良太
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