数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
休憩時間が決められない職場
正社員であれアルバイトであれ、雇用者は定められた休憩時間を労働者に与えなくてはなりません。労働時間が6~8時間なら45分、8時間を超える場合は60分というように決められています。
だがしか~し!僕がいたラブホテルはそのような決まりが一切ありません。基本的に休憩時間は清掃スタッフの裁量に任せられており、忙しいときは8時間ぶっ通しで休憩なし!逆に暇なときは1時間おきに15分休憩になるという状況でした。
忙しい週末は飯を食う暇もなし
特に金曜土曜の週末は客室は常に満室。一度お客さんが部屋を出始めたらいつ止まるか分かりません。6時間以上ずっと出っ放しということもあるし、2時間くらい清掃を続けたらピタリと退室が止まるときも・・・。まったく読めないので休み時間の検討がつきません。
困るのはまかないの飯を食っている最中に、満室状態だった客室がバタバタと退室し始めることです。こうなると仕方ないので飯を喉に詰まらせながら、ゲップをしながら仕事に戻ります。もう消化に悪くて掃除になりません!とんかつを食った数分後に便器を磨くなんて、気持ち悪すぎてそのまま吐いちゃいます。
平日の昼間は暇過ぎてたまごっちに夢中
逆に平日の昼間の清掃員は暇な日が多いです。本番清掃という一度に40分くらいかかる清掃を何度も繰り返して時間を潰しますが、それでも時間が余ってしまう日はどうにもなりません。34歳の主婦Sさんが持ち出したアイデアは休憩時間にたまごっちを育てること。。。
当時、爆発的に流行ったたまごっち人気に陰りが見え始めた頃、主婦のSさんはインターネットでたまごっちを大量に入手します。そして、昼間の清掃スタッフ全員にたまごっちを無料で提供し、誰が一番早くたまごっちを育てられるかというスポーツ大会を開催しました。
「たまごっちが楽しくてホテルに来るわ~」「毎日が新しい発見の連続で楽しい!」と一部の主婦層の間で熱狂的なファンが急増していきました。
ある日、「たまごっちが死んじゃった!」とSさんが大騒ぎして、あれだけ盛り上がっていたたまごっち大会は終了しました。ブームが冷めた後の静まりようは凄まじく、熱しやすく冷めやすい主婦層の恐ろしさを肌で感じた瞬間でした。
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