今回のテーマはずばり「わかりやすい文章とは」。
これについて考えてみたいと思います。
……と言うのも先日、僕は自分が1年以上前に書いた文章を読み返してみたのですが、もう読んでいて死にたくなったのです。「よくもまぁ、こんなわかりにくい文章を堂々と書いていたもんだ……」と。
もちろん、今の僕だってまだまだ若輩者です。しかし、それなりに文章を学んできたお蔭でしょうか。少なくとも過去の自分よりは、良い文章を書けるようになった自信があります。なので、ここで改めて、僕なりに「わかりやすい文章」をまとめてみたいと思います。
「わかりやすい文章」のコツ
●全体的な構成として
1.まず結論を述べているか。
⇒何の話題なのか、読み手が直感的に理解できるか。
2.記述ルールを一定にする。混ぜない。
⇒「だ,である調」なら「だ,である調」、「です,ます調」なら「です,ます調」
インタビュー記事ならインタビュー記事、レポート記事ならレポート記事……など
3.5W1Hがはっきりしているか。
⇒文章は文字だけが頼り。欲しい情報は明確に。
●一文一文に心がけること
4.一文を短くする。
⇒長く、切れ目がない文章は、結局なにが言いたいのかわからなくなりがち。
5.接続詞を乱用しない
⇒「そして」「しかし」「なぜなら」……など、接続詞が多いとだらだらしがち。
6.漢字を使いすぎず、ひらがなを多めに
⇒「漢字 3:7 ひらがな」くらいがちょうど良いようです。
7.同じ表現を繰り返さない
⇒たとえば、文末が必ず「でした」「ました」など。繰り返すと歯切れが悪い。
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僕が参考にしているライターさんの“教え”をまとめてみました。どれも大切ですね。これらを守るだけでも、文章はかなり見違えってくるのではないでしょうか。それでも、細かいことを言い出せば、まだまだコツや注意点が出てくると思います。
……が、正直、これらをひとつひとつ守っていくのはけっこう面倒くさい!
「ライターがそんなことでどうする!」なんて言われそうですが、決まりごとが増えれば増えるほどテンパってしまう僕には、上で挙げたことを全部守るなんてなかなかキビシイことです。僕は器用じゃありません。3つを守っているうちに、別の1つを忘れてしまいそうです。
どれも技術的な話ですから、守るだけで文章も見違えるのでしょうけどね……。
“わかりやすさとは愛である”
上で紹介したコツをひとつひとつ守るのがなかなか大変な僕。そんな僕がハッとさせられた意見もありました。
ある日、僕はパオロ・マッツァリーノ氏の著書『つっこみ力』(ちくま新書)を読んでいたのですが、文中で作者は「愛とはわかりやすさである」と述べています。
たとえば、物理学者の彼氏が、無知な彼女から研究分野について質問されたとき、愛のある彼氏が「君にはわからないよ」と言うだろうか。愛があるなら、いくら難しい内容でも、わかりやすく伝えようとするのではないか……、と。
……なるほど、一理あります。
上で「わかりやすい文章」のコツを紹介しておいてなんですが、僕はこっちの方が非常にしっくりきました。「わかりやすい文章」とは、非常にシンプル。
【わからない人にわかりやすく話すような文章】のことではないでしょうか。
そこらじゅうにいる人、おじいちゃん、おばあちゃん、もしくは小さい子ども……などなど。誰が読んでも理解できれば良いですね。もちろん、対象読者を選ぶような、専門的な文章を否定しているわけではありません。ただ、「わかりやすい文章」に限って言えば、そういう考えかたで良いと思いました。
上述の作者は「愛とはわかりやすさである」と述べていますが、逆もまたしかり。「わかりやすい文章」とは「愛のある文章」のことなのかも知れません。
抽象的な結論ですね。
でも、「わかりやすい文章」のコツをいくつも並べるより、これくらいシンプルな考えかたの方が、わかりやすくないですか?
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