お猿の国の猿社会(小豆島)【旅レポ】

tanoshimasan

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銚子渓・お猿の国自然動物園

車で走るにはちょうど良い小豆島。近くに「銚子渓お猿の国」があるようなので立ち寄ることにした。県道27号線へ入り、車を7分ほど走らせると、それまでの海が見えていた景色とは違う山道の雰囲気が漂ってきた。

側道で目が合ってしまった猿2匹(小豆島・県道27号線)
側道で目が合ってしまった猿2匹(小豆島・県道27号線)

野生の猿、只者ではない・・・?

お猿の国入口

お猿の国入口

ふと側道を見ると、猿が2匹こっちを見てるじゃないか。お猿の国はまだ先だ。野生だろうか。普段の生活では馴染みのない光景に、思わず車を止めてカメラを向けたが、じっと見つめるのは意外と怖い。だってあの猿、“コンビニ前にたむろするガラのよろしくない連中”みたいな座り方してたし。しまいには「なにメンチ切っとんじゃコラァア!」と凄まれそうな予感すらした。人間と比べれば小動物に過ぎない猿だが、良い体格の大人が普通にビビるのだから、きっと彼らは只者ではないのだ。

さて、そんな猿との時間を経てようやくお猿の国へ着いた。当然だが猿だらけ。入り口付近で訓練された「モンキーショー(1日2回)」を見たあと、しばらく歩けば野放しの猿がわんさか。動物園のようにサル山が設けられて距離があるのかと思っていたが、まるで日常の一コマのように人間と猿がすれ違う。トラックの荷台でごそごそとしている奴もいれば、何かをほおばって走る奴もいる。僕も当初は身構えていたものの、やはり人間慣れしているのか、その必要もなさそうだった。

モンキーショー
モンキーショー
そこらじゅうに猿
そこらじゅうに猿

力強さと鮮やかさ

猿が飛びついてくる

猿が飛びついてくる

「エサやり体験」というのがあったのでやってみることにした。お金を渡すと、小バケツ一杯の一口サイズにカットされたさつまいもを手渡された。このやりとりだけで猿たちは何かを察知したらしい。じわりじわりと近づいてくるのだ。「危ないから檻に入って」と受付のおっちゃん。え、こっちが檻に入るの?

外から見るとこんな感じ

外から見るとこんな感じ

どうもエサに対しては猿が過敏に反応するらしく、人間が安全な檻の中に入って猿にエサをやるスタイルだそうだ。言われるままに檻に入ると、金網の柵に猿が飛びついてきて片手を差し出してきた。指が小刻みによこせよこせと動く。なるほどこうやってエサをやるのか。しかし、なかなか貪欲な奴らだ。

いくら動物とは言え、エサを手渡しするっていうのが面白い。順番にエサを与えていると、さっき与えたはずのデカい猿が、小さい猿からエサを奪い取った。一瞬の力技だ。「キャーーーーーーー!」と鳴き叫ぶ(泣き?)小猿。さすがに可哀想なので、もう一度その小猿にエサを差し出した。・・・が、再び飛びついてきたデカい猿が奪い取る。

イチローにエサを奪われた小猿

イチローにエサを奪われた小猿

コイツ、マジか。

絶望的な大飛球を、どこからともなく現れて、いとも簡単に捕球するイチローのごとき鮮やかさである。小さい手を精一杯伸ばしていた小猿のアピールもむなしく、エサはデカい猿の口へ。

圧巻だったのは次の瞬間だ。可哀想な小猿に、再度エサをあげようとした僕の動きを素早く感知したデカい猿。奴は口にさつまいもを頬張ったまま、飛びついてきた。

「甘い!」

僕はとっさにエサを右手から左手へ持ち替え、高く上げて小猿の口元へ。しかし―――

「キャーーーーーーー!」

響いたのは小猿の悲鳴。そして、キレのあるジャンプを見せたデカい猿。僕のフェイクもなんのその、イチローもびっくりのジャンピングキャッチだった。

コイツ、マジか。

何が気に入らないって、イチローがファインプレーを見せる時の「当然」というあの“すまし顔”、この猿もまったく同じ顔なのだ。僕は勝手にコイツを「猿のイチロー」と決めた。「猿の世界にボスがいる」という学説は賛否あるそうだが、その学説が正しいとすれば、確実にイチローがボスである。

弱肉強食である

子供にも容赦ない猿社会。弱肉強食なのだ!

子供にも容赦ない猿社会。弱肉強食なのだ!

エサは色んな猿へ行きわたるように与えていたが、イチローは時に鮮やかに奪っていく。小猿に関しては、ほぼ100%の確率で奪われている体たらくだ。とは言え、生まれて日も浅いだろう小猿を思えば、仕方がないというか可哀想なのだが、若い猿も含めて弱肉強食であることを思い知らされる。さっき、道路で感じたとおり、やはり彼らは只者ではないのだ。人間はか弱い子供こそ過剰なほどに優しくするが、猿社会では一切甘やかさない。そんな厳しさを見た。

それでも、小猿のたくましいところは、イチローを相手にしても諦めないところだ。彼(彼女?)は小さな手をくっと伸ばして、懸命に手を伸ばす。全身で「エサをちょーだい!」と言っている。そうだ、頑張れ頑張れ。必ずお前にエサを食べさせてやるからな。いつの間にか、僕の頭の中ではロッキーのテーマが流れ始めていた。

(テッテーテテテーテテテーテッテー、テッテーテテテーテテテーテッテー)

小猿の右手にエサが届いた―――

バシッ!

「キャーーーーーーー!」

コイツ、マゾか。

結局、小猿にエサを渡せることなく、バケツは空になった。 小猿に幸あれ。

銚子渓お猿の国自然動物園

◆電話番号:0879-62-0768◆営業時間:8:10~17:00(最終入園16:30~)◆入園料金:大人370円、子供(小学生以下)180円、30名以上の団体340円、エサ100円◆休み:年中無休

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  • N

    nezumisenpai

    サルにのぞきこまれているっていうかガンつけられているっていうか怖いところだなぁ。ガンつけられに行ってみたいです!