小笠原諸島と携帯電話

tanoshimasan

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 色々調べているうちにこんな話を見つけた。小笠原村観光協会の公式HPの「!?よくある質問と答え」のコーナー。

携帯電話は使えるの?
NTTドコモ・au・ソフトバンクの携帯電話が使えます。
※一部機種は使用できない可能性があります。
※街から離れると電波が届きにくくなりますのでご注意ください。
※サービスエリアは随時拡大中です。

「別に普通のことじゃん。」と言えばそれまでなのだが、つい5年前、僕が初めて訪れた2007年の2月時点では「docomo」一択だった。当時は友人7人と訪れたが、docomoユーザーは一人だけ。docomoユーザーの彼女の携帯電話が重宝したのを覚えている。その翌月の2007年3月にはauが一部集落で使えるようになり、徐々に浸透していった。

電波の入らない島で長期滞在

 私事だが、2008年には大学を休んで、小笠原・父島に5か月ほどの長期滞在をした。当時はdocomoとauこそ使えたのだが、僕は生憎のソフトバンクユーザー。小笠原に楽しみを求めて出かけたものの、大学生当時の僕としては、内地の友人と5か月も連絡が取れないのはあまりにも寂しく、死活問題だった。それだけのために、docomoの一番安いシニア向けの「らくらくホンシリーズ」を契約。島へ持っていくことにした。自前のソフトバンクの携帯も「おがさわら丸(父島行きのフェリー)上にて伊豆諸島付近まではかろうじて通じる」ということで、持っていくことにした。圏外を承知で。

 しかし、やはり慣れ親しんだ携帯が良いもの。最低限の友人には「一時的にdocomoを使用している」と伝えていたものの、「もし何も知らずにソフトバンク携帯に送ってくれている人がいたらどうしよう・・・」と不安にもなる。あまりにも心配になったので、小笠原に滞在して3か月たったある日、実家に島の野菜を届ける宅配便にソフトバンク携帯を同梱したほどである。小笠原への交通手段は週1往復のおがさわら丸のみ。ようやく実家に届いたソフトバンク携帯を1週間後、実家に僕宛に届いている郵便物と一緒に島へ返送してもらうという、今思えば手間のかかるややこしいやりとりをした。案の定、飲み会の誘いなどのメールからDMまで、3か月で200件超のメールが届いており、意図せず無視をしていた相手に謝罪したのを覚えている。 滞在を終えて内地に戻るときも、船の上で電波が入ると「1時間ほどメールを受信し続ける」という事態に。バイブレーションが休まらないままメールボックスが一杯になり、そのままバッテリーが切れたのも懐かしい思い出である。5か月の滞在中のみ使用していたdocomo携帯は違約金を払って解約。なんだかもったいない気もしますが、あの当時は仕方が無かったのだと思っている。

 さて、そんなソフトバンクだが、ようやく、2011年9月より父島、11月より母島でサービスを開始していたようだ。2011年の6月に世界自然遺産登録され、それに応じて慌てて整備したというところだろう。今となっては、あの面倒なやりとりもなんだったのか。離島の不便さを実感した。 

 今回は小笠原を例に挙げたが、小笠原に限らず、基本的に携帯電話はdocomoが無難であるし、島を旅する視点で見ればソフトバンクは使い勝手が悪い。新しい技術が登場するたび、ひと足遅れて整備されるのは離島の常。島と言えばそれなりに不便なのは承知だ。それは仕方がないのだが、そんな離島でも相性の良いサービスは必ず登場する(小笠原の携帯電話で言えばdocomo)。例えば、似たような話題として、宅配便に関しても「郵便局を使うか、ヤマト運輸を使うか・・・」「島外で買い物をするか、ネット通販を活用するか・・・」なども挙げられる。 快適な島旅を楽しみたいのであれば、そういうサービスをいち早く見抜けるようにもなりたいものである。

 日刊楽島コラム
potaru.com

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