三島駅南、徒歩15分程度のところにあるのがこの三嶋大社。
伊豆国一宮・総社でもあり、その昔は源頼朝が、源氏の繁栄を祈ってお参りしたこともあるそうで、なんだか格式高い雰囲気を感じてしまいます。ただ、その境内の中を覗いてみると、そこはのんびり過ごす憩いの場という印象を抱きました。
木陰のベンチに腰かけて過ごす年配の方々や、その風景を楽しむ外国人カップルの姿もあり、僕が想像していた以上に、良い意味で敷居が低い場所なのかも知れません。
この三嶋大社から、北西にある白滝公園を目指し、桜川沿いを歩いて行きます。
三嶋大社(2013.07.15)
詳しいことはわかっていないそうですが、平安時代にはすでに創建されていたという三嶋大社。少なくとも1000年以上の歴史があるということになります。
そんな三嶋大社の境内へ入ると、空気ががらりと一変したように感じました。県道22号線を振り返ると、道路の向こう側と境内の中とで、その雰囲気の違いをよりいっそう感じます。
木々に囲まれ、粛々としたたたずまいを見ると、昔ながらの雰囲気を大切にしていることが伝わってきました。
三嶋大社の中にあるのがこの「神池」。
地図上では、周辺の川とは直接つながっていませんが、他のせせらぎと同じように鯉がのほほんと泳いでいます。池に対しても、やはり「水の都」としてのこだわりがあるのでしょうか。
時々、鯉が跳ねるのかチャポンと音がすることも。
個人的に特に印象的なのが、神池のこの緑一面の景色。木々の濃い緑が池の水面にまで写っています。
三嶋大社と言えば、春の桜や秋の紅葉が人気ですが、この緑深まる夏の景色だってなかなかのものです。曇りのこの天気さえ、味わいに深みを持たせている気がしました。
柔らかい風で木々の葉がさらさらと音を立てるなか、世間話でしょうか?年配の方々がくつろいでいました。
観光目線で言えば、三嶋大社の歴史に触れ、お参りをするのがセオリーかも知れません。ですが、こうやって雰囲気を楽しみつつ、くつろぐのもひとつの過ごしかたとして良いなと思えます。頼朝の時代にも、こうしてのんびり過ごす人もいたのではないでしょうか。
水辺の文学碑(2013.07.15)
三嶋大社の西側から県道21号線を渡ると、桜川という川が流れています。
歩道と住宅の間をさらさらと流れ、住宅の玄関前には橋が架かっていて何だかオシャレ。市内のほかのせせらぎに比べると、見た目に派手さはありませんが、やはり透明度は抜群です。水浴びをしていたカルガモが可愛らしく、ついつい目で追ってしまいました。
そしてこの桜川沿いにあるのが「三島 水辺の文学碑」。
これは、川沿いに立ち並んでいる石碑のことで、太宰治や三島由紀夫など、三島にゆかりのある作家10名の作品の一部が、碑に刻まれています。
片側にせせらぎ、もう片側に文学碑。実は左右に見るものがあり、何かと忙しい場所かも知れません。
文学碑をよく見てみると、刻まれている作品はどれも三島が舞台。
しかも、どれを読んでも三島の景色がイメージできてしまうから、思わず感心してしまいました。彼らが著名な文豪たる所以を見せつけられた気がします。
「町なかに 富士の地下水 湧きわきて 冬あたたかに こむる水靄」
この短歌には「おぉー」と唸らされました。見れば一発で三島とわかります。
例えば、ただ歩くだけじゃなく、句や短歌を捻ってみるのも面白いかも知れませんね。何気ない景色にまで目が行くようになる気がします。
水辺の文学碑を歩く(2013.07.15)
太陽が傾き、西日が差してきました。
せせらぎ沿いで犬の散歩をする人、せせらぎ沿いを走る人のほか、ちょうど夏祭りの前夜ということで、出店の準備をする人もちらほら。
ごく普通の街の風景ですが、そこにきれいなせせらぎが流れていきます。
三嶋大社
神池が良い味出してます!西側・斜めに伸びるのが、桜川と「三島 水辺の文学碑」。
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