体内時計のしくみ

uematsu

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●人体に体内時計がある理由

人体に体内時計が存在するのはなぜでしょう。それは各臓器を適切な時刻に活動させるための機能だと考えられています。人は朝、目が覚めると起き出して体を動かします。そして一日3回食事をします。毎日、決まった時刻に筋肉や、消化管、肝臓などを働かせなければなりません。目が覚めた後に筋肉を使うためのエネルギーを準備したり、食事が始まってから消化管を動かすより、その時刻が来る少し前から、体内時計を使って準備しておく方が効率的なのです。地球の1日が24時間なのに対し、人間の本来持っている1日の単位は25時間。もし光も音も温度も1日中変わらない条件の中で生活すると、人は25時間ごとに寝たり、起きたりすることになります。人が24時間を1日の単位として認識できるのは、体内時計のおかげだといわれています。朝、眼から入る太陽の強い光を感知すると、その14時間後に「時計ホルモン」と呼ばれるメラトニンが体内に分泌されます。メラトニンは睡眠を促すホルモンで、血流によって体の隅々まで時間の情報を運んでいきます。人は太陽の光を浴びることで、体内時計を1時間早めるリセット・ボタンを毎日押しているのです。

●体内時計が狂うとどうなる?その症状をいくつか例にあげてみます。

・睡眠相後退症候群

生活の時間が普通の人より後ろにずれて元に戻れなくなる状態を、睡眠相後退症候群と呼びます。夜更かしが多くの原因で、だるかったりめまいがしたりと体調が悪くなります。少しずつ生活を元に戻すつもりで、朝エンジンがかかるように朝食を食べたり散歩をすると回復していきます。

・時差ぼけ海外旅行に出かけた際、渡航先で日本との時差についていけず、頭痛や眠気といった体の不調が表れるのが時差ぼけです。光療法といって、日中に日の光を浴びることで体を慣れさせる対処法があります。旅行先の時間に合わせることが、体内時計を元に戻すポイントです。

・昼夜逆転生活

赤ちゃんは昼と夜の区別がつかないので、よく昼夜逆転の生活がみられます。夜静かなほうが考え事をしやすいという理由で、意図的に昼夜逆転生活を送る人もいます。内科・心療内科で不眠に関する治療を受けている人も少なくありません。

●体内時計の調整法

体内時計がうまく機能しないと、人は体調を崩しやすくなります。体内時計をコントロールするいい方法はないものでしょうか。その対処法をいくつかあげてみます。

•朝日を浴びると、目覚まし時計より目覚めがスッキリする•朝食を摂ってエネルギーを補充する

•朝のちょっとした時間に好きな音楽をかけながら掃除する•日中は外に出て体を動かす

•運動をしたり、人に会って刺激を受ける•光を受け取りやすい場所にベッドを配置する

●体内時計の活用法体内時計による体のバイオリズムには大きな傾向があります。それをうまく利用することで、エネルギーをより効率的に引き出すことができます。

・体力を最大限に引き出す時間

例えば午前7時に起床した場合、午後5時~午後9時が体力を最大限に引き出せる時間です。あるスポーツ選手は体温のピークと競技成績が比例する傾向にあるそうです。体温のピークと競技時間を合わせることが、良い成績を出す方法なのだそうです。

・知力を最大限に引き出す時間スイスで行われた計算・記憶力の実験データによると、午前7時に起床した場合、夕方5時から夜9時の間に計算力・記憶力が最大になるそうです。脳の温度=脳温が上昇すると、脳の代謝や血流量が上がり、考える力が上がるからだそうです。

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