歩いていると猫、猫、猫・・・。
近年注目度が急上昇している島、田代島。その島の形から「ひょっこりひょうたん島」のモデルとも言われる小さな島です。 高齢化・過疎化が進んでいた田代島が、「猫の島」としてテレビで紹介されたのは2005年頃。島ののどかな風景とのんびり暮らす猫たちが人々の関心を寄せたのか、瞬く間に有名になりました。島の平均年齢は71歳と超のつく高齢化社会。とてもではないが、観光客を新たに迎え入れるなんて厳しいと思われました。ところが、この「猫効果」が功を奏し、ピーク時は1日200~300人が島を訪れるほどになったのです。そもそも島には昔から猫が多く、時を経るにしたがって「大漁の守護神」として大切に祀られるようになりました。
また、もうひとつ田代島の代名詞的存在がマンガアイランド。石巻市の町おこし政策の一環で、ちばてつや、里中満智子の著名な両作家ががデザインした「マンガロッジ」があります。マンガを通じてアウトドアが楽しめることから、幅広いファンが訪れるようになりました。それまで、釣り客とわずかな観光客が訪れる程度だった島。ですが、こうして写真家や愛好家が多く訪れるようになったのです。 しかし、そんな矢先に起こったのが東日本大震災。田代島も無傷というわけにはいかず、一時は観光どころではなくなってしまいました。それでも、島の猫たちがまたまた大活躍!震災でもう一度ゼロからの出発となったわけだが、ここでも猫が活躍する。
島民有志が観光や漁の設備の再建などのために「にゃんこ・ザ・プロジェクト」と称して寄付を募ったところ、瞬く間に全国から1億5千万円が集まったのだ。この資金を管理・運用するため、一般社団法人「田代島にゃんこ共和国」も設立された。
(2012年07月21日付日本経済新聞より引用)
人々と猫の絆はさらに深まっています。
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田代島の見どころ
ビーチで遊ぶ
田代島ポケットビーチ (場所)
仁斗田港すぐそば、波の静かな海水浴場。家族でのんびり過ごすには良い場所です。遠浅で泳ぎやすく、小さな魚たちもたくさん泳いでいるので、好奇心を駆り立てられます。
学校の浜 (場所)
今では廃校となってしまった島の小・中学校の児童らが、勉強用の文房具を買うために魚介類を獲ったことからこの名前が付きました。学校はなくなってしまいましたが、歴史を紐解けばこういったエピソードが潜んでいるから面白いですね。
景色を楽しむ
正島山 (場所)
島の北部にある田代島最高峰。標高96m、それほど高くなく気軽に行き来できます。ここから牡鹿半島や石巻市街が見渡せ、その絶景に気分もすっきり。
仁斗田貝塚 (場所)
宮城県の指定史跡。宮城の島々は様々な遺跡に恵まれていますが、ここは全国的にも非常に珍しい縄文時代の岩礁性の貝で構成された貝塚です。
文化に触れる
猫神様 (場所)
その昔、島の産業として養蚕を行う際、ネズミ除けとして一役買ったのが猫でした。その後、漁師らの食べ残しに猫が集まったことから、島の漁師と猫の関係はより親密になります。ところが、漁師の作業中、不幸な事故で一匹の猫が死んでしまいました。このことを非常に悲しんだとある漁師。猫のために墓を建てて祈ったところ、その日から大漁が続いたうえ、事故もなくなったと言われています。以来、「猫神様」として猫が祭られるようになり、島では猫がより大切にされるようになったのです。
稲荷神社
施設を楽しむ
田代島自然教育センター (場所)
かつて島に存在した小・中学校の廃校跡を改装した施設です。集団宿泊や野外体験に利用できます。
マンガアイランド (場所)
2000年、「マンガを活かした夢のある地域づくり」を掲げた石巻市の取り組みの一環で設立されたものです。「マンガやマンガ的発想を地域活性化の手段として活用する」という構想のもと、著名な作家たちのイラストに囲まれながら、キャンプやバーベキュー、ロッジ泊を楽しむことが出来ます。施設の管理拠点であるセンターハウスでは漫画の創作体験が出来るようにもなっています。特にちばてつやや里中満智子らがデザインしたねこ型ロッジは必見。
田代島の情報あれこれ
【名 称】田代島(たしろじま)
【所在地】
宮城県石巻市(地図)
【面 積】3.14㎢
【周 囲】
11.5km
遊 び
ハイキング、サイクリング、海水浴、磯釣り
食べる
アワビ、うに、のり、ひじき、ふのり、銀鮭、めかぶ
郷土料理
雲丹みそ、コナベッコ焼(魚介と野菜を鍋で煮込んだ料理)、うに丼、どんこ汁
変わりモノ
ホヤの刺身
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