運命に導かれてラブホに就職した男 【素敵なラブホ事情12】

naoki1014

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 数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。

破産寸前でラブホに就職した男性

あるとき、Tさんという40代の男性が入社しました。Tさんはお茶屋さんを経営する社長でしたが、不況の煽りを受けて会社が倒産してしまいました。借金の総額は数千万円に登り、返済の目処が立たなかったところ、知人からラブホテルの経営を勧められたそうです。

「ラブホの店長に上り詰めれば月収100万円も夢じゃない!」という言葉を信じて1年発起したのです。借金を抱えたおかげで妻に縁を切られ、2人の子供と疎遠になってしまったTさん。奥さんは大企業の取締役と再婚する話が進んいるらしく、「妻子と縁を切れば借金を肩代わりしてやる」と再婚相手に迫られたそうです。

Tさんの孤軍奮闘が始まった!

妻子を取り戻すためにTさんの闘いが始まりました。Tさんはとにかくガムシャラな人で、部屋の掃除も力を込めてガンガンやる人でした。しかし、どうにも不器用な体質らしく、掃除機をかけてもホコリが残り、風呂掃除も苦手、タオル折りも汚いということで、「自分は掃除に向いてない!」とわずか2週間で根を上げてしまいました。

「お茶屋さんで経験していた接客業ならできる!」ということになり、ホテルで経営しているお弁当屋さんの店番をすることになりました。しかし、Tさんの接客は大盤振る舞いで、お弁当を買ったお客さんに餃子を1皿サービスしたり、ジュースを1本サービスしたり、勝手に無料サービスを始めて店がどんどん赤字になってしまったのです・・・。

再び向いてない清掃業に戻される・・・

これでは弁当屋が潰れる!という話になり、再び清掃業に戻されるTさん。「昔はお茶屋の社長で金脈もあったけど、今は精子の付いたティッシュをゴミ箱にポイッ・・・なんて堪えられない!」と嘆いていました。ストレスで気が狂いそうになっていたTさんは、夜中にラブホの1室にこもってカラオケを歌い、朝まで酒盛りをして昼過ぎまで寝坊する・・・という悪循環に陥ります。

ある日、「Tさんは寝坊ばかりして仕事をしない」という従業員の苦情に腹を立てたTさんは、リネン室のバケツをガンガン蹴って怒りはじめました。Y主任が慌ててリネン室に飛び込んできて、「客からうるさいと苦情が入った!」と怒鳴り込んできました。

Y主任とTさんは社長室に籠って話し合いを始めます。数分後、「ガシャッ!」と鈍い音を立てて社長室のドアのガラスが粉々に割れました。「自分はちゃんと働いている」というTさんの発言にY主任がブチ切れて強行に及んだそうです。

職場で孤立していたTさんに毒牙の手が・・・

会社と反りが合わずに孤立していたTさんに毒牙の手が忍び寄ります。中年キラーと呼ばれる40代女性スタッフのRさんです。Rさんは夫婦関係が上手くいかないことが原因で、新しいパートナーを探すためにホテルでパートをしている要注意人物です。Rさんは年齢の近い中年男性を片っ端から食い散らかしていました。

仕事が上手くいかないことでヤケになるTさんに優しく接するRさん。魔性の女の魅力にやられたTさんはあっという間に恋に落ちて意気投合。気がつけば結婚を約束する仲になっていました。Tさんは半年でホテルを退職し、結婚資金を貯める為に時給2000円のバイトを始めたそうです。

家族を取り戻すためにラブホに就職した男性が、職場で別の家族を見つけて結婚してしまう・・・。人生は何が起こるか分からない・・・そんな実例を目の当たりにした出来事でした。

   ~【素敵なラブホ事情】 全エピソード・リンク集~
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