こんな手抜きは掃除は怒られる! 【素敵なラブホ事情20】

naoki1014

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 数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。

2人1組は大変!手を抜きたい日もある

 毎日毎日1日8時間も客室の清掃ばかりしていると、精神的にも肉体的にも嫌気がさすときがあります。単純作業に飽きてくるというか疲れてくるというか、やる気がなくなって何もかも面倒くさくなってしまう日があるのです。特に週末の夜は平日の3倍~4倍くらい客が来るので部屋は常に満室状態。

ろくに休憩時間もなく、8時間ぶっ通しで清掃に入る日もあります。回転清掃と呼ばれる簡易清掃に費やさられる時間は3人1組で7分、2人1組で10分程度が目安です。3人で清掃に入るときは細かい部分まで手が回りますが、2人のときは半分くらい投げやり状態!いわゆる手抜きが横行するわけです。

風呂のバスタブを洗い損ねるとクレームが!

 お風呂係りのスタッフは風呂場と洗面台に水滴が残らないように拭きあげるのが仕事です。面倒なポイントはバスタブをスポンジでゴシゴシ洗うことです。これを1回1回やらないとバスタブにアカがこびりついて表面がザラザラになってしまいます。忙しい週末はこの作業をはぶいてしまう人が続出します。

そうなると水アカが徐々にバスタブを侵食し、週明けの月曜にはバスタブの表面がザラザラどころかジャラジャラの状態でお客様に提供することになります。こうなるとフロントにクレームが続出し、Y主任が青い顔をして「頼むからバスタブを磨いてくれ!」と清掃スタッフに懇願するのです。

客室のスリッパを階段から投げるとNG!

 客室の清掃は玄関にスリッパを綺麗に揃えて終了です。たまにスリッパを客室に忘れたまま玄関に戻さないお客さんがいます。そうなると、客室係は備品カゴにスリッパを入れて階段下にある玄関まで持っていく必要があります。

しかし、これを面倒くさがって階段下にスリッパを投げるスタッフもいます。Y主任の話では、「客室の階段を登ったとき、上からスリッパが飛んできて顔面に直撃した。あのときはさすがにキレそうになったよ!」と証言していました。スリッパの顔面直撃は痛そうです!

コロコロ本掃と呼ばれる手抜き掃除

 忙しい週末でもピタリと客足が止まる日があります。そんなときは本番清掃(略して本掃)と呼ばれる入念な清掃を行います。風呂場全体に洗剤をかけてデッキブラジでゴシゴシ磨いたり、トイレの便器の中までスポンジで洗ったり、窓や鏡を綺麗に雑巾がけしたりします。

本掃では床に掃除機をかけますが、ここでもたまに手を抜く人がいます。コロコロと呼ばれる粘着式のカーペットクリーナーで、床のゴミをコロコロ取ってハイ終わり!という清掃法です。通称『コロコロ本掃』と呼ばれるこの手法は、ホコリや髪の毛が床に残って手抜きが直ぐにバレてしまうという難点がありました。

副店長のMさんは手抜き清掃の天敵だった

 数々の手抜き清掃を編み出し、地獄の週末を乗り切ってきた清掃スタッフにも天敵がいました。別支店から研修に来るM副店長(30代女性)です。Mさんは研修に来る度に空室をくまなく点検し、手抜きがないか目を光らせる神経質な人でした。窓枠のホコリを指先でさらったり、洗面台の鏡に水滴が1粒残っているだけでスタッフにクレームをつける怖い人でした。

「忙しい週末は最低限の清掃で構わない」と目をつぶってくれるのがY主任。「客の多い週末こそ完璧に清掃すべし!」と苦言を呈するのがM副店長でした。どちらの上司の意見が正しいのか・・・?結論、清掃スタッフは満場一致でY主任を支持しました!

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最終更新:

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  • O

    ockn1006

    以前僕が宿で働いていたときもM副店長みたいなオーナーがいました。
    間違いなく素晴らしい宿でしたが、僕もスタッフとしては完全にすり減っていましたね・・・
    だからどちらが正しいのか僕もわかりません。笑

    • N

      naoki1014

      Y主任はスタッフに気持ちよく働かせたいタイプ。M副店長はスタッフをすり減らしてでも完璧を求めるタイプです。Y主任はスタッフに大人気!M副店長はスタッフに敬遠されてました。どっちが正しいのかわからないけど、僕はY主任にしか付いていけませんでした。