今回は【文章のスタイルを統一する】ということについて考えようと思います。
文章を作成するときのルールや注意点は、挙げだせばキリがありません。ズボラな僕の場合、「文章のミスはのちほど修正できる」という姿勢なので、下書き段階では文章もムラだらけだと思います。
ただ、そんな僕でさえ、下書き段階から注意深く気を付けたいと思っているのが、【文章のスタイルを統一する】ということなのです。
これはどういうことかと申しますと、「さっきはあぁだったのに、今はこうなっている」という、文章中に発生しがちな矛盾を無くそうということです。
単発の誤字・脱字ていどのミスならすぐに直せますが、「さっきはあぁだったのに、今はこうなっている」というミスは、全体を何度も見直すハメになりますし、そもそも気付きにくいのです。それに何より僕自身、そんな状態が気持ち悪く思えてなりません。
だからこそ、【文章のスタイルを統一する】というテーマにしました。以下に具体例を挙げていきます。
文章の組み立て
まずは、文章の流れを考える組み立て時点について。
文章には組み立てスタイルがいくつかあります。
◆起承転結 ⇒ 「導入~深堀~展開~オチ」の4部構成
結論が後に来るため、盛り上がる
ストーリーを活かす文章、トークに向く
(小説、○○記、すべらない話、怪談、落語など)
◆ PREP法 ⇒ 「Point(結論)~Reason(理由)~Example(具体例)~Point(結論)」
の3部構成
結論が先に来るため、読み手は素早く理解できる
小論文やプレゼンテーションに向く
※ よく言われる「序論、本論、結論」のスタイルも、これに該当。
その場合は、序論(Point)~本論(Reason,Example)~結論(Point)
◆新聞記事 ⇒ 「結論・結果~経過~補足」の3部構成
主眼点を最初に持ってくるため、読み手は素早く理解できる
読み進めるほどに重要性は低くなるが、詳細な内容まで伝わる
誰しも、文章を書く前にその流れを考えると思うのですが、上記のように、文章には作成意図に適したスタイルがあると言われています。僕もこのスタイルを参考に文章を練っています。ちなみにこの記事はPREP法を意識しています。
ただ、ときどき起承転結やPREP法で開始したはずの文章が、書いているうちにそのスタイルを見失っていることがあるのです。
すると、さっきまでPREP法を意識して書いていたのに、書いているうちによく分からない文章になり、自分で読み返したとき「なんとなく書けているけれど、ちょっと違和感がある……」と思ってしまうのです。
僕の場合、こう感じた時は根本的に記事の組み立てがアヤシイです。
「です、ます」調、「だ、である」調
次に注意したいのは、「です、ます」調にするか、「だ、である」調にするかという点。だいたいの場合、最初に指定されることが多いと思います。特に何も言われない場合、どちらの書きかたをするかは事前に確認をしておいた方が無難です。
僕自身、ひとつの文章の中で「です、ます」調と「だ、である」調を、混在させるようなミスをしたことはさすがにありません。ただ、シリーズもので書き続けている記事の中で、「です、ます」調だったり、「だ、である」調だったり……ということがあり、後々違和感を覚えたことがあります。
言葉を明確に使い分ける
最近で印象的だった言葉は「医療費」です。
ある日作成した記事では、年齢階級別に、1人当たりの医療費、自己負担額、保険料を比較したグラフデータを参照し、それを話題にしていたのですが、ここで問題になったのは「医療費」という言葉の使い分けでした。
通常、我々にとっての「医療費」とは、病院に掛かったり薬を処方されたときに、会計窓口で支払うお金(自己負担額)と考えるのが一般的です。しかし、このグラフデータにおいては、通常、我々が給与から天引きされる保険料など、自己負担の際には控除される額まで含めたものを「医療費」として呼びました。
つまり、同じ「医療費」という言葉でも、立場が変われば別の意味になるのです。グラフデータ上で使われた「医療費」という言葉、自己負担額の意味として使われる「医療費」という言葉を同時に使ってしまうと、文中で整理ができなくなるのです。
この記事においては、窓口で負担する我々にとっての医療費を「自己負担額」と呼ぶようにし、自己負担の際に控除される額まで含めたものは、そのまま「医療費」と呼ぶことで使い分けました。
このように、同じ呼びかたの言葉でも読み手しだいで意味が違ってくる場合、それぞれが混同しないよう明確に使い分ける必要があるでしょう。僕自身、これについてはとても勉強になりました。
漢字、ひらがな
文章を書くうえでの注意点として、「漢字を使いすぎない」というものがあります。
例えば、沢山の漢字を使用した文章は何かと読み難く、読む人次第では非常に窮屈に思えてしまいます。特に難読漢字を多用すれば、若年層や漢字の不得手な読者なら戸惑うこと必至です。最悪の場合、文章の序盤から読み疲れてしまい、折角面白い内容の文章ですら途中で投げ出す可能性も有ります。大変残念な機会損失です。
……なんて書きましたが、やっぱり読みにくいですね。
そうなってしまわないためにも、漢字を使いすぎず、時にはあえてひらがなで書くことにより、なめらかに読まれるよう心がける必要があるのです。
■例:「漢字、ひらがな」
~知れません。 ~しれません。
場合 ばあい
時 とき
1ヶ月 1か月
使い方 使いかた
例えば たとえば
……と、このように「漢字で書けるけど、ひらがなの方が、ひらがなが多い方が読みやすい」言い回しもあるので、自分なりのさじ加減で使い分ける必要があります。
ただ、僕がここで一番注意したいのは、文中で何度か登場する言い回しが「さっきまでひらがなだったのに、所々漢字になっている」……なんていう状態です。これも何だか気持ち悪いですね。
このあたりも自分なりの書きかたを決め、文章のスタイルが統一されていると、読み手としても気持ち良いと思うのです。
アルファベット、数字
アルファベットや数字に関しても、以前の私は、半角にしたり、全角にしたりが気まぐれでした。「さすが、素人」といったところですね。
通常、横書きの文章においては、アルファベットや数字は半角にするのが基本だそうです。(例外あり)
縦書きの場合は、全角数字や漢数字も使うこともあります。
----------------------------------------------------------------------------------------
いかがでしょうか。
どれもただの注意点ではなく、きちんと【文章のスタイルを統一する】べき注意点です。そうでないと、最初に述べたように「さっきはあぁだったのに、今はこうなっている」という、ちょっとした違和感が残ってしまうのです。
実際、これは容易ではありません。
私自身、何度読み返してもどこかで「さっきはあぁだったのに、今はこうなっている」状態になりますし、校閲に厳しい新聞や、大手出版社の雑誌記事などでも、ときどき見かけます。
しかし、だからこそ気を付けたいな……と、思うのです。
関連記事
最終更新: