体験から学ぶ Part3 ~黒耀石体験ミュージアム~

cha_chan

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黒曜石(黒耀石)(こくようせき、英: obsidian)は、火山岩の一種、及びそれを加工した宝石。岩石名としては黒曜岩(こくようがん)という。

黒曜石 - Wikipedia

最近、歴史にも興味を持ち始めた長男。特に石器時代の暮らしに憧れています。

図書館から借りてきた石器時代の暮らしが描かれた本に食いついた長男が、「黒耀石が欲しい!」と言い始めました。どうやら黒耀石で矢じりを作ってみたいようです。

インターネットショッピングで黒耀石の矢じりは購入できます。しかし長男は自分で作ることにこだわりがあるのです。

実は自分も子供のころ、黒耀石に憧れて自宅周辺に黒耀石がないか探し回ったことがあります。この親にしてこの子ありですね(笑)。しかし、いくら探しても見つかりませんでした。

まずは、どこに行けば黒耀石が採れるのか調べることに。すると、自宅からでも車で何とか行けそうな場所に黒耀石の産地がありました。しかも、なんと黒耀石で石器づくり体験ができる施設まであるではありませんか!

そんなわけで、静岡県から長野県の霧ヶ峰高原東北端に位置する、星糞峠(ほしくそとうげ)にある「黒耀石体験ミュージアム」に行ってきました!(むしろ自分の方がテンション上がってます。)

黒耀石体験ミュージアム

黒耀石の産地は北は北海道から南は九州まで、全国に広がっています。その中でも埋蔵量と質の面から、縄文時代に道具として利用される産地は一部に限られていたようです。そんな黒耀石は、その切れ味の良さから狩猟、調理道具として大変重宝され、数百キロ圏内で流通していたといいます。

長野県の諏訪湖の北側に位置する、和田峠は全国で1、2を争う黒耀石の産地で、現在でも採掘がおこなわれています。今回訪れた黒耀石体験ミュージアムは、和田峠からほど近い鷹山遺跡群の星糞峠(ほしくそとうげ)という場所にあります。

「黒耀石体験ミュージアム」は静岡県掛川市にある我が家からは、2020年の全線開通を目指す中部横断自動車道から中央道を経て、3時間ほどで行ける場所にあります。

黒耀石体験ミュージアムは、長野県の霧ヶ峰高原東北端に位置する、国史跡・星糞峠(ほしくそとうげ)黒曜石原産地遺跡の麓にある体験型博物館です。
発掘調査の最新の調査成果を、実際の石器・アニメーション・模型などから分かりやすく知ることができるだけではなく、石器づくりなどを実際に体験することができます。

黒耀石体験ミュージアム

石器づくり体験をしよう

黒耀石体験ミュージアムには、大学との共同調査内容の紹介、黒耀石の原産地・鷹山の歴史、実物の黒耀石の展示などの展示場がありますが、何と言ってもこの施設の魅力は黒耀石の石器づくり体験ができることです。

子供の頃の夢が、まさか自分の子供と一緒に叶えられるとは思ってもいませんでした。しかも料金も30分程度の体験で600円からと、かなりお安いのです。体験メニューは全部で17種類、体験場も最大収容人数150名と広々としていて、体験指導をしてくださる施設の方も数名常駐されています。

この日も私たち家族の他に、数組の家族が石器づくり体験を楽しんでいました。

ちなみに長男が作りたいと言っていた「黒耀石の矢じりづくり体験」もメニューにちゃんとありました!

こちらが矢じりの原石となる本物の黒耀石です。美しい!
こちらが矢じりの原石となる本物の黒耀石です。美しい!
作り方のガイド
作り方のガイド
黒耀石の矢じりづくりの道具
黒耀石の矢じりづくりの道具
矢じりづくりは一発勝負。真剣です。
矢じりづくりは一発勝負。真剣です。

矢じりづくりは、ペンのような道具を使って黒曜石の原石を少しずつ少しずつパキパキと削って形を整えていきます。原始時代には当然このような便利なキットはないので、原始人は鹿の角などの道具を使って黒耀石を削っていたようです。

矢じりづくりの過程で、削り取った黒耀石の破片が大量に出ます。矢じりの制作中は軍手とゴーグルを着用して行いました。ガラス質の黒耀石は非常に切れ味が鋭いので、飛散した破片で手や目を傷つけないように注意が必要です。

最初に大まかな形を作るのに苦労した長男でしたが、指導員の方にも時々助けてもらいながらも、ほとんど自力で矢じりづくりを完成させたました(自分も少しだけ体験させてもらいました)。制作時間も30分くらいなので、子供でも集中力を切らさず楽しく体験ができます。

こちらが長男が作った黒耀石の矢じり。本人も大満足の出来でした!
こちらが長男が作った黒耀石の矢じり。本人も大満足の出来でした!
こちらの飾り用の弓矢に両面テープで貼り付けて完成です。
こちらの飾り用の弓矢に両面テープで貼り付けて完成です。

ちなみに女子力の高い娘は、「縄文ペンダントづくり体験」を選択。黒耀石の他に色々なカラフルなビーズで可愛いペンダントが作れます。幼稚園児の娘はママと一緒に体験をしました。

たくさんのキレイなビーズから自由に選べます。女の子向けのメニューもたくさんあります。
たくさんのキレイなビーズから自由に選べます。女の子向けのメニューもたくさんあります。
ビーズを選んで紐に通していきます。
ビーズを選んで紐に通していきます。
なかなか細かい作業ですが、楽しんで制作しているようです!
なかなか細かい作業ですが、楽しんで制作しているようです!
縄文ペンダントの完成!
縄文ペンダントの完成!

体験後は・・・

石器づくり体験後は、体験場から外に出た裏山で、竹で作られた弓矢で遊ぶことができます。心は原始人の長男は、大はしゃぎで原始人になり切っていました(笑)

大はしゃぎな長男。
大はしゃぎな長男。
原始人が向かってきます。
原始人が向かってきます。
後からかけつけた娘も狩りに参戦。
後からかけつけた娘も狩りに参戦。

石器づくり体験から学んだこと

今回は急遽思い立って、長野県の黒耀石ミュージアムまで足を運びました。ミュージアムでは、黒耀石の形成過程や黒曜石を使った原始人の暮らし、黒耀石の流通などの歴史を学べる他、展示された美しい黒耀石を見ることができます。

また石器づくり体験を通して、昔の人々の暮らしを知るのと同時に、何でも道具がそろっていて食べ物も簡単に手に入る現代は本当に便利な世の中だなぁ、とあらためて実感しました。

現代の文明や科学の発展は、これまでの数百万年間の人類の発明の積み重ねであり、石器もそのうちの大事な発明の1つ。石器づくり体験を通して、私たち祖先の偉大さを感じることができました。

長男にとって石器づくり体験は、現代なら何でも簡単に手に入る道具を、あえて一から作ることで、どうやったら道具を作ることができるかということを学べたことが大きかったです。

このことは、どんなことにも応用できると思います。道具がなければないで、機転を利かせて自然の物から道具を作り出して代用することができます。最近我が家はキャンプデビューを果たしましたが、この応用力はキャンプでもサバイバル力として活きてきます。

これからも自然の中で、家族の絆を深めていきたいと思います。

最終更新:

コメント(8

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  • B

    baikinman

    > 矢じりづくりは、ペンのような道具を使って黒曜石の原石を少しずつ少しずつパキパキと削って形を整えていきます。

    私は「黒曜石を割った破片がそのまま矢じりになるのだと思っていました。
    かなり細かい作業で矢じりは出来ているのですね。

    • C

      cha_chan

      矢じりを作るのにも結構時間がかかるので、おそらく昔の人は、矢を使い捨てではなく、ちゃんと回収して何度も再利用していたのだと思います!

    • O

      orangeoor18

      体験メニューが豊富で楽しそうな施設ですね。しかも手頃な値段!お父さんもテンション上がる場所でよかったですね!

      • C

        cha_chan

        まさか黒曜石の博物館があるとは思ってもみませんでした。子供の頃からの夢がかなってよかったです。
        黒曜石ミュージアムで買ってきた黒曜石のナイフを先日長男が実際に使ってみたようです。
        稲刈りを行いましたが、ちゃんと切れたみたいです!

      • A

        akaheru

        また面白そうなことしてますね!

        弓矢を持つ様子も体の動きから楽しいことが伝わってきます。

        次に息子ちゃんがどんなことに興味を持つか、気になります。

        • C

          cha_chan

          射的?場での長男の興奮は相当なものでした。
          こんな場所がもっと近所にあったらいいな、と思いました(そのうち、長男が自宅に射的場を作ってしまうかも・・・)

        • P

          pamapama

          黒耀石の矢じりは最高の出来ですね!それにしても、黒耀石、化石、きのこ、森林、果物、栗などなど長野県は長男くんの理想郷ですね(*^-^*)

          • C

            cha_chan

            長野県には本当に何度もお世話になっています(笑)
            将来掛川にはとどまらず、長野県か山梨県あたりに移住するのではないかと思っています。