数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
過酷な労働条件と引き換えに給料は高い
最高でも時給750円までしか上がらない清掃バイトに比べると、正社員の給与は高いようでした。初任給で約25万円ほどらしく、他のラブホテルで働く社員の月給が平均で18~20万円という事を考えれば高給取りです。理由は労働時間が長いからで、1日平均15~16時間労働という過酷な労働環境だったからです。
社員さんは住み込みで働いている人が多く、「家賃や食費が一切かからないから給料が丸々もらえてラッキー!」「どんどんお金が貯まる!」と喜んでいる人もいれば、「家に帰れないとしんどい!」「家族が心配だ~」と嘆く社員さんなど反応は様々。それでも、給与体系にはおおむね満足しているようでした。
役職クラスになると給料は跳ね上がる
主任は40万、副店長は50万、店長になると70万ほどの月収に到達するらしく、将来的にホテルを1店舗任せられるようになれば人生は安泰とまで言われていました。社員さんは一国一城のあるじを目指すべく、いざ店長への道に向かってひた走るのでした。
とはいえ、平社員の月収は25万円で固定。休日は月に2日しかなく、1日16時間労働ということも考えれば時給に換算すると限りなく750円に近い……。むしろ、最低労働賃金を下回る数字になるらしいです。このことが多くの社員さんの反感を招く原因となり、労働監督署に通報するとかしないとか……。
そんな黒い噂さえ立つような、そんなこともあったらしいです。
よく分からない数字で臨時ボーナスが出る
月の売上が多いとき、役職クラスの社員には臨時ボーナスが支給されていました。
『主任20万』
『副店長30万』
『店長40万』
このような張り紙がフロントの掲示板を大きく飾っている月があります。社員のモチベーションを上げるためでしょうか?どうやって弾き出された数字なのか分かりませんが、月の売上から大幅に還元される仕組みになっているようでした。
社長の奥さんが経理を任されているらしく、金庫から現金を取り出して直接渡すという豪快な手法で支給されていたようです。そんなワイルドな一面もラブホらしくて好きだったんです!
最終更新: