数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
ホテルの備品は持ち帰り自由?
ラブホテルはビジネスホテルやシティーホテルと比べて、置いてある備品の数が多い。風呂場にあるシャンプーやリンス、テーブルにある灰皿やお菓子、洗面台にある化粧品など、数十品目の備品があります。ティッシュやシャンプーなどの消耗品は使用限度がないので自由に使えるけど、化粧水を瓶ごと持ち帰っても良いか・・・?その判断は微妙です。
『瓶の持ち帰りはご遠慮ください』という明記はないので、客の立場にしたら、『自由に使用してもよい』=『持ち帰ってもよい』と解釈されてもおかしくない。この辺りの判断はお客さんの一般常識にゆだねられているようです。ほとんどのホテルは持ち帰り禁止の説明書きがないので盗られても文句は言えない状況です。
ラブホの備品は盗まれ放題!
『備品の持ち帰りは客の一般常識にゆだねる!』というスタンスをとるラブホテル。こうなると合法的な窃盗が頻繁に起こります。僕が働いていたホテルではテーブルの灰皿が1枚3,500円もする高価な品でした。2時間の休憩料金が3,000円なので、その時点で売り上げはマイナス500円という悲劇に見舞われます。灰皿なんて100円均一の安物で十分な気もしますが、高級な灰皿を置くのは社長命令ということでした・・・。
あと、デリヘル嬢はお菓子を持ち帰るのが好きですね。お菓子の入ったバスケットにはアメやスナック菓子、バナナが2本入って総額300円ほど。デリヘル嬢が帰った部屋はバスケットのお菓子が根こそぎ無くなっています(笑)会社の女の子同士で分けて食べるのかなーと想像すると微笑ましく思えます^^
ディズニーの人形は恰好の標的!
ラブホテルの定番といえば、ディズニーランド風のファンタジーな客室です。版権元にロイヤリティー支払ってるかは永遠の謎ですね・・・。こういう部屋にはディズニーのキャラクター人形がそこかしこに置かれています。1万円ほどの巨大なミッキーマウスの人形は、盗まれないように天井から吊るされたブランコに乗せられていました。それでも週に1度は盗まれます。何かの長い棒のような物を使って落とすのでしょうか・・・?
スリッパなどの小物類もキャラクターのデザインが入っていれば大体はパクられます。驚いたのがネジで壁に固定されたスティッチの大きなパズルを、強引にはがして持ち去ったお客さんです。壁に引きちぎった跡が残っていたので必死だったと思われます・・・。盗んだパズルを部屋に飾って楽しめる、お客さんのメンタルの強さに脱帽します!
貧乏性なのか節約上手なのか?わかりにくい客
たまに不思議なお客さんに遭遇します。風呂場のシャンプーとリンスが完全に吸い取られているのです。ボトルごと盗むのは理解できますが、液体だけが綺麗に抜き取られているのです。吸い取った液体をどこに格納したのか大変気になります!さらに、洗面台に置かれた5種類の化粧水も、液体だけが見事に抜き取られていました。
ボトルごと盗らないなんて律儀なのか泥棒なのか判断に困ります・・・。そういうお客さんは歯ブラシや歯磨き粉、ローションや入浴剤など、消耗品は必ず持って帰ります。ラブホテルはロマンティックな気分で恋人と素敵な時間を過ごす空間だと思います。そんな状況で客室の備品を物色するなんて、現代は神経の太いカップルが多いのでしょうか?
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